私たち幻燈舎映画は資本も技術もない小さな組織ですが、表現することを真剣に考える仲間が集まり、丁寧な作品づくりを続けてきました。表現にこだわり、それを貫き、洗練すること。たとえ未熟であっても、作品を生み出す者として、私たちは高い志を持ちたいと考えています。

私たちが映画という表現を通じ、一貫して最も大切にしていることは「言葉で表現できない感覚を多くの人と共有すること」です。簡単な言葉では決して言い表せない心のゆらぎを描くこと。それこそが映画という表現を何よりも豊かにしてくれるものではないでしょうか。

ビジネスの世界では、映画が観客の欲求を満たす商品として生産され、映画をつくることは観客への「奉仕(サービス)」であると考えられています。商業映画としてはごく当然のことですが、表現としての映画を考えた時には少し寂しいような気もします。より多くの観客から支持を集めることを意識するあまり、映画という表現から表現者の個性が失われてしまうのです。

そこで私たちは、お金儲けの映画を製作するのではなく、「感覚の共有・共感」を実現できる空間の維持・運営のために観客から資金を得る表現システムを築きたいと考えています。観客が映画に支払うお金は「奉仕(サービス)」への対価ではなく、あくまで作品を「提示」することへの対価です。そうした表現者と観客との対等な関係の中で、私たちは新たな映画表現を模索し続けているのです。

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