はじめに

この文書は、中西亘(w-n)さん制作のRPG「盗人講座」の感想です。ネタバレになりそうな記述は避けているので、未プレイの方が読んでも問題はありません。……たぶん。

感想

コミカルな場面の数々に笑い、シリアスな場面に涙し、クライマックスに燃え、といった感じで最後まで楽しめました。

ゲームの進行に必要なお金をスリによって稼ぐという発想と、盗みを合法化するための「免罪符」制度などの特徴的な舞台設定がおもしろいです。ただ、スリの成功/失敗の判定にはもう少しプレイヤーが介入できる要素があってもよかった気がしますね。

「盗人講座」をプレイしていてすごいと思うのは、主要キャラクターはもちろん、街の住人ひとり一人にもちゃんと個性があって、それぞれの台詞がすごく丁寧に作られていること。だから、なんでもない会話の一つ一つがとても楽しいんですよね。スリをおこなうには相手に話しかける必要があるので、プレイしているうちに自然と住人に対する愛着が湧いてきます。盗めるアイテム自体がその住人の個性を表しているのも見事。ファルコムの作品以外で、これだけ生きた住人を描いているゲームは滅多にないと思います。

このゲームの難点を、前述したスリの仕組み以外に挙げるとするなら、やはりグラフィックの大半をサンプル素材が占めるという見た目の地味さでしょうか。もっとも、プレイしているうちに気にならなくなる程度の難点ではあります。あと、ゲーム中にいくつか挿入される一枚絵が白黒の線画で、まあそれはそれで味があっていいのですが、終盤のとあるイベントで、文字と一枚絵の色が思いっきり重なっていて読みにくかったのは減点要素ですね。

BGMも大半はサンプル素材なのですが、ここぞという場面ではデジファミ音楽堂などにある音楽素材を使用しており、それらが素晴らしく場面を盛り上げていたので印象に残っています。

「盗人講座」の基本データ

タイトル
盗人講座
対応OS
Windows 95/98/2000
ジャンル
ロールプレイング
価格
無料
ファイルサイズ(展開前)
1,506,608 Bytes
制作
中西 亘(w-n)
公式サイト
http://www5c.biglobe.ne.jp/%7Ew-n/n0.html
制作ツール
RPGツクール2000
動作に必要なソフトウェア
RPGツクール2000 RTP
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