>>Next.>>

 男の子にとって、父親とは人生の指針を示してくれる存在です。
 あの子にはその存在が突然いなくなってしまったのですから、ずいぶん苦労したことでしょう。
 兄の、事ですか?
 さぁ……。あの子の将来を、どう考えていたのかまでは、私にもわかりません。
 もしかしたら、あの子が自分と同じ道を歩むことについては、反対だったかもしれません。
 それでも――それでも、男の子は父親の背中を見つめて、生きていくものなんですね。
 今日、この日の、あの子の、後姿。
 それに、兄の後姿を重ねてしまったのは、私だけではないと思います。
>>Next.>>
■ Library Topに戻る ■