ヨウコソ!シバラクオマチクダサイ
ジャン・ジャンセンは1920年、小アジアのスールーズに生まれた。その後ギリシャで約8年間暮らした後、1931年、11才の時にパリに出た。その頃ヨーロッパは二つの大戦のはざまで、暗く混乱した時代であった。思春期のこのような環境が彼の作風や思想に大きな影響を与えたことは言うまでもないだろう。ジャンセンは数多くの職業を転々としながらその合間に絵の勉強を続けた。最初はモンパルナスで絵画を学び、1936年にはパリ装飾美術学校で学んだ。リトグラフ(石版画)は1964年頃から本格的に取り組み始めた。彼は真の芸術家である。だから、見てくれの良い装飾画やありきたりの風景画、ワンパターンの商品版画は制作しない。絵に安らぎや投資を求める輩は今すぐ立ち去ったほうが良いだろう。彼の一貫した興味は、うらぶれた部屋に横たわるやせぎすの踊り子や社会の底辺で貧困にあえぐ人々であり、又、悲しみを隠す道化師や希望のない老婆である。壮大な教会の伽藍よりは露店の市場や活気のない裏通りである。ボードレールの「パリの憂鬱」やジャン・リクテュスの「貧者の独白」の挿し絵は自ら望んで手がけたものである。

ジャンセンの最初のリトグラフのカタログ・レゾネ(*)に序文をよせているシャルル・ソルリエのコメントを以下に示し、このページを訪れた皆様のご理解の一助とさせていただきます。

『いかなる肉付きもほとんど介在しないデッサン法は、みじんの卑小さも与えず、比類のない高度な正確さであらゆる可能な立体感をかもし出している。』『流行が絶えず変化していく中にあって、ジャンセンは偽りの現代性へのあらゆる誘惑には無関心で、彼自身の探索を続けている。』『ボッシュやブリューゲルの様な突飛な精神を復活させようとしているのではなく、隠喩を用いて現代社会の道徳の崩を表現しようとしているのである』『彼は最も優れた現代の証人の一人として後世に残るであろう』

(*)カタログ・レゾネ/一人の作家の全先品を網羅した公式カタログのこと。有名な作家の場合、画廊や出版社、関係者などが出版することが多い。年代順に作品番号が与えられ、詳細な作品データが掲載されているので、作品売買の際の重要な資料となります。ジャンセンの場合2000年秋には3冊目の最新版=1993〜1999年版が出版されています。ただし、1冊目と2.3冊目では出版元が違うので通し番号にはなっていません。当サイトでは作品番号において次のように区別しています。

 ●1954〜1983年間制作リトグラフ作品集=ニース/ドゥ・フランコニー社刊→C1-000

 ●1984〜1993年間制作リトグラフ作品集=パリ/ギャラリー・フローラJ刊→C2-000

 ●1993〜1999年間制作リトグラフ作品集=パリ/ギャラリー・フローラJ刊→C3-000

 ※ギャラリー・フローラJ刊の2冊は通し番号になっているので混同する心配はなく、又、1993年分は重複して 掲載されています。 

作品リスト(販売は終了致しました)
JA-C1-327
JA-C1-334
JA-C1-338
JA-C1-409
JA-C1-418
JA-C1-430
JA-C1-451
JA-C2-001
JA-C2-030
JA-C2-031
JA-C2-054
JA-C2-060
JA-C2-066
JA-C2-067
JA-C2-071
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JA-C2-078
JA-C2-089
JA-C2-091
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JA-C3-153
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JA-C3-159
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