9.霊媒の真偽   (「霊魂と交信する技術」参照)


 霊能力者の中には、霊媒といって、霊が体に入ってその霊が話をする、という方がいらっしゃいます。こうした方の中には偽者ではないかと思われる方もいらっしゃいます。それでは、一体、どういった観点からそれを判定すれば良いのでしょうか。

 もちろん、世の中には例外というものがあり、歴史的な達人だったりすれば、そうした基準はまるで当てはまりません。したがいまして、ここで述べるものは、一般的な判定基準とご理解ください。


 世の中には他界されたばかりの霊魂を、親族の要請によって呼び出し、その話を聞かせるというタイプの霊媒がいらっしゃいます。こうした霊媒は偽者である可能性があります。

 と言いますのは、死んだばかりの霊魂は、大多数が死後の世界で生活しています。

 そのため、霊媒師が呼んだからといって、すぐにやって来られる可能性はまずありません。

 あるとすれば、その親族の側に他界したばかりの霊魂が付いて来ていたという場合です。そうした場合は呼べばすぐに出てくることも有り得ます。

 また、霊魂に聞くと、他界して間もない霊魂が他人の肉体に入って言葉を正確に話すという事は大変難しいそうです。

 したがいまして、希望する霊魂を呼び出せるという霊媒には、まず最初は、偽者の可能性を考えた方が良いと思えます。


 次に複数の霊魂が体に入るという霊媒の場合です。

 こうした霊媒は簡単には判定できません。
 と言いますのは、霊魂が実際に地上の人間の体に入ってその口をうまく使うということが難しいために、霊魂に嘘をつく気がなくても、間違ったことを言ってしまう事があるらしいからです。

 そうなりますと、霊魂の言う事が間違っていたからといって、一概に偽者の霊媒とは言えないことになります。
 また、外国人の霊魂なのに日本語で話すから偽者だとは断定出来ません。霊魂に聞くと、よほど完全に霊媒の意識を排除するのでない限りは、霊魂は霊媒の話し方や言語に少なからず影響されるのだそうです。

 霊魂が完全に人間の身体を支配出来ていない限りは、霊媒の脳にある記憶や霊媒の考えが邪魔になるので、結局はその影響が出ることが多いそうです。


 結局、霊魂としては、霊媒の脳そのものを利用して自分の考えを表現することが多いそうです。
 その結果、外国人でも日本語で話すことが多いそうです。

 したがいまして、霊媒師がどんな霊魂を呼び出しても同じような訛りで話すということは、実際には、偽者の証明にはならないということなのです。

 つまり、簡単には分からない、それが真相のようです。 (「霊媒の真偽2」 参照)