現代の魔法の調理器か!?
IHクッキングヒーターに物申す!
<ある雑誌に掲載されていたタイトルである。何のことか興味を持ったので読んでみましたら、その様なことが確かに
有るなと思い、皆様にも心当たりが有るとおもいましたので、さっと拾ってみました。>
IHクッキングヒーターは、火を使わないのでとても安全だというイメージがある。無論その通りの面もあるのだが、いざ
使ってみるとツルツルの表面が災いして怖い思いをすることもある。うわべの便利さを優先して安全性が犠牲になって
いないか、メーカー開発者の方々にはぜひ今一度再考をお願いしたい。
<と、見出しになっていました。>
最近見かけるようになったコマーシャルに東京電力提供のIH調理レンジの宣伝がある。かってテレビ番組「料理の鉄
人」で活躍していた3人の鉄人が画面に登場し、IH調理の利点を訴える。炎なき高火力で調理できるIHレンジを使えば
和食も洋食も中華もあらゆるメニューが自在だというのである。
IHレンジは一言でいえば強力な磁力線発生装置である。鉄やステンレスがその磁力線に当ると、内部に渦巻状の電流
が流れ、熱が発生する。鍋やフライパンをそうした素材で作れば鍋の中の水は沸騰し、食材が煮えるというわけであ
る。ガスレンジなどのように炎が出ないのできわめて安全。天ぷら鍋の油に炎から引火して火災になる心配がほとんど
ない。
<中略>
母が年を重ねるにつれ、最も心配したのが台所での煮炊きであった。今は私たち夫婦が同居して介護しているので心
配はなくなったが、かって一人暮らしをしていたある冬などは、着膨れた衣服にガスレンジの炎が触れて着火、あわや
火達磨になりかけた。そんな経験から、私達が母宅に移り住むことになったとき、真っ先に台所のガスレンジを据え置
き型のIHレンジに変えた。そのために電力会社と200ボルトの契約を結ぶ必要があったが、そのとき検査にやってきた
係員がラッパを吹いた。
「IHレンジは便利で協力で綺麗ですから、きっと満足しますよ」と言いながら、いくつかの知恵を教えてくれた。煮炊きで
汚れた調理台を綺麗にするには、水で濡らしたラップに磨き粉のクレンザーを振りかけて磨けばよい。それでレンジを
いつまでも新品同様に保持できるというのである。なるほど、その通りであった。調理台の表面はガラスで出来ている
ために、磨き粉で磨くのが確かに合理的であった。火力も十分で文句なしであった。デジタル制御を使った色々な便利
機能にも不満はなかった。
しかし私にとっては、まかり間違えば、命にも関わる大問題があった。それはレンジ表面のガラスが非常に滑りやすい
ことである。私は料理が趣味のひとつで、週の3分の1は家内に代わって台所に立つのだが、IHレンジ上の鍋を固定す
るのに大変苦労をする。特に中華料理の炒め物をするときは大変である。チャーハンなどは飯をパラッと粒立たせる
ために、両手でしゃもじを持ってご飯を空中にかき上げるたびに鍋がズルズルと動いてしまうのである。両手を使うた
めに鍋の取っ手を押さえて固定できないからである。たまりかねて鍋の下に濡れ布巾を敷いたら、すべりが止まって調
理は快調に進んだが、まもなく鍋の底から煙が出始まった。慌てて鍋を持ち上げてみると、哀れ布巾の真ん中が黒くこ
げていた。
ある日など、小さな鍋で湯を沸かしているとき、床に落ちた物を拾おうとして屈み込んだ。ふとレンジを見上げると、沸
騰水をたたえた鍋がプチプチと音を立ててこちらに滑り来るではないか。プチプチとは鍋底とレンジの間に挟まった水
滴が破裂している音であった。このままだと頭から熱湯をかぶりかねない。この時は、即座に立ち上がって鍋を元の位
置に戻して事なきを得たが、コマーシャルに出ている鉄人達にはこんな経験がないのだろうか。
私にとっては「いつも新品同様に磨ける」ことよりも「鍋が滑らない」ことのほうが大事なのだが、IHレンジの普及に狂奔
する電力会社にもメーカーにもその認識はまったくないようである。いつか熱湯をかぶるユーザーが出てくるかもしれな
いぞ〜〜。
<安全第一と言いながら考えているのだろうか?皆様の考えは!>
|