三代目ちゃんが自宅に帰ると、他の冒険者が酒を酌み交わすために訪れていました。せっかくなので猫耳メイド姿でおもてなしです。「いらっしゃいませ、ご主人様!」
![[画像] 訪問客から有り金と正気その他を搾り取る三代目ちゃん](image/11-17-a.jpg)
1月のお年玉に備えて友好度を上げるべく、相手の酔いにつけこんで連続で気持ちいいことに及びます。冒険者ごときの所持金は一撃必殺なので、二回目以降は乾いた雑巾を絞るがごとしです。冒険者を籠絡するためとはいえ、店主から大金を巻き上げることに慣れた三代目ちゃんは少し不満そうでした。
カルマの都合もあり、干からびた冒険者の酔いが醒めたところで今回は終了。手持ちのおみやげをプレゼントして別れを告げます。「また来てくださいね、ご主人様!」
……なんだか冒険者の自宅というより、ぼったくり系のアレなお店と化している気がしますが、きっと気のせいでしょう。このノースティリスではごく普通のことです。
訪問客のお相手を終えた三代目ちゃんは、自宅内のお店で買い物を済ませます。もともとはそのために自宅へ戻ったのでした。魔法書や潜在能力のポーション、経営している店で売るための商品を買い占めつつ、内心では「支払ったお金はいつ回収しようかな」と黒いことを考えているようです。回収の手段が穏当なものとなることを、店主たちのために祈らずにはいられません。
行きつけの店が次の商品を仕入れるまでの間、三代目ちゃんは依頼をこなして(次の悪事に備えた)カルマの回復にいそしみます。悪人フィートを取得できればカルマの減少量が減って楽になるのですが、ノイエルのカルマ回復装置が完成していないため、赤い花のサブクエストにはまだ手が出せないようです。
街を歩く際は、さりげなく住人の所持品を覗くことも怠りません。魔法書や貴重な巻物、ハーブなどを所持している住人がときおり見つかるので、その場合はこっそりと頂戴するのです。「市民やごろつきのものにしておいたら宝の持ち腐れでしょ?」

信仰リレーはフハーンとポンコツ……もといオパートス様とマニ様を終え、念願のイツパロトル様に移ったところです。ちなみに神罰はすでにホーリーヴェイルで無効化しています。安い神罰ですね。いえ、レベル110オーバーの魔法威力特化武器がいかさますぎるだけなのですが。
イツパロトル信仰の利点である魔力の吸収は、持続的なスタミナ回復手段さえあれば無限にMPを回復できるという優れものです。その便利さには三代目ちゃんも大感激、「こんなに優れた神様がキウイ呼ばわりなんて理不尽よ。イツパトロル様はもっと高く評価されてもいいと思うの!」と熱く語るほどですが、三代目ちゃん自身も名前を間違えていることには気づいていません。理不尽です。
ともあれMP不足の問題はキウイ……もといイツパロトル様のおかげで解消されたので、先代から引き継いだ収穫の魔法書を湯水のごとく投入して収穫の魔法を唱えまくります。おみやげ屋とブラックマーケットの稼働には金貨がまったく足りていませんし、プラチナ硬貨と小さなメダルもまだまだ不足、願いの杖もたかが1000個程度では話にならないのです。

もちろん並行して魔法修行も進めます。ときおりMPの状態を見落としてうっかり魔法を詠唱してしまい、マナの反動ではじけ飛ぶドジっ子な三代目ちゃんですが、お付きの防衛者くんがすかさずフォローしてくれるため大事には至りません。常日頃からスタミナ吸収武器でぺしぺし叩かれまくっているというのに、自分の仕事はしっかりとこなす防衛者くんはなんというマゾ……もとい献身的なペットなのでしょう。「なによ、お金と食べ物は余るほどあげてるじゃない!」と悪態をつきながらも、防衛者くんにはずっとそばにいてほしいと思っている三代目ちゃんなのでした。
そして運命の時がやってきました。前回の買い物で所持金のほぼ全額をむしられた宿敵、おみやげ屋が新たな商品を入荷したのです! しかも三代目ちゃんの投資によって店の規模が上がっており、ぼったくり価格の商品を買い占めるためにはさらなる出費を強いられるのは確実です。しかし、この時のために収穫の魔法の詠唱に励んだ三代目ちゃんに抜かりはありませんでした。潜在能力のポーション、下落のポーション、さらにはおみやげまできっちりと買い占めながら、かなりの金貨を手元に残すことに成功したのです。
![[画像] 三代目ちゃん、完全勝利の図](image/11-17-d.jpg)
買占めを終えたあとは当然のように店主をころころし、支払ったお金を回収する三代目ちゃん。しかし、次回の買占めのためにはここからさらに金貨を増やしておく必要があります。おみやげ屋の所持金が十分に増えれば、買占め一回分の出費は所持金ドロップ一回分で相殺できるようになるのですが、それはまだ先の話です。
それはともかく、次回以降の買い物を便利にするため、この機会におみやげ屋の初期配置を帰還地点のそばに変更しておくことにします。復活の魔法のストックはないので、使用するのはマミー系のモンスターがドロップする復活の書です。
![[画像] 三代目ちゃんによる蘇生に感謝するおみやげ屋](image/11-17-e.jpg)
仲よくツーショット。こうして三代目ちゃんとおみやげ屋の友好度は高まったのでした。なんだか理不尽な気がしますが、きっと気のせいだと思います。
こんな感じでノースティリスを元気に闊歩する三代目ちゃん。でも、他にもやりたいことはたくさんあるのです。彼女の旅はまだ終わりません。
……ところで、三代目ちゃんのポケットに潜んで今回のレポートに情報を提供してくれた某妖精とは、その後連絡がつかなくなっています。彼の身にいったいなにが起こったのでしょう?