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クルマなんか買うつもりはなかった。

 

 

クルマ趣味はさんざんしてきたから、もうここらでやめとかなアカンと
思っていたからだ。だって、アホほど金かかるねんもん。
ところが、情けないことにちょっとプライベートでイヤなことがあって、
「こりゃ、何かに没頭せなたまらん」と思ってたところに東京の友達に
「クルマでも買ったらいいんじゃない?」と言われて、ワシの心のシリンダーに
火が入ってしまった。「そうか、それしかないか!」と思ったのである。

 

よく考えたら、別にそれしかないことはなかってんけども、本気で購入を
考えると、なぜか知らんがワクワクしてきてしまったのである。
そして東京の友達の家に遊びに行って、いろいろ本を見せてもらったり、
話したりしてるうちに、ついに「本気も本気」モードに突入したのだ。

 

こっち(兵庫県)に帰ってきて、ちょっとずつRX-7のことを調べていた。
クルマ趣味から遠ざかって随分と経つので、全然意味のわからん言葉も
あったけども、すぐに理解は出来た。まあ、12Aターボで驚いていた時代の
ワシやから、FD3Sのセブンに13Bターボ(しかもシーケンシャル・ツイン)が
載ってると知った時点で、入れ歯ハズれてフゴフゴ言うほど驚いたけどね。
いや、そんなに驚いてない。だいたい予想はしてたもん。

 

 


あ、そうそう。なんでRX-7かと言うところを説明しとかねばな。

 

ワシはMINIというクルマに乗っていたのだが、神戸に当時の彼女と出かけた時に
初めて赤いRX-7を見たのである。これがまた、ものすごいカッコ良くて、
単純に「ワーー、カッコええなあ」とアタマの中で思っていたその時に、彼女が
ワシに「なんでこういうかっこいいクルマにしなかったの?」と言いよってん。
ワシが心の中で思ってることと、彼女が思ってることが一致するくらいカッコええと
いうことは、こりゃ相当カッコエエんちゃうんか?と思ったのである。
なぜなら、いつもなら彼女と意見が全く合わなかったからである。
そりゃ、別れて当然やな。今思ったわ。



同時に彼女にそんなことを言われたワシは「ホンマや!なんでこんなんに
せんかってんやろ!俺ってバカバカ!コンチクショー!」と思ってしまった。
それは1992年のことである。いや、93年か。
まあ、そこらへんだ。MINIはMINIで良かったのだが、カッコ良さという点では
比較にならない。っちゅうか、比較してはいけない。

 

それからというものは、RX-7を見るたびにそのことを思い出し、いつも
「あー、こんなんにしといたら良かったかなあ」と思い続けたのであった。
まあ、MINIは好きやったけど方向性がちゃうかったからね。(言い訳)

 


久々に国産で、一点の曇りもないくらいカッコエエと思うクルマだったのだ。
それまではどんなにスポーツカーであっても、真剣に「欲しい!!」と
思えるクルマがなかったのである。その10年くらい前には欲しい車が
たくさんあったのだが、MINIに乗ってる時代で欲しいクルマなんて皆無だった。
そこへ彗星の如く現れたクルマが、このRX-7、FD3S型だったのである。
もうちょい早よ出てこんかいな、アホやなあ!!

 

 

まあ、そういった経緯があって、それでも買えずに何年も経ってしまったのだ。
それが今、ようやくワシの手の中に収められるかもしれない状況になったから、
ワシの欲求はF1グランプリのスタートのように恐るべき加速力で進んでしまった。
こうなってしまうと誰も俺を止めることは出来ないんだぜベイベー!!

 

 

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