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2004年11月28日(日)
米軍のファルージャ民衆の大虐殺を許すな!
 
11・28緊急集会
森井眞共同代表の閉会あいさつ 集会アピール 呼びかけ文

  
森井眞共同代表の閉会あいさつ

 みなさんの力強いご発言のあとを受けて、最後に一言お話をさせて下さい。
 ご存知のように、イエスという人は「隣人を自分のように愛しなさい」と言いましたが、その「隣人」とは、自分の同国人かどうかとか、人種や民族などの問題とは無関係に、例えば、ユダヤ人に対するサマリヤ人のように、仮に敵対関係にあってさえなお、相手の人間は自分の隣人なのだ、というのです。イラクの人は私たちの隣人です。またブッシュの隣人です。イエスに始まるキリスト教という宗教のいちばん大事な教えはたぶんこの「隣人を自分のように愛しなさい」なのだと思いますが、声高にキリスト教を称えるブッシュはイラクの人を自分のように愛しているでしょうか。おそらくブッシュは「愛しているからこそ俺は自由と民主主義を与えるのだ」と言うでしょう。とんでもない偽善の極み、また余計なお世話です。自分のように愛していて、どうして十万余のイラクの民間人を平気で殺せるのですか。またいうまでもなく、自由と民主主義も人から押しつけられるものでなく自分で獲得し自分で築くものです。ブッシュはただイラクを自分に都合のよい国に変えたいだけの話で、その邪魔をする者はすべてテロリスト。片っ端からやっつけるばかりです。愛などとは全く無縁のことです。
 古代オリエントの神々は牛や羊を犠牲に供えることを求めましたが、モロクの神は人間が犠牲に供えられるのを好みました。ブッシュの神はキリスト教の神でなくてモロクの神。きりもなく人間の犠牲を求めています。その神はじつはアメリカの軍需産業や石油資本、アメリカの権勢欲、支配欲にほかなりません。おのが欲望を神としてそれに仕え、その神にいくらでも隣人を殺して献げるブッシュ。そんなブッシュを、隣人の命よりも自分の奉ずる倫理や宗教を守ることの方が大事だと思う、キリスト教徒と称する厖大な数のモロク教徒たちが支えているのです。
 ブレーズ・パスカルは「人間は天使でもなく、獣でもない」と言いました。「人間は中間的存在だ」というのです。ブッシュは天使でも獣でもない。しかし天使と獣との中間の存在でしょうか。ファルージャの民衆の虐殺などを見れば、私にはとてもそうは思えない。かれは獣よりもっと下の存在ではありませんか。ファルージャで傷つけられ殺された人たちはみんなそれぞれに掛け替えのない一度きりの人生を生きていた、その命を故なく奪って少しも心が痛まない動物。人間はここまで堕ちうるのです。
 そういえば、この非道な侵略戦争を支持しファルージャの虐殺を肯定する小泉君も、イラクの無辜の民が傷つき倒れることに、心は少しも痛まないのでしょうか。
 たしかに人間はときに獣以下に堕落しうるのだと思います。そして人類は愚かな過ちをこりもせず繰り返してきましたし、これからも繰り返すのかもしれません。しかしそれでも、歴史に学んで目覚めた人間は、人間の尊さを守るために、とくに戦争の悲惨を避けるために、さまざまな取り決めや仕組みを苦心して作ってきました。ブッシュ一味は人類がからくも築き上げてきたその努力の成果を平気でぶちこわし、何万人隣人を殺してもかまわず力づくでおのが欲望を満たそうとしているのです。私たちは人類の一員として、ブッシュの残虐非道な行いと小泉君のそれへの恥知らずな協力とを断じて許してはならない。またブッシュの暴行に命がけで抵抗しているイラクの人民を断じて孤立さてはならないのです。また身近な問題で、憲法や教育基本法の改悪、これも戦争と同じように人間の尊厳を否定する試みです。
 さて、正直いって、私たち一人一人は余りにも無力です。どんな営みもすべて無益で空しいと思われることさえあります。しかしそれでもなお、私たちはいま、黙っていてはならないのだと思います。イラクの市民も私たちも、孤立しているのではない。じつは、世界中で私たちの叫びに応えあう心が無数に生きているのです。私たちはイラクの人民の、また世界中の隣人たちの、そして私たち自身の、人間としての尊厳を脅かしまた抹殺しようとするあらゆる営みに反対して、とくにファルージャの虐殺を糾弾して、断固として反戦平和の声をあげようではありませんか。全世界の心ある市民と連帯して、心から戦争を憎み、人間と平和とを愛するものの輪をひろげ、その力を少しずつでも着々と強めてまいりましょう。
 そのためにお互い励ましあって、しっかりと生きていきたいと思います。有難うございました。
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集会アピール

 米軍1万5千による皆殺し攻撃によって、30万都市ファルージャは廃墟と化しています。米軍は「武装勢力」の大半が退去しもぬけの殻となっていることを承知のうえで、残留している10万市民の頭上に、バンカーバスター、クラスター爆弾などの大量殺傷兵器を炸裂させ、さらに神経ガス兵器をも使用して、女性・子ども・老人・病人を含めおびただしい数の住民を殺戮しました。
 モスクの中で負傷した無抵抗のイラク人を記者の眼前で撃ち殺したり、戦車の上に女性や子どもを乗せて盾にして攻撃するなど、史上類例のない残虐な行為が次々と明らかになっています。「21世紀のゲルニカ」とも呼ぶべきこの米軍の反人類的な世紀の蛮行を、私たちは強く弾劾します。
 イラクの人々の反米・反占領の抵抗闘争は、ラマディ・モスル・バグダッドをはじめイラク全土に拡大し、いっそう強力にたたかわれています。強大な軍事力でアメリカ式の「民主主義」を押しつけるブッシュの占領政策は、広汎なイラク民衆のレジスタンスの前に、破綻しているのです。
 ところが、「米軍のファルージャ攻撃は成功させなければならない」と言い放ち、<現代のヒトラー>ブッシュに下僕のように付き従い、イラク民衆の大虐殺と占領支配に加担しているのが小泉政権です。「有志連合」は音をたてて崩れ落ち(スペイン、フィリピンなど8カ国がイラクからすでに撤退し、ポーランド、オランダなど7カ国が今後撤退することを表明)、サマワの陸上自衛隊基地に対するロケット弾攻撃が今年2月の駐留以来計8回に及んでいるのに、自衛隊の駐留継続の意図を露骨に示しています。これが、アジアの民衆2000万人を殺戮し「ヒロシマ・ナガサキ、そして沖縄」の歴史を背負っている日本の首相がとるべき態度なのでしょうか。
戦争に反対し、平和を希求するすべてのみなさん!
 一刻も早く米軍のイラク民衆の虐殺をやめさせ、それに加担する自衛隊を撤退させるために、ともに立ち上がろうではありませんか。そして、海外派兵を既成事実化し、日本国憲法第9条を改悪しようという策動を、何としても力を合わせて阻もうではありませんか。
 ブッシュ帝国の暴虐に屈することなく命をかけて抵抗を続けるイラクの人々、そしてパレスチナの人々と連帯しましょう。反戦・平和を願う全世界の人々と連帯しましょう。
 職場・労働組合・学園・地域・家庭で一人でも多くの人々に働きかけ、反戦・平和の共同の輪をひろげるために、がんばってまいりましょう。

2004年11月28日
「米軍のファルージャ民衆の大虐殺を許すな! 11・28緊急集会」参加者一同

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呼びかけ文

米軍のファルージャ民衆の大虐殺を許すな! 11・28緊急集会
に参加しよう!
主催:報復戦争に反対する会                    
         
共同代表   弓削 達(東京大学・フェリス女学院大学名誉教授)
                    森井 眞(元明治学院大学学長)
                    土屋公献(弁護士・元日弁連会長)
                    池田龍雄(画家)

 11月8日に開始されたイラク占領米軍のファルージャへの総攻撃、文字どおりの皆殺しの攻撃の強行を、私たちは怒りをこめて強く弾劾します。米軍は、病院・モスクをねらい打ちにし、あらゆる居住施設を無差別に攻撃して、女性・子ども・老人・病人を含めファルージャの住民を虐殺しつづけています。再び大統領の座についておごりたかぶっているブッシュの指示のもとになされている米軍のこの攻撃を、私たちは断じて許すことはできません。緊急集会を開催します。
と き:11月28日(日)
        
開場 12時半  開会 午後1時
ところ:機械工具会館6Fホール
     
(JR山手線田町駅・都営地下鉄三田駅下車徒歩5分)
      地図へは
http://www.nouryoku.com/map-kikaikougu.html
  
カンパ:300円(学生は100円)
プログラム(予定)
 
問題提起(ビデオ上映と報告)
      
――野中章弘さん(アジアプレス代表)
     
「ファルージャでの大虐殺とマスコミ報道」
 問題提起
――水岡不二雄さん(一橋大学大学院教授)
     
「二期目のブッシュ政権とファルージャ虐殺」
 主催者あいさつ――森井 眞 報復戦争に反対する会 共同代表
 
集会アピール採択