アタック・ザ・マミー

 この映画は「深海からの物体X」でお馴染みの(馴染みたくないですか?そうですか)アルパッセリ監督の新作です。前作は海の上、今回はエジプトでやらかして下さいました。

 【ストーリー】古代都市の残像を抱えた国、エジプト。その国の地下深くには幻の墓場が存在した。 そこに目をつけた魔術師シークは墓場を使って、巨大なアミューズメントパークを作る構想を立てていた。だが一方でその墓を守り続ける反対派は密かにそれを阻止しようと企んでいた。 その墓には呪いがかけられているというのだ。だが、シークは強引に墓を掘り起こし作業を 続けてしまった。そして半年後――。「ミイラテーマパーク」として生まれ変わった墓場は、着々とオープンに向けて準備を整えつつあった。シークは世界へむけて大々的に宣伝するために、 ダンとジュリーというカメラマンをアメリカから呼び寄せたのだった。このテーマパークの最大 の見所は、墓の中で長い眠りについていた何千という本物のミイラたちだ。それらは マイクロチップを埋め込まれ巨大コンピューターで自由自在に動くように加工されていたのだ!!

 ストーリーはアルバトロスのHPを参照しましたが、誇大広告もいいところです。ミイラなんてほんの数体しか見かけていませんし、墓を守り続ける反対派ってゆーのも誰のことなんだか、魔術師の女1人だけしか気がつきませんでしたが。唯一本当なのは巨大コンピューターあたりかなぁ。かなりアナログな感じの。

 この映画の見どころはチープなセットとチープな衣装、チープな設定にチープな出演者及び監督といった所でしょうか。とにかくセットはドリフのコントなみで、まさか自分が映画を見ているとはと目を疑いたくなるよなセットです。王様だか大富豪だかの衣装はパーティーグッズの変装セット並みのテロテロ感。そして巨大コンピューター(笑)に制御されたミイラも予算をけちって包帯のメーター数が足りなかったのか、若干顔が透けています。ファ、ファラオの顔をおがめるなんて・・・(脱力)

 地下の墓の中を機関車トーマスのような列車に乗り、広告用の写真をとるダンとジュリー。カメラのフラッシュにブチ切れして鎖を引きちぎって、壁をすり抜けて追いかけてくるミイラ(本物)。壁抜けできるなら鎖ちぎらなくても……。いや、この映画はそんな細かい部分につっこんでる場合じゃなかったですね。その後、発砲シチロールのような非常に軽い物体で作られているであろう岩場でミイラとの追いかけっこが始まります。奥に追い込まれるダンとジュリー。絶体絶命の大ピンチ。

ジュ「あいつ、私の事をじっと見てるわ」
ダン「オッパイに見とれてるんだ」
ジュ「キモイやつ!」
ダン「胸を見せて時間をかせぐんだ!」

胸を見せるジュリー。
見とれるマナウス4世のミイラ。
何故か落ちているポリタンクに入った硫酸(アイテムゲット)
更に何故か落ちている空のバケツ(プラスチック)
バケツに硫酸を入れて(何故溶けないのか)ミイラにぶっかける。
包帯とごと肉が溶けてさらに化け物になるミイラ。
木の棒で殴りながら肉をそぎ落とすダン。
肉が落ちてホネホネロックになるミイラ(もはやミイラではない)
最終的に素手で殴り殺すダン(殴り合いは男のロマン)

……コメントできねえよ。

 その後、ダンとジュリーはこのパークのシステムを乗っ取り、パーク関係者を地下に閉じこめて生き埋めにしてしまいますが、「悪夢だった」「全てが自然に帰った」などと自分たちの大量虐殺の事なんてスッカリ忘れてトーマス風列車の中でいちゃついておりました。

 そして本作の内容とは全く関係なく「深海からの物体X」の中でボビーを襲った物体xを見ることができます。物体Xを作ったのはエジプトの魔術師の女(クレオパトラの子孫)だったなんて。前作の謎をこんなところで解くなよ。ってか、前作のメインの特殊メイクを使いまわすなよ。

 本作品「アタックザマミー」、「深海からの物体X」他、全5作品のB級ホラーDVDが詰め込まれたモンスターBOXというものが発売されています。ちょっと欲しい気はしますが、人として大切な何かを失ってしまいそうなので購入はあきらめました。何よりも一番大きな理由は「深海から〜」のDVDはすでに購入済みだからなんですが、すでに何かを失っていますか、私?ちなみに「007モンスターBOX」とは何の関係もありませんので、007ファンの皆さんは注意が必要です。

 この作品を見たら是非とも感想くださいね。

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