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トトオ製作プロジェクト活動報告@ ○1998年11月〜1999年1月の活動 1998年11月1日に発足した「トトオ製作プロジェクト」は、16mm映画「トトオ」の製作を目的に活動する自主映画製作グループで、1999年1月31日現在、7名のスタッフが製作準備を進めています。活動は、資金調達・シナリオ執筆・ロケーション調査・技術調査の4つの柱で行われており、毎月2回のスタッフ会議で活動方針が決められます。代表…伴野智・副代表・・・菊池康治。 ◆資金調達 1月31日現在、試算した製作費は400万円で、今後さらに調査と検討を行います。資金は監督・スタッフからの出資、一般からの支援、企業・団体からの協賛・助成、ビデオの売上、上映会の売上などによります。 12月1日からは、一般からの支援金(1口1万円)の受付を開始し、同時に支援を呼びかける宣伝活動も始めました。宣伝活動は、支援を呼びかけるチラシを映画館、専門学校、公共機関などで配布、過去の上映会への来場者などにはDMを郵送しました。 企業・団体からの協賛・助成については、資金協力に限定することなく、機材協力や製作協力なども視野にいれつつ交渉を進めています。 ビデオ販売については、伴野智が映像作家として手がけた短編映像作品「マリア」を京都の書店、大手ビデオ店にて販売、これまでの販売実績(100本)から、今後さらに販売の拡大を目指します。また、1月にはフリーマーケットや路上販売など実験的な販売活動も行いました。 ◆シナリオ執筆 シナリオは監督が担当し、1月31日現在、検討稿まで完成しています。今後はさらにスタッフ会議で検討を重ね、完成度の高いものに仕上げていきます。 作品は、昭和50年・夏を舞台に、ひとりの若い父親の心に焦点をあてます。親になろうとして、親になりきれず、それでも我が子を案じる親の葛藤。わずか1歳の息子と夫婦の小さな家族の日常を通して、子をみつめる親のまなざし、親をみつめる子のまなざしの輝きを描きます。 執筆にあたっては「映像の心理展開」と「洗練された描写」をめざし、短編ならではのキレ、自主映画ならではのリアリティー、若手作家ならではの斬新さを何よりも大切にするよう心がけています。 ◆ロケーション調査 昭和50年・夏・大阪の下町というシナリオの設定に従い、大阪市内での調査を開始。西成区・阿倍野区・天王寺区・大正区を中心に、徒歩による現地調査・写真撮影を実施しました。昭和50年以降の建物がない下町の路地やアパート、河原周辺、駅周辺、歓楽街などが調査の対象で、住人への聞き込み調査・撮影交渉などが進められています。 ◆技術調査 16mm映画の製作には、高度な撮影技術や現像の知識が必要です。使用機材の選定からオペレーション、仕上げに至るまであらゆるノウハウを蓄積し、いかに低予算でありながら技術的にも完成度の高い作品づくりを成功させるかという大きな課題に挑みます。現時点では、撮影機材の選定、機材テストの準備を進めています。 ○1999年2月以降の動きについて 2月以降はスタッフを増員し、本格的な撮影準備に入る予定です。また出演者のオーディションも実施し、エキストラも募集します。大道具、小道具、衣裳、特殊効果などの美術班も活動を開始。昭和50年および昭和30年(回想シーンがあります)をリアルに再現するための調査を行います。 ○お知らせ ◆伴野智監督作品「マリア」「山田君ノ布団」がキリンコンテンポラリーアワード・フィルムフェスティバル’98に参加。大阪・戎橋のキリンプラザ大阪で昨年10月23日〜11月15日まで上映されました。「山田君ノ布団」は最新作で初上映。作品の完成度の高さが注目を集めました。 ◆「山田君ノ布団」上映会と監督の話〜映画をつくること・表現すること〜が1月17日に吹田市立西山田公民館主催で開催され、監督の伴野智が講演を行いました。講演では商業映画と異なる個人映画の可能性とその表現のありかたについて語りました。 ◆日本を代表する国際映画祭のひとつ「ゆうばり国際冒険・ファンタスティック映画祭’99」のファンタスティック・オフシアターコンペティション部門に「山田君ノ布団」がグランプリノミネートされ、2月19日〜25日までの期間中、北海道夕張市で上映、世界に紹介されます。審査員にはアメリカ・サンダンス映画祭ディレクターのジェフリー・ギルモアやハリウッドで活躍する映画監督、ピーター・レーダー、俳優の大杉漣や映画監督の三池崇史などが名を連ねています。 ◆全国から自主映画作家が集う自主映画の祭典「プラネット映画祭’99」が2月19日〜23日まで大阪・森ノ宮のプラネットステーションで開催され「山田君ノ布団」が参加し上映されます。自主映画の祭典としては全国でもトップクラスの規模を誇り、多くのファンから注目をあつめています。 ○会計報告(平成10年11月1日〜平成11年1月31日) 1月31日現在 預金残高 \2,180,960
あとがき 映像メディアの業界は、ますますデジタル化が進んでいるというのに、このプロジェクトのスタッフは真冬の路上にゴザを敷いてビデオを売ったりしています。8mmフィルム(シングル8)が絶滅の危機に瀕し、映像の作り手が次々とビデオへ転向する中、私たちは果敢にも16mm映画の製作に挑戦しようとしています。私たちの“映画”は人々の心をそっと慰めるもの。こだわりへの厳しさが、表現を豊かにすると信じています。 |
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