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02年3・17大集会3 開催報告 参加呼びかけ

 
2002年3月17日
3・17怒りの大集会3



開催報告


3月17日に九段会館に950人が集まりました
私たちは、3月17日に、東京・九段会館で「怒りの大集会3」を開催しました。参加者は950余名にのぼりました。
 この集会は、〈アメリカのアフガニスタン・中東侵略反対! イスラエルのパレスチナ軍事攻撃弾劾! 日本の参戦絶対反対! 有事法の制定を許すな! 憲法改悪絶対反対!〉のスローガンのもと、呼びかけ人105名と賛同人137名のご協力をえて、これまでにない多くの方に参加していただくことができました。さまざまな分野で創意工夫と情熱を傾けて運動をつくりだしている方々のユニークな報告と活発な討論がくりひろげられ、集会はとても盛り上がりました。

ブッシュとシャロンの暴虐に怒り!――ビデオ上映
 
 はじめにビデオが上映されました。今なおくり返されるアメリカ軍のアフガニスタン軍事攻撃と、イスラエル・シャロン政権によるパレスチナ民衆のジェノサイド的殺戮のむごたらしい実態を映し出す映像に、参加者はこみあげる怒りを覚えたのでした。 

「抑圧されたもののグローバルな連帯を」(水岡さん)

 主催者を代表して弓削達さん(東京大学・フェリス女学院大学名誉教授)が、「アフガニスタンの戦況はかえって悪くなっている。またいま日本は、有事法制という危険な歩みに入っている。みなさん、声をあげてこの危機を止めよう」と訴えました。
 つぎに問題提起です。水岡不二雄さん(一橋大学大学院教授)が、「アメリカはアフガニスタンにカルザイのカイライ政権をつくった。『文明化された世界』をつくらなければならないとブッシュは叫んでいるが、かつてのイギリス帝国主義と瓜ふたつの思いあがった考えである。いま脅威の源がアメリカひとつになることによって、抑圧され奪われるものがグローバルに連帯して闘争する可能性が成熟してきている」と指摘しました。
 つづいて実行委員会の学生は、「ブッシュや小泉が『テロ対策が必要』と言っていることに足をすくわれると攻撃に抗せなくなってしまう」と指摘し、「私たち学生は自衛隊の第二次出兵やブッシュ来日反対の声をあげてきました。この声はマスコミを通じて世界中に配信されて各地から共感の声がまきおこっています。いま日本がアメリカと一緒にやっている戦争を止めるのは私たちの力次第だと思います。今こそ反戦・平和の声をつくっていきましょう」と呼びかけました。
 この二人の問題提起を受けて、リレートークに移りました。

「絶対反対を粘り強く言いつづけよう」(池田さん)

 最初に共同代表の池田龍雄さん(画家)が、「アメリカのブッシュが『悪の枢軸』と言い出しましたが、私はこの言葉をアメリカの方に返上したい。21世紀を悲惨な世紀にしてはならない。私たちは今は力は弱いけれども『絶対反対!』を粘り強く言いつづけなくてはならない」と呼びかけました。
 宇井純さん(沖縄大学教授)は、「日本の米軍基地の70%は沖縄に集中している。公害ももっとも集中している。政府は金を湯水のように注ぎ込み、無茶苦茶な開発をやって公害を起こす。これをやめさせるためには、私たちは自分の言い分の表現を工夫して頑張らなければならない」と呼びかけました。信太正道さん(戦争屋に騙されない厭戦庶民の会代表)は、「厭戦思想が戦争を闘う魂を全部食いつぶしてみせるというのが厭戦庶民の会です」と力強くアピールするとともに、先日ドイツ・ベルギー・オランダに行って厭戦思想を講演して多くの欧州人の共感を得てきたことを紹介しました。
 シナリオ作家協会の山内久さんをはじめ3人の方が登壇しました。三人の方はそれぞれ次のようにアピールしました。「軍部が強権を握ったらダメ。私は19歳で兵隊にとられ、山西省に送り込まれて人体刺突の訓練をやらされた。いま日本国憲法ボロボロ、死に体になっている。こういう時何をしたらいいか。みなさんが勉強したことを隣の奴に喋ってもらうより仕様がない」。「私はキリスト者。ブッシュ大統領はほんとに聖書を読んだことあるのか! もう一度よく読んでみな、と言いたい。こんな奴に『正義』を語らしちゃいけない。尻馬に乗る小泉純一郎もどうしようもない。人として、作家として、一キリスト者として、戦争への道を阻止しなければいけないと思って声をあげました」。「有志声明」を出すにいたる経緯を「『理事会で声明出してくださいよ』と言ったら、反対意見が多数であっけなく否決され、『これはやってやるぞ』となりました。最大公約数を考えてCぬるいD声明文にはなってしまいましたが、みんなが乗れたということもあります。……どんな小さな波紋でも僕は石つぶてを投げつづけます。みなさんも投げつづけてください」と参加者に呼びかけ、会場からは3人に共感の大きな拍手が送られました。
 リレートークの最後に、「チャンス(平和を創る人々のネットワーク)東京」のメンバーがスピーチしました。昨年の9・11以後のチャンスの活動を紹介し、「今いちばん力を入れてやりたいのは、みんなもっと有事法制について考えようよ・『Who is Yuji ?』というキャンペーンです。若い人に届く言葉で語りたい。……同じことを言っているのになんで政党と政党で別にやっているのか。なんで一緒にできないの、と思うんです」と共同の運動を呼びかけました。
 休憩をはさんで、パネルディスカッションに移りました。はじめにパネラーの3人の方から簡単な提起がありました。クレイシ・ハールーンさんは、「アメリカの空爆で一般の人が、少なくとも2万8000人もの人が死んでいる。現地の医者たちは『アメリカがサリンなどの化学兵器を使ったことは症状から間違いない』と口々に言っています。アフガンの人々は『イスラムと日本はずっと仲が良かった。広島・長崎があるのに何故日本はアメリカに協力するのか』と日本人に伝えてくださいと言われました」とアフガンの人々からのメッセージを伝えてくれました。

「有事法制を阻止するという一点で共同を」(村中さん)

 つづいて村中哲也さん(航空連副議長)が、「有事法は周辺事態法の発動だ、だから反対。労働組合は政治闘争と一線を画することがいいことだという考えから長らく抜け出せなかった。また『わが国を武力攻撃から守るのは当然ではないか』という考えに陥りやすい。だが、私たちには安全と命を守ろうということで強いコンセンサスがある。航空を軍事利用するのは絶対に反対です。99年に20労組がつちかった結びつきを強めて、いま私たちは、有事法の法制化を何としても止めるという国民運動の接着剤にキチンとならなくちゃいけないと強く感じています。有事法制を阻止するという一点でまとまっていきたい」と述べました。
 久保田眞苗さん(元参議院議員)は、「2年前から『憲法を愛する女性ネット』をつくって憲法ウォッチをつづけています。憲法調査会は6月には中間報告を出すことになっている。事実上リードしているのが中曽根さんです」と言って、野党からのキチンとした反論ができていないことを指摘しました。
 これをうけてディスカッションに入りました。質問や意見がつぎつぎに出され熱気あふれる討論がくりひろげられました。「ハールーンさんのお話を聞いて、マスコミがアメリカの侵略を『正義の戦争』と宣伝していることに頭に来る」(学生)、「マスコミや政党があまりにもデタラメな報道をしている。私は共産党員ですが、党の指導部にはキチンとした方向に向いてもらわなければと思っています」(女性)という声。
 兵器産業で働いている労働者が「サーモバリックなどの残虐な兵器をつくる産業についても問題にするべきだ。重機だけでなく電機産業もIT革命が頓挫して兵器産業に向っている。企業経営者にべったりの組合をつくりかえていきたい」(電機産業労働者)と。また「僕たちの大学に共産党の議員が来たときに『なんで選挙ではあれだけ動員するのに佐世保に動員しないんですか』とぶつけました。力を合わせて大きな運動をつくりましょう」(学生)、「教育基本法が改悪されたら平和教育をする教員は教壇からしめだされていきます。いま反対しましょう」(高校教師)、別の高校教師の方は「1月の日教組の教研集会では『教え子を戦場に送ってしまった』ことの反省に立って活発な討論がなされました。また東京都の主幹制度導入に反対して私たちは3月11日に1時間の抗議ストを闘いました」と報告し、大きな拍手が送られました。
 会場に来られた多くの呼びかけ人・賛同人の方の中からも発言が相次ぎました。尾形憲さん(法政大学名誉教授)からは「テロ特措法・海外派兵は憲法違反である、という訴訟を起こします。陸軍士官学校の同期生はみんな特攻で死にました。彼らの死を無にしないためにもこの訴訟を闘いたい」と、また三嶋静夫さん(ABC企画委員会事務局長)は「私も市川でテロにも報復戦争にも反対するという会を立ち上げて市民運動を起こしました。いまマスコミの対応にたいして厳しく攻め込む必要がある」と指摘しました。大村恵美子さん(東京バッハ合唱団主宰者)は、「以前なら内閣総辞職したようなことがゴロゴロでてきている。自民党を追いつめることにいま集中して解散・総選挙、有事法とか全部ご破算というところにもっていくのが私たちのつとめじゃないでしょうか」と呼びかけました。
 最後に、久保田さんから「5月3日憲法記念日の日比谷集会」、村中さんからは有事法反対の今後の連続した闘いへの呼びかけがなされました。

「ブッシュの非道な戦争を絶対に許さない叫びを」(森井さん)

 集会アピールを採択したあと、共同代表の森井眞さん(元明治学院大学学長)が閉会あいさつを述べました。「ブッシュの報復戦争はどこからみても許すことのできない非道なものです。これからどれだけ多くの人に苦しみを与えるかわからないと思います。私たちは戦争を絶対に許さないという叫びを叫びつづけなくてはならないと思います」と呼びかけて締めくくりました。
 集会終了後、学生を中心にして、神保町交差点で街頭宣伝行動を行いました。

参加呼びかけ

戦火の拡大にストップを!
暗黒の戦時日本への突入を許すな!
拡がる戦乱の火を断て!
 3・17怒りの大集会 に参加しよう!
 労働者・学生・市民の反対の声を踏みにじり、小泉政権は、2月12―13日、自衛隊艦隊の第二次派遣を強行しました。舞鶴からヘリ搭載駆逐艦「はるな」が、横須賀から補給艦「ときわ」が、そして佐世保から護衛艦「さわかぜ」が、インド洋に向けて出航しました。大日本帝国海軍と同様の血塗られた侵略戦争の紋章の旭日旗を船尾にはためかせながら。

中東・アジアへの戦火の拡大を許すな!

  出航した自衛艦は、アフガニスタンへの空爆を続けている米軍への燃料・物資の補給を担うのです。戦闘・攻撃・殺りくの支援です!
 航空相の暗殺に見られるように、アメリカやロシアが相対立する勢力をたきつけているがゆえに、カルザイ政権の政権内抗争・内戦の激化は必至であり、「アルカイダがいる」として米軍が爆撃を繰り返すかぎり、アフガニスタンに平和の来ようはずはありません。人の皮膚も骨も焼き尽くすハイテク殺人兵器を用いて、ヒンズークシ山脈の白い嶺のふもとに、アフガンの人々のおびただしい赤い血を流し続けてきた米軍の蛮行は、今も毎日続いているのです。
 しかも、アメリカ・ブッシュ政権は、いま中東・アジアにおいて戦火を拡大しようとしています。今回の自衛艦の派遣は、米軍のイラク侵攻の後方支援をも企んでなされたものにちがいありません。一般教書演説で、ブッシュは言いました。「テロリストのキャンプを壊滅」させるだけでなく「テロ支援国家」も許さない。北朝鮮・イラン・イラクは「悪の枢軸」であり「あらゆる手段を講じる」と。
 9・11事件で被った政治的権威の失墜と軍事的・経済的打撃から回復するために、ブッシュ政権は「対テロ戦争」の名の下に、軍需生産の拡大を促しながら、次々と戦争放火にのり出しているのです。パレスチナ人民に対する残虐な国家テロを繰り返しているイスラエル・シャロン政権への、全面的な支援。フィリピン・ソマリア・イエメンなどへの特殊部隊の派遣。
 そして、ブッシュは、フセイン政権を転覆させるために、すでに工作部隊をクルド人居住地域に潜入させ、イラク侵略を虎視眈々と狙っているのです。また、北朝鮮にたいしては、韓国訪問の際に板門店近くに寄り「我々は(軍事対立の)用意ができている」と、すごんでみせたのです。
 さらに、ブッシュは、2月15日、ネバダの地下核実験場で臨界前核実験を強行しました。米国務次官ボルトンが、2月22日に「非核保有国にも核不使用宣言を放棄する」と語って、ブッシュ政権は「対テロ戦」で核使用もありうることをチラつかせて、諸国政府に脅しをかけているのです。
 みなさん。このようなアメリカ政府こそが、「テロ国家の親玉」ではないでしょうか。ブッシュのアメリカこそが“史上最大のならず者国家”でなくして何でしょうか?!

有事法制定・憲法改悪を許すな!

 この最大・最悪のテロ国家アメリカ政府に忠実につき従っているのが、日本の小泉政権なのです。日米首脳会談で、ブッシュにたいして小泉は、「テロとの戦いについては、日本は常に米国とともにある」などと言い、「『悪の枢軸』については、大統領のテロに対する強い決意だと受けとめている」と、最大限の理解と支持を示したのです。
 これは、イラクや北朝鮮への戦争についても、日本が支援し参戦するという意志を表明したものにほかなりません。
 実際、小泉政権は、昨年12月22日「不審船」を領海外で銃撃し乗組員もろとも撃沈するという第二次大戦後初の軍事攻撃を、アメリカ政府の指示・連携のもとに海上保安庁と自衛隊に担わせました。そればかりでなく、これを「北朝鮮の工作船」だとキャンペーンし、有事法制の必要性を叫びたてているのです。
 労働者・学生・市民のみなさん! いまや事態は急を告げています。小泉政権は、3月中旬にも、有事諸法案とともに、有事対応の理念などを定めた「安保基本法案」を、国会に提出しようと企んでいます。
 また、小泉は、日本の侵略戦争の犠牲になった数多の人々の血と涙がこめられた憲法第九条を改悪することをめざして「国民投票法案」を、憲法調査会会長の中山太郎を発起人にして提出させようとしています。
 政・官の再編をめぐっての内部抗争をはらみながらも、小泉政権は、本格的な「参戦国家」として、戦時にふさわしい国家総動員体制を整えようとしているのです。

政党・政派・宗教の違いを越え、反戦の共同の輪を

 ところが“暗黒の戦時日本”への突入を目の前にして、現在の反対運動はあまりにも弱いのではないでしょうか。「連合」の指導部は「テロ根絶」の呼びかけに労働組合として唱和し、“戦時体制を支える労働運動”を進めようとしているあり様です。
 このような反対運動の弱さを克服して、反戦・平和の運動を、職場から学園から地域から、政党・政派・宗教のちがいを越えて、大きくつくり出していこうではありませんか!
 労働者・学生・市民のみなさん!  アメリカの戦争放火に反対し、日本の参戦を絶対に許さず、有事法制定を阻止する――この声を大きく響かせ、反戦の輪をもっともっと大きくするために〈拡がる戦乱の火を断て! 3・17怒りの大集会3〉に参加しようではありませんか。