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レンタルサーバを利用するということは、インターネットの世界に自分のスペースを持つということです。
つまり現実の世界で言えば、家を借りるということによく似ています。
またビジネスとしてレンタルサーバを使うことは店舗やオフィスを借りることに似ています。
スペースを確保し、家具を置いていろいろなものを収納したり飾ったりする=コンテンツを用意してレイアウトしたり保存したりする、お客様を迎えてもてなす=サイトを訪問する人に楽しんでもらう、と考えていくといろいろ似ている点が出てきます。
さらにレンタルサーバ探しは物件探しみたいなものだとすると、簡単に決めずにいろいろ調べたり、他人のアドバイスを聞いたりしながらじっくり選びたいものです。また家やお店と同様、一度ここと決めれば、あちこち移転しないである程度長い期間使いたいものです。
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では物件選びのポイントと比べながらレンタルサーバ選びのコツを考えていきましょう。
物件選びのポイントとして一般的にあげられるのは、家賃、立地、広さ、設備、快適性、安全性でしょう。
現実の世界ではこれらの条件をすべて兼ね備えた物件を探すのはかなり難しいことですが、インターネットの世界では比較的どのポイントも納得できるレンタルサーバ探しが可能です。とはいっても価格とサービスのバランスの取れたものを選ぶには、じっくりと調べながら探すことが必要です。 |

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家賃に相当するは料金です。
安いだけでメンテナンスがおろそかにされているのは困りますし、ある程度以上高くなればレンタルサーバのメリットがありません。ただ難しいのはその料金に何が含まれているのかということを正確に知ることです。各種サービス項目や内容や質がかなり値段に反映されているはずですので、案内をしっかり見ましょう。
また、他のサービスと組み合わせると割引が適用されることもあるので要チェックです。 |

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立地はアクセスの良さ、つまりインターネットとの回線速度です。
この回線速度が不十分だと、訪問者が快適にアクセスできないだけでなく、日々のコンテンツ更新作業にもストレスがたまります。 |

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広さはディスク容量です。大きければ大きい方がよいですが、料金に反映されるでしょう。
またメールを使う場合にはメール容量も確認する必要があります。 |

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設備は基本的なウェブサーバ以外のサービスにどんなものがあるかを見ます。
メールアカウントはいくつ使えるか、メールの転送サービスはあるか、独自ドメインが使えるか、
アクセス統計は見られるか、CGIは使えるか、SSL(暗号化通信)は使えるか、データベースは使えるかなどなど、今は必要なくても将来使いたくなったとき追加できるか、オプション料金はいくらかというように細かく比較検討しましょう。 |

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快適性はサポート体制が重要です。どんなサポートが用意されているのか、それらが自分にとって十分かどうかをよく調べましょう。 |

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最後のポイントは安全性、つまりセキュリティです。
これは家選びでも最近重視されていることです。インターネットの世界は技術力で現実の世界よりも
より確実にセキュリティを高めることができますが、侵入者や手法、トラブル発生のスピードや頻度も現実の世界よりはるかに高いですから、よりしっかりした対策が必要です。
無限のセキュリティには無限のコストがかかりますから、100%のセキュリティは実現できませんが、
どのくらいセキュリティ意識が高く、どういう対策がとられているのかを確認しましょう。
以上、インターネット上の住まいとなるレンタルサーバの選び方のポイントを見ながら、どんな要素が関わっているのかを説明しました。これまで情報を受け取るだけだった人は自分のスペースを持って、外との関わりを広げていくために、また自前でサーバを運用していた人は、メンテナンスコストの高い分譲一戸建てからサービスの行き届いた賃貸マンションに引っ越すように、レンタルサーバをぜひ活用してください。
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■コラム著者紹介:田辺茂也
元国際大学GLOCOM併任研究員
十年以上に渡りインターネットエンジニアとして数々のネットワークやサイトの構築を手がける。
主な監訳書「Apache」「CGIプログラミング」「HTML」(オライリージャパン)など。
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