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03年6・1大集会 発言紹介 集会アピール 参加呼びかけ(5/11) 参加呼びかけ(4/26)

2003年6月1日 
ブッシュ帝国の暴虐に怒りを!
6・1大集会

 
6月1日に練馬文化センターに1050人が集まりました

発言紹介

主催者あいさつ――土屋公献 共同代表
 
「正義」掲げ射つ弾音の激しさに
          童(わらべ)・女(をみな)の阿鼻(あび)は聞こえじ

土屋公献 共同代
 共同代表の一人である、弁護士の土屋でございます。
 本日は六月一日の日曜日、休息の日であるにもかかわらず、このように大勢の皆様が日本の運命を憂えてこの会場にお集まりいただきましたことを、主催者の一人として厚く御礼申しあげます。
 アメリカのネオコン、新保守主義、右翼勢力、この輩とともにブッシュ大統領はアメリカの一極世界支配を狙い、アフガニスタンそしてイラクを大量破壊兵器で攻略しました。そしてさらににシリア、イラン、北朝鮮、こういった国々へ魔の手をのばそうとしております。
 小泉政権は、国際協調よりも日米同盟の方が優先するとうそぶいており、有事法制を用意しております。それがいま参議院にかかっている。こういう非常に切迫した状況でございます。
 「北朝鮮の脅威によって日本の安全がおびやかされている」というのが謳い文句であります。そして「これを阻止するためにはアメリカ軍との共同作戦にたよるしかない」というような宣伝をおこなっています。
 本当に「北朝鮮の脅威」などというものがあるのでしょうか。北朝鮮の軍事予算は、この資料を見ますと一年にわずか13億ドルです。日本の自衛隊の軍事予算は404億ドル、アメリカは実に4000億ドル。北朝鮮は日本の31分の1です。アメリカの300分の1です。そして、南朝鮮すなわち韓国の9分の1の軍備しかもっていない。
 その北朝鮮と日本とが戦わねばならないという状況は全然無い。北朝鮮が日本に攻撃を加える可能性はほとんど無い。もしそんなことをすれば北朝鮮自身の自殺行為になるからであります。
 今、有事などは無いんです。有事というのはアメリカが作るものであって、北朝鮮が作るものではない。アメリカのしかける先制攻撃に日本が加担することが、すなわち有事であります。攻撃されるならば、北朝鮮といえども窮鼠猫を噛みます。そして取って置きのミサイルをあるいは発射するかもしれません。それが危険だとこうおっしゃる。そうじゃないんです。窮鼠に噛まれる猫は、アメリカではなくて日本なんです。日本が戦火にさらされる。この怖れがある。私たちはこれをなんとしてでも止めなければならない。
 そのために「北の脅威」などという流言飛語にのってはいけないということです。これは、政府のつくる流言飛語、マスコミのつくる流言飛語なんです。流言飛語というのは、一般の人の中から生じるあらぬ噂のことです。しかしながらこの場合は、政府のつくる官製の流言飛語、マスコミのつくる流言飛語、こんなものにわれわれが乗せられてしまってはわれわれの自殺行為につながります。こういったような流言飛語を意識的に流す者こそが戦争犯罪者です。
今回のサミットを迎えるにあたりまして、中国とロシアの首脳会談(プーチンと胡錦濤)がついこの間おこなわれ、「北朝鮮の核問題は平和解決方針であたろう」という共同声明を発しました。
 日本もアメリカの武力に頼るのではなくて、平和解決の道を選ぶべきであります。「北朝鮮の脅威」を煽り、そして日米同盟、有事立法を強調するということは愚かな権力者の罪悪であります。備えあれば憂い無し。この「備え」とはいったい何ですか。「備え」とは平和憲法そのものです。そして、「備え」とは戦後処理を全うしてアジアとの平和外交を築くことであります。
 そこで拙い歌を二、三首読ませていだきます。このあいだ「朝日新聞」の朝日歌壇に載りましたものが最初の歌です。

「正義」掲げ射つ弾音の激しさに
           童
(わらべ)・女(をみな)の阿鼻(あび)は聞こえじ

外国
(とつくに)の僕(しもべ)となりてわが民を
           戦火に曝
(さら)す汝(なんじ)公僕

木鐸(ぼくたく)を誇るメデイアよ恥を知れ
           またも戦へ世を導くか


君にもし召集令が舞いこまば
           「この人殺し」と破り捨て去れ


 今日の集会が皆様に、決意と勇気を倍加させていただくことを心から期待して、ご挨拶とさせていただきます。
 ありがとうございました。
〔弁護士・元日弁連会長〕


弓削 達 共同代表からのメッセージ
ブッシュ帝国は必ずや滅びざるをえない

弓削 達 共同代表
 お忙しい中を、私どもが呼びかけました「ブッシュ帝国の暴虐に怒りを! 6・1大集会」にお集まりいただき、まことにありがとうございます。体調不良のゆえ参加できないことを歯がゆく思っております。皆様方に頑張っていただきますようお願いし、ひとことご挨拶を申し上げます。
 ブッシュ大統領は、イラクにたいする史上稀に見る残酷で非人道的な戦争を「イラクの自由と世界平和のための戦いの勝利」と称しております。この「正義の戦争」論は、イラクの徹底破壊と残虐行為によってそのまやかしが暴露されております。
 力を持つアメリカの少数者が富と繁栄を独占し、平和の維持者として振るまい、貧しい多数者を平和の名のもとに押さえ込む。このような平和の構造は、必ずや没落し滅びざるをえないのです。古代ローマ帝国の没落が私どもにそれを教えておるのであります。
 私は声を大にして要求します。殺戮し、略奪し、破壊のかぎりをつくすアメリカ帝国の侵略戦争の拡大反対! 日本政府の追随反対! 有事法の制定反対! 日本国憲法の絶対平和主義を世界の原則に!
 ご参集のみなさん。どんなに困難な道であろうとも、世界中の貧困と抑圧におかれている人々とともに、「パックス・アメリカーナ」を許さない平和な世界を創造するために、ともにたたかってまいりましょう。
〔東京大学・フェリス女学院大学名誉教授〕


池田龍雄 共同代表 のあいさつ
「軍服に身体を合わせる」ことを絶対に拒否する

池田龍雄 共同代表
 話は少し遡って、少しといっても、半世紀以上遡ることになりますけれど、あの大戦争のことからはじめます。
 私は、昭和3年生まれですけれど、昭和18年、つまり、あの太平洋戦争がもう半ば日本が負けはじめていた時に、海軍の航空隊に志願で入隊しました。10月1日でした。はっきり覚えています。
 隊門を入って兵舎にいきますと、そこで一分隊――ひとつの分隊が180人です――が廊下に全員一列に整列させられて、「脱げ」という命令で、それまで着ていた中学三年の制服を脱ぎました。パンツまで全部脱いで素っ裸です。
 私は一番年少のほうで15歳になったばかり。中には、18歳、19歳に近いのもいる。その連中はほとんど大人に近い。股間のヘアは黒々とそろっています。そういう者が180人、廊下に一列に直立不動の姿勢で整列している状態というのは、かなりの見もので異様な感じなんです。
 それで、その前に軍服がずーと置かれましたけれど、そのとき「これは天皇陛下からお預かりしている非常に大事なものである。粗末にしてはならぬ」と言われました。褌まで、天皇陛下からお借りしているわけです。さらに、それを着けてみますと、私はかなりチビだったということもあってダブダブです。もう上着の袖からは指先しか出ていない。ズボンの方は靴の上あたりが提灯の様な状態になっている。私だけではなく何人もそういうのがいる。
 それを見て上官が言いました。「軍服というのは、皆の背丈に合わせて作るものではない。あわない者もいるけども、身体のほうを軍服に合わせろ」と。これもかなり異様な命令です。
朕の命令ですから、絶対従わなければならない。いやだといって着ないわけにはいかない。ですから、一生懸命身体を合わせようと思って着ました。もちろん二年間の間に多少はそれが合うようになってきましたけれど。
 しかし、そのとき無茶を言われたことは、戦後になっても、私は絶対に忘れることはできない。その身体に合ったころは、特攻隊になりまして、これは身体そのものが無くなりそうな局面になった。つまり八月の末に出撃しなければならないということを聞かされていた。その状態で戦争が終わったんです。
 軍服に身体を合わせるということは、非常にいやだったということがあって、結局は絵描きになったわけです。けれども、この昨今の有事法制というものをちょっと考えてみると、たちまちそのことが思い出されます。つまり、あのとき、あのように無理強いされた、自分の身体に合わないものを、これは戦争だということで否応なく合わされようとした。私は、どうしてもこのことと有事法とを結びつけて考えざるをえないわけです。
 そのときの私は、お国のため、天皇陛下のためと純情にも思っていましたから無理して合わせようとしました。けれども、今やこれは絶対に着てはならない。身体を合わせてはならない。つまりこういう押しつけられたものは絶対に拒否したい、と思っています。
 有事というのは戦争です。昔は「非常時だ」と言いました。昔の戦争は「お国のため」というのは、――間違いであったけれど――、一応そう信じていたのです。
 ところがこの場合の「戦争」は、「アメリカのため」ですから、ますますもって従うわけにはいかない。有事法は、すでに衆議院を通ってしまっています。おそらくまもなく参議院も通ってしまうのでしょうけれども、絶対にそれは受けつけない。従わない。私は、そうしたいと思います。
〔画家〕


森井 眞 共同代表の閉会あいさつ
ブッシュ帝国の反人類的な暴挙を絶対に許してはならない

森井 眞 共同代表
 小泉純一郎君は五月二十日の衆議院の委員会で、「戦争は二度とあってはならない」と言いましたが、それは私たちのせりふと全く同じです。ところがそのあと、しかし戦争は「人類の歴史からはなくならない」と続けました。戦争は地震や雷のような自然現象ではない、人間が起こさない限り起こらない人為的現象です。「二度とあってはならない」と本当に思うのなら、全力を尽くして絶対におこらないように手を打ってやろうという気魄が自ずから現れて然るべきだと思いますが、私には彼の言動に戦争を防ごうとする、そんな気魄のかけらさえ感じられません。
 皆さんはいかがですか。
 さて、人類は進歩するのだ、歴史とともに幸せになるのだという考えが、初めて思想として謳われたのはご存知のように十八世紀のヨ−ロッパでした。人間の理性が信用されていた楽天的な時代です。しかしその後十九世紀、二十世紀と生きて、なるほど進歩した点もありますが、いいにつけ悪いにつけ昔からあまり変わらない面もありますし、進歩どころかむしろ退行した面さえありました。それで、単純に、「人類は進歩する」とはとても言えないと思われるようになりました。
人類は同じような過ちを懲りもせずに繰り返しています。ホモ・サピエンスと呼ばれながら、この度し難い愚かさはいつまでも改まらないのかもしれません。しかし考えてみると、その愚かな人類も、何歩か前に進んだことがありました。「これはなんとしてもやめよう」と心にきめて目的を成就したことや、解決を求め悲願の達成をめざして工夫を重ねさまざまに試みて真剣に努力し続けているような問題も多々あります。
 例えば、決闘による殺人は文明国ではたぶんなくなりました。死刑制度も日本とアメリカとを除くいわゆる先進国すべてにおいてついに廃止されました。残っている国家権力による殺人は戦争ですが、これも二度の大戦で堪え難い苦難を味わい、それを通して奪うべからざる人間の尊厳に目覚めた世界中の人民が、とくに究極の兵器である核がつかわれた第二次大戦以降、もしまた戦争が起きれば、それは人類の滅亡をさえ招きかねないのだ、という想いから、戦争は絶対にやめようと、固く心に誓ったのだと思うのです。イラク戦争のとき各地で二百万、三百万の反戦デモがあり、二月十五日には、世界で一千万をこえる人々が戦争反対の叫びをあげました。これは大変なことです。私たちはしかとそれを聞きました。
 人民の不戦の悲願は、国連憲章の前文や第九条をもつ日本国憲法に現れています。小泉君の、戦争は「人類の歴史からなくならない」という発言は、第二次大戦の前ならいざしらず、今それを言うのは、歴史から学ぶべきことを学んだドゥヴィルパンやシュレーダーと対照的に、過去からは何も学ばず、現在の広い世界や歴史の流れも見えていない時代遅れの敗北主義者ではないですか。
 ブッシュを許せないのは、彼が国連憲章や国際法や平和に対する罪、人道に対する罪を犯したからだともいえますが、私が怒るのは、戦禍に喘いだ人類がなんとしても人間の尊厳を守ろうと、祈りをこめて営々と積み重ね築き上げてきた平和のための構築物を、一撃のもとにぶちこわして、歴史を第一次大戦の前まで引き戻してしまった、というこの反人類的な暴挙。何人ひとが死のうが熱い血が流されようが、涙が流れようが、他者の痛みなどには少しも心が痛まない、というこの非人間性です。こんな男たちが世界を動かしているという現実をどうして許せるでしょうか。そしてこんな邪悪な犯罪者のケツにくっついて歩く小泉は、ブッシュの更なる戦争に加担する準備を進めているのです。
 戦争は本当に二度とあってはなりません。イラク戦争にブッシュが勝ったからといって、彼を許すことはできませんし、私たちの闘いは決して終わってはいないのです。ところがいま、日本では戦争を肯定する風土が着々と作られています。
私は危機感を覚えます。闘いはこれからです。人類の敵であるブッシュ帝国との闘い。それと手を結んで私たちを圧殺しようとする日本の権力との闘い。
 私たちは、命を大事にし、一人一人の幸せを願い平和を愛する全世界の人民とともに、なんとしても人類の歴史から戦争をなくそう、人殺しは絶対にやめよう、人間の尊厳が守られる世界を作ろうと訴え続け、闘い続けていかなければならないと思います。
 お互いに励ましあって、それぞれに自分と他者を大事にしながら、しっかりと生きてまいりましょう。みなさん。本日はご協力をいただき有難うございました。
〔元明治学院大学学長〕



「朝日新聞」6月16日付朝刊 「声」の欄より
有事にさせぬ市民の力こそ

STOP!有事法制 6・10集会
日比谷野外音楽堂 
 日本の国会が、悲しいことにブッシュ政権の翼賛議会に堕して、民主主義国の立法府としての機能を喪失してしまった今、奪うべからざる人間の尊厳を守ってくれる望みを託しうるのは、目覚めた市民の力以外にはありえないと思う。私たちはよほど腹を据えてかからねばならない。
 10日、東京・日比谷の野外音楽堂を約5千人の市民が埋め尽くし、アメリカの戦争に日本を巻き込む有事法制を発動させないように力を尽くそうと誓い合ってデモに移った。
 私の知る限り、この集会は、なぜか新聞でもテレビでも報道されなかったが、大変意義深いものだったと思っている。
 1938年、国家総動員法が公布され、あの侵略戦争の準備が整った時、私たちは戦争を防ぐどころか、権力に抵抗することも、批判の声をあげることすらも不可能になっていた。
 当時を思えば、10日の集会は私たちに希望を与えてくれる。会に集まった、人間を大事にしようとする人の輪を、平和を愛する全世界の市民と連帯して着実に広げていかねばならない。
〔森井眞 共同代表は、6・10集会に参加し、その感想を投稿しました。〕





集会アピール

6・1大集会で採択された集会アピー

 5月1日に、アメリカ大統領ブッシュは、空母リンカーンの上に降りたち、イラクにたいする「戦闘終結宣言」を発しました。ブッシュはそこで、「イラク人の、イラク人による、イラク人のための戦争をおこなった」などと演説しました。
 これほど欺瞞的なことはありません。MOAB爆弾・デイジーカッター・劣化ウラン弾・クラスター爆弾などを使ってのイラク人民と兵士の大虐殺については一言もふれることなく、全世界人民の反対の声を踏みにじり国連をも無視して強行したイラク侵略を、ブッシュは自画自賛したのだからです。
 この「宣言」こそは、「ブッシュ帝国」がおこなった戦争がイラク人民の解放のためなどではなく、イラクの石油の強奪を目的にしたものであることを覆いかくすものでしかないのです。今日、アメリカ国防副長官ウォルフォウィッツは「『イラクに大量破壊兵器を破棄させる』ということはイラク攻撃のための口実にすぎなかったのだ」と、公然と語っているではありませんか!
 おごり高ぶるブッシュ政権は、シリア・イランさらに北朝鮮をはじめとする反米政権をうち倒し、中東・全世界をみずからの支配のもとにおくことを狙っています。この「ブッシュ帝国」の暴虐を許すならば、21世紀は暗黒の世紀と化すでしょう。
 日本の小泉政権は、ネオ・コン(新保守主義派)が主導するこの「ブッシュ帝国」と運命をともにすることを決意し、先の日米首脳会談において、イラクへの自衛隊派遣を誓約しました。すでに民主党・自由党の賛成をとりつけて有事関連三法案を衆院で通過させた小泉政権は、エビアン・サミット直後の6月6日にも、参院本会議において有事関連三法案を可決=成立させようとしています。そしてさらに、イラク新法の制定から憲法の改悪に一気呵成に突進しようとしているのです。
 まさに事態は風雲急を告げています。米英のイラク侵略を前にして世界の各地で燃えあがったあの反戦の炎を絶やしてはなりません。今こそ私たちは、「ブッシュ帝国」の暴虐への怒りに燃え、反戦の闘いを前へ前へと進めなければなりません。
 イラクの民衆は、シーア派・スンナ派を問わず「米軍の占領反対! われわれの政府を!」というスローガンを掲げて不屈にたたかい続けています。このイラクの人々の、そしてイスラム人民の苦悩と怒りに思いをはせ、彼らと連帯し、私たちは日本の地から、「アメリカのイラク軍事占領・中東支配反対! イラクへの自衛隊派遣反対!」の闘いを大きくつくりだしましょう。
 小泉政権の民族排外主義の鼓吹を許さず、韓国・朝鮮の人々と連帯し、有事法の制定を絶対に阻止するために、さらに奮闘しましょう。
2003年6月1日
「ブッシュ帝国の暴虐に怒りを! 6・1大集会」参加者一同 
参加呼びかけ

アメリカのイラク・中東軍事支配反対! 有事立法阻止!
ブッシュ帝国の暴虐に怒りを! 6・1大集会に参加しよう!

 「ブッシュ帝国」のイラク軍事占領・植民地支配に反対しよう!

 アメリカ大統領ブッシュは、5月1日に、空母リンカーンの艦上で、「われわれは自由の大義と世界平和のために戦い、勝利した」と「戦闘終結宣言」を発しました。なんという許しがたい言辞でしょうか!
 超高熱で一瞬にして跡形もなく焼き殺すMOAB爆弾・デイジーカッター・劣化ウラン弾をはじめとする大量殺傷兵器をイラク全土に雨あられと降りそそぎ、数万人の兵士と民衆を虫けらのように惨殺した人類史上類例を見ない現代のジェノサイド(皆殺し)。にもかかわらず、このような暴虐を「自由と平和のための闘い」などと強弁しているのが、ブッシュなのです。
 イラクの「大量破壊兵器」も発見できず新国連決議もあげられないなかったブッシュ政権は、全世界民衆の反戦の声をあざ笑い、国連憲章と国際法をも踏みにじって、「フセイン政権打倒」の侵略戦争を強行したのです。彼らの目的が、「自由の大義」などでなく世界第二の埋蔵量をもつイラクの石油資源をひとり占めする植民地支配にあることは明らかです。

 中東全域への侵略戦争の拡大と軍事支配を許すな!

 おごり高ぶるブッシュは、この「宣言」で「米軍の技術と力を世界に見せつけた」とその軍事力を誇示し、「敵が攻撃態勢を整えるよりも早く敵を追いつめる」と豪語しました。そして同時に「中東の民主化」と称して、パレスチナ問題の「ロードマップ」(4月30日)や「米・中東自由貿易圏」構想(5月9日)を次々に打ち出しています。
 「ブッシュ帝国」は、イラクに築いた軍事基地を拠点にして、シリア・イランをはじめとする反米政権を次々にうち倒し、中東全域をみずからの軍事的政治的経済的な支配のもとにおくことを狙っているのです。仏・独・露の権力者たちの抵抗を尻目に、先制攻撃戦略と単独行動主義にもとづいて中東そして全世界を制覇する野望を、いまやむき出しにしているのです。このような「ブッシュ帝国」の暴走を許すならば、世界は第三次世界大戦に突入することさえ不可避なのです。

 不屈に戦うイラク‐ムスリムの人々と連帯しよう!

 だが、怒りと憎しみに燃え立つイラクの民衆は、「侵略者アメリカは出て行け!」と叫んで、全土で反米闘争を不屈にたたかいつづけています。聖地巡礼のためにカルバラに集結した100万人を越えるシーア派教徒が「米英の占領反対!」の大集会を敢行しました(4月22〜23日)。米軍が暫定政権樹立のために召集した第2回準備会合に反対して万余の民衆がバグダッドホテル前に結集しました(4月28日)。そしてまた、バグダッド郊外のファルージャで、米軍の学校占拠に抗議する民衆のデモに米軍は二度にわたって無差別に発砲しました。これにたいして民衆は怒りに燃えて数千人が夜通しの抗議デモを三日間にわたってくりひろげました(4月28〜30日)。このようなイラクの人々の苦しみと怒りを自分のものとして、中東諸国とムスリムの民衆はともにたたかっています。
 「もう戦争は終わった。復興を支援するときだ」という声が一部に聞こえますが、ますます暴走する「ブッシュ帝国」の野望を見抜くならば、決してそのように言うことはできないことは明らかです。私たちは、苦闘するイラク‐ムスリムの人々と手をたずさえ、またアメリカ国内および全世界で反戦運動をたたかう人々と連帯して、アメリカのイラク・中東軍事支配反対の闘いを、創造しようではありませんか。

 有事法の制定絶対阻止! イラク新法阻止! 

 小泉政権は、この侵略戦争を「断固支持」しただけでなく、米国防総省直轄の「復興人道支援室」という米軍権力に文官を派遣して米英軍の軍事支配に直接加担しています。そればかりか、イラクに自衛隊を派遣するために今国会でイラク新法を制定することを狙っています。憲法第9条を真っ向から否定するこの戦後史を画する暴挙を絶対に阻止しようではありませんか。
 小泉政権は、「北朝鮮の脅威があるから日米同盟と有事法制が必要だ」と主張しています。しかし、これほど危険きわまりないことはありません。みずからの世界制覇のために、「テロ根絶」を名分にして敵対する国家と勢力を先制攻撃で打倒するというブッシュの戦略――これにもとづく戦争に日本が全面的に参戦する道を歩もうとしているのが小泉のもくろみではないでしょうか。それは、北朝鮮を標的にして東アジアを阿鼻叫喚の戦乱に導くものなのです。

 日米安保同盟反対! 日本・韓国・朝鮮の民衆の連帯を!

 この有事法を今国会で一気に成立させるために小泉政権は、民主党とのあいだで「国会の事前承認」や「基本的人権の擁護」などをめぐって修正協議を行っています。だが民主党の対案と修正案じたいが、日本への「武力攻撃」の危険が切迫したり「予測」されると政府が判断すれば自衛隊が先制的に武力行使できるという代物であって、政府案となんら変わるものではありません。日本を侵略戦争のできる国家へと飛躍させる有事法を認めることなど、私たちは絶対にできません。
 小泉政権が、日米軍事同盟にもとづいてアメリカの侵略戦争に参戦することに反対しよう。韓国・朝鮮の民衆と連帯し、民族排外主義の鼓吹に真正面から反対しよう。有事法の制定を絶対に阻止しよう。
 みなさん。「ブッシュ帝国の暴虐に怒りを! 6・1大集会」に参加しよう!
(2003年5月11日)

参加呼びかけ
  
アメリカのイラク・中東軍事支配反対! 有事立法阻止!

ブッシュ帝国の暴虐に怒りを! 6・1大集会 に参加しよう!

報復戦争に反対する会
(共同代表:弓削達、森井眞、土屋公献、池田龍雄)

米英のイラク軍事侵略・植民地支配に反対しよう!

 全世界に燎原の火のごとく燃え広がった反戦・平和の叫びをふみにじってイラクへの侵略戦争を開始した米英軍は、史上稀にみる暴虐のかぎりをつくして、4月9日にバグダットを軍事占領しました。デイジーカッター・バンカーバスター・クラスター爆弾・精密誘導弾・劣化ウラン弾などの残虐きわまりない大量破壊兵器を、イラク民衆の頭上に雨あられと降りそそぎ(その数は数万発といわれています)、数万人の兵士・市民を無差別に殺戮しさったのです。
 怒りと憎しみに燃えて反撃し抵抗し不服従をつらぬくイラクの人々に包囲された米英軍は、「イラク解放」を演出するための「フセイン像引き倒し」劇にわずか数十名の「エキストラ」しか集めることができず、米軍装甲車を使って引き倒さざるをえませんでした。カイライ政権をでっち上げることさえできず、アメリカ国防総省直轄の「復興人道支援室」(ORHA)によるむき出しの軍事支配、植民地支配にのりだしています。イラクの石油利権と「復興」利権をひとり占めにしながら。
 なにが「イラクの解放」か。どこが「イラクの民主化」か。「神」と「自由」の名をかたらった「強盗の論理」ではないか。

アメリカの侵略戦争の拡大を許すな!

 この勝利に驕り高ぶったブッシュ政権〔とりわけネオコン(新保守主義)派〕は、「つぎはシリア・イラン・北朝鮮だ」と名指しして脅しをかけています。その圧倒的な軍事力が万能であるとの幻想にとりつかれ、みずからに敵対する勢力を「テロ国家だ、テロ勢力だ」と烙印して次々と軍事的に打倒する――この「ブッシュ帝国」は、先制攻撃理論と単独行動主義をむきだしにして中東そして全世界をみずからの支配下におく野望をたぎらせています。いまアメリカ経済はかつてない危機に陥っています。この危機をよりいっそうの軍事支出でのりきろうとしています。私たちはアメリカの暴虐と暴走を絶対に許すわけにはいきません。
「アメリカは出ていけ」「植民地主義反対」――イラクの民衆はいま反米の闘いに全国各地で続々と立ちあがっています。中東・イスラム世界の民衆もまたイラクやパレスチナ・アフガニスタンの民衆の苦悩に共感共苦して決起しています。私たちは、アメリカとイスラエルの暴虐にさらされながらも屈することなくたたかうイスラムの人々と連帯して、「新しい帝国」アメリカの暴虐に反対しようではありませんか。
 アメリカ国内で反戦運動をたたかう人々とも連帯して国際連帯をより大きく創り出そう。

有事法・イラク新法の制定を阻止しよう!

 小泉政権は、アメリカのイラク侵略戦争に「断固支持」を表明しこの戦争に加担しました。横須賀を母港とするキティホークとそれに搭載された戦闘機がイラクの人々を大虐殺し、アラビア海に派遣したイージス艦は米軍のイラク侵略の作戦行動に連携してその一翼を担いつづけています。
 ブッシュに「戦勝5カ国」(米・英・豪・スペイン・日)に数え入れてもらった小泉は、ORHAへの要員派遣を決定しました。無理無道で残虐のかぎりをつくした侵略戦争の「戦果」にありつくために、軍事占領する米軍の直接統治に加担するというのです。そればかりか、米軍支配下のイラクに自衛隊を派遣するために「イラク復興支援法」を今通常国会で制定することを狙っているのです。憲法第9条を真っ向から否定する、この戦後史を画する暴挙を断固阻止しようではありませんか。
 私たちは、それとともに、小泉政権が今国会で狙っている有事法の制定を阻止しようでありませんか。この法は、「武力攻撃」への対処を名分にしたまぎれもない侵略戦争のためのものです。小泉政権は、戦争のできる国家へと飛躍する野望を実現するために、一部野党を修正協議にまきこむことによって今国会で一気に成立させようとしています。そのためにこそ、マスコミを動員して「北朝鮮の脅威」を煽りたて、民族排外主義のイデオロギーで民衆を洗脳することに躍起になっているのです。

日米安保同盟にもとづく侵略戦争への協力に反対し、日本・韓国・朝鮮の民衆の連帯を

小泉政権は、「国際協調よりも日米同盟が優先する」と言って、アメリカのイラクへの侵略戦争に加担することを正当化しています。また「北朝鮮の脅威があるから日米同盟が必要だ」と押しだします。しかし、それは「テロ根絶」を名分にして先制攻撃を正当化するブッシュ政権の世界制覇のための「非対称的戦争」に全面的に協力し加担する道にほかなりません。東アジアを阿鼻叫喚の戦乱に導く危険きわまりないものです。
 みなさん。小泉政権が、日米軍事同盟にもとづいてアメリカの侵略戦争に協力することに反対しようではありませんか。イラクの人々そして韓国・朝鮮の民衆と手をたずさえ連帯して、アメリカの侵略戦争の拡大と日本の加担をなんとしてもくい止めようではありませんか。民族排外主義の鼓吹に反対し、有事法の制定を阻止しよう。
 「ブッシュ帝国の暴虐に怒りを! 6・1大集会」に参加しよう!
(2003年4月24日)