(01.03.08) 霊術室のご案内へ











 霊術家になるためには、まず、霊力を強くしなければなりません。

 とはいいましても、ここでいう霊力は、霊視などの霊能力ではなく、むしろ、“力”なのです。

 霊術家は霊魂を縛ったり、幽的な気を動かしたりします。ですから、霊的な“力”がないと勤まらないのです。

 霊能力としての霊視は、できればそれに越したことはありませんが、中途半端な霊視や霊査はかえって本質を外すことが多いようです。

 一流の霊能力者は別ですが、少し霊が見えるとかいうようなレベルであるならば、何も分からない方がかえって良かったりもするほどなのです。

 問題なのは、やはり「霊魂を動かせる力」なのです。何度も言うようですが、しょせん、人間の念の力だけではとても力が足りません。霊魂の協力が必要不可欠なのです。

 たとえば、複数の霊魂が協力してくれたとしましょう。その時、人間一人の念の力とどちらが強いかは、言うまでもない事でしょう。


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 そこで、霊術を強化する最大のポイント、どうやって協力してくれる霊魂を得るかという事になります。

 霊術やまじないの本を読んだだけでは、能書きほどの効果はありません。ですから、西洋の魔術でも黒魔術という世界では、悪魔に自分の魂を売って霊力をもらう、というような話が真面目に語られたりするのです。

 普通の人では西洋でいう天使の協力はなかなか得られないという事なのでしょう。長い間修行するくらいならばと、安直に悪い方の力を求める人も中にはいるのかもしれません。

 ところが、そうした悪い霊魂につながる事は、長い目で見て幸福でないという事は、皆さんもすぐにお分かりになると思います。やはり、高級な霊魂の協力を得る事が理想なのです。いや、条件と言えるでしょう。

 では、どうすれば良いのでしょう。普通の人は自分自身を守護してくれる霊魂とさえ、あまり交流していないのが実情のようです。

 無関係な高級霊魂が協力してくれる事はまずありません。

 それでは、全く手がないのかと言えば、やはり、手はあるのです。つまり、縁を付ければ良いのです。

 縁と言いましても、どうすれば良いのでしょうか。霊魂も元は人間です。人間界と同じに考えてみましょう。

 私達が地上の世界で力を得ようとすればどうするでしょう。

 まず、悪い方から考えてみましょう。地上で悪いといえば、まず、最初に浮かぶのは暴力団という組織です。こうした組織に自分が入ったり、依頼したりすれば、そうした方面での力は得られるに違いありません。これは、さきほど説明した黒魔術の考え方と共通しています。そのため、長い目で見て幸福になれるとは思えません。

 では、高級な方はどうでしょう。

 地上に高級な意識を持っていて、かつ、力のある集団や組織はあるのでしょうか。これが問題なのです。つまり、なかなかないのです。確かに、世間にはあちらこちらに立派な方はいらっしゃるかもしれません。ですが、その立派な人達がどんな力を持っているのでしょうか。暴力団に対抗できるのでしょうか。答えは否です。地上において暴力組織に対抗できるのは、やはり、警察しかないのです。

 ですが、警察がはたして高級なのでしょうか。さて、どうでしょうか。もちろん、中には立派な方も大勢いらっしゃることでしょう。ですが、警察というところは国家が管理した法律でしか動かない組織です。そのため、法律に基づかない出動はしてくれません。

 どうみても悪い事をしている人を見つけても、それが民事行為であれば、警察は介入できません。つまり、人間的な善悪よりも法律に照らしてしか動かない組織なのです。

 そのため、結果として、何もしてもらえず、不幸な結果が起きたという話も時々聞こえてきます。

 そうなると、地上では一般人が強い力を持つという事は無理だという事になります。せいぜい、格闘技などで個人的に鍛えるしかありません。ですが、暴漢に武器を持たれてはなかなか対抗できません。まして、女性ではなおさらです。

 つまり、地上では一般の人間は、なかなか強い協力者を得る事はできないのです。それと同様で、人間は普通にしていたら、高級で強い霊魂の協力など得る事はできないのです。

 そうなると、特殊な方法に頼るしかありません。人間の社会でも、個人としては、暴力団の構成を上回る力を持つ人は大勢います。ですが、彼等が集団になった時、あるいは武器を持った時、個人では警察官といえども対抗できないのです。集団には集団でないと対抗できません。警察が組織として出動すれば、簡単に解決するのです。

 という事は、仮に暴力団のような恐ろしい霊魂集団の構成員が誰かの肉体に憑依したとします。それを助ける霊術家の背後にはやはり、集団に対処できる霊魂の団体がいなければならないのです。そうでなければ、霊術家もその背後にいる霊魂も、悪い霊魂の集団につぶされてしまう恐れがあるのです。

 霊術の強化の最大のポイントは、実は、高級な霊魂集団に援助してもらう事だったのです。


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 どんな霊魂でも人間と同様で得意不得意があります。万能ではないのです。

 ところが、人間に関与する悪い霊魂にはいろいろなタイプがあります。ですから、霊術家に協力する霊魂も数が揃わないと対処しきれないのです。そうでない霊術家は霊魂に破れ去り、死後も下の世界に引きずり込まれる事になりかねないのです。

 この現実を知る一般人は少ないと思います。

 まして、現代は悪い霊魂達も集団を作っている事が多いのです。(悪い霊魂参照

 結局、霊術家に成りたい人は地上にある何らかの流派に所属し、その流派に所属する霊魂団の協力を得るしかないのです。そうであれば、霊術家も背後に集団を持てるのです。相手が大物になればなるほどに、霊術家も背後に強力な集団を持つしかないのです。
 
 流派に属さず、一個人で霊魂の集団を背後に持つという人は、歴史的な達人であるか、あるいは、あまり高級でない霊魂達をバックにしているかのいずれかです。

 なぜなら、真に高級な霊魂達は暇ではありません。人類が霊的に目覚めるために必死に活動しています。そうした一環として、人間達を啓蒙してくれる集団にしか強い力は掛けません。一個人では影響力もその分小さいので、高級な霊魂が協力するとしても、大勢の霊魂が単に個人のためだけに働くわけには行かないのです。

 霊魂が集団で協力する場合は、あくまでも、影響力を持ち得る団体であるとか、あるいは、修行の世界で達人の域に達しているとかいった、正当な理由がある場合だけなのです。

 一個人には、その人がたとえどんなに真面目であったとしても、そんなに大勢の高級霊魂が関わってはいられないのです。

 そうした人が霊術家になると、しばらくは良くても、何年か経つと、悪い霊魂の集団に狙われて大きな不幸を背負う恐れが非常にあるのです。

 どんなに偉い神様や仏様を祭っていても、それだけでは無理なのです。現代は特にそうした危険が増えている時代です。

 ただし、そうした人であっても、真に正しい人であるのなら、道は残されています。

 なぜなら、この日本には特殊な霊魂団が存在するからです。富士、立山、といった霊山には、長い間にできた高級霊魂との掛け橋があるのです。古から空海をはじめ、多数の修行者達が道を求めた霊山、そこには、この国に関与する霊魂達の中でも最強の霊力があります。

 「最後は富士を目指せ」 これがこの国の最奥の神秘なのです。

 蛇足ながら、私の師ももちろん、この富士を目指して霊力を得た人です。

 富士の霊魂が力を与えてくだされば、たとえ、相手がどんなに悪い霊魂であっても恐れることはないのです。いや、それに打ち勝つ事が聖業となり、大きな使命ともなるのです。

 もっとも、自分の人生を捨てても使命に生きるような人でないと、個人としては富士に認められることはない、という話も聞いた事がありますが…。

 富士、それは、物質の山でしかありません。いつまであるのかは分かりません。それでも、霊的な山としての富士は、いつも、私達を見つめてくださっているのです。





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