トトオ製作プロジェクト活動報告A

○1999年2月〜4月の活動 

この3ヶ月は、具体的に撮影準備をはじめるための調査期間になりました。年度末の多忙な時期と重なったことから、スタッフの活動が制限されてしまい、迅速な対応ができず、各方面の方々にご迷惑をおかけしたことをおわびします。

◆資金調達

プロジェクトが試算した製作費は総額400万円です。400万円という予算は、16mm映画では極めて厳しい予算ですが、なんとか製作できる最低額と見積もっています。興行収入やビデオ販売収入の限界も考えると、自主製作映画で資金調達が可能な最高額とも考えています。なお、7月末までには製作費の90%(360万円)を現金で確保し、いつでもクランク・インできる態勢を整える予定です。予定通りに確保できない事態になれば見切り発車はせずにクランク・インは延期します。企業協賛については、現在、映像専門学校とタイアップし、撮影・録音機材の無償貸与を受ける交渉を進めています。これにより100万円ほどの製作費が軽減できます。一方、一般からの支援金はたいへん厳しいのが現状です。一層のご支援をお願いします。

◆ロケーション調査

現在までに10日間以上の現地調査を行っていますが、イメージに合う条件で実際に撮影可能な場所はほとんどありません。900枚程度の写真を撮影し、映画撮影の交渉を進めていますが、路地裏やアパート等の生活区域にキャメラを入れ、照明や撮影装置を仕込む必要があるため交渉が難航しています。予算的にセットを建てることは不可能ですから、ねばり強く調査と交渉を続けるほか方法はありません。なお、シーンによっては、すでに候補地が選定されている場所もあります。

◆技術調査

撮影場所が決まり次第、テストフィルムの撮影を行えるように準備を進めています。それから、特に問題なのが音処理で、映画の音響を専門に処理する業者が大阪にないことと、極めて低予算な映画であることから、映画専用の音響技術を使わずに処理できる方法を研究中です。「雨」や「風」といった特殊効果の技術調査も始めています。

◆キャスティング

出演者2名が決定(母親役、勇太役)、主演(父親役)は選考中です。家族役3人が決定した段階で詳しく公表します。お楽しみに。なお、他の役の選考やエキストラの募集も引き続き行います。自薦、他薦を問わず、興味をお持ちの方は事務局までご連絡ください。

◆1999年5月以降の動きについて 

4月30日までの進行状況は、計画よりも少し遅れぎみです。特にスタッフを増やせず、美術班の立ち上げが進んでいません。ロケーション調査の難航もあり、ひとつひとつの問題を解決するための努力を続けます。また、7月30日までには、製作費の90%を確保するという資金調達の目標額も定められており、製作実現に向けて巻き返しをはかります。

○お知らせ 

◆日本を代表する国際映画祭のひとつ「ゆうばり国際 冒険・ファンタスティック映画祭’99」のファンタスティック・オフシアター・コンペティションに参加した伴野智監督作品「山田君ノ布団」は、残念ながらグランプリは逃したものの、漫画家つげ義春の原作という話題性もあり「ねじ式」の石井輝男監督ほか多数の映画関係者らが上映会場に駆けつけました。(2/19〜2/23)「山田君ノ布団」は、つげ義春の「退屈な部屋」が原作ですが、同じ原作で豊川悦司もVシネマの監督をしていることから比較して楽しんだ観客も多かったようです。観客の反応は大変よく、「豊川悦司より、全然面白い!」(東京・OL)とのこと。映画関係者からも高く評価されました。

◆全国の自主映画作家が集う「プラネット映画祭’99」で「山田君ノ布団」が上映され、主演の吉田城治(タレント)が舞台あいさつに立ち会場を沸かせました。(2/20)観客から感想の手紙やメッセージが届き、かつてない反応に少々驚いています。「愛のかたちについて色々考えさせる映画でした」「画に対するこだわりが凄い!はまってしまいました!」「終わった後2,3日はずっとこの映画のことを考えていました」(手紙より抜粋)

◆「山田君ノ布団」がPFF’99(ぴあフィルムフェスティバル)の1次審査を通過し、現在2次審査が行われています。2次審査を通過すると、グランプリノミネート作品として東京、大阪、名古屋、福岡ほか全国各地で上映されます。

◆「山田君ノ布団」のビデオを販売します。1本3,000円(送料別)です。購入ご希望の方は事務局へご予約ください。5月中旬発売。

○会計報告(平成11年2月1日〜4月30日) 

4月30日現在 預金残高 \2,314,775

繰越

¥2,180,960

収入

¥133,815

一般支援金

スタッフ出資金

雑収入(ビデオ販売による収入)

利息

¥30,000

¥74,000

¥29,680

¥135

支出

¥0

(現在、プロジェクトはスタッフ個人の負担で活動している)

                         

合計

¥2,314,775

○スタッフ・キャスト募集 

ひき続き、映画「トトオ」の製作スタッフと出演者(エキストラ含む)を募集しています。スタッフは、撮影・照明・録音・編集は経験者。製作・演出・美術は未経験者大歓迎です。また、出演希望者は、写真とプロフィール・住所・氏名・連絡先を書いて郵送でご応募下さい。追ってオーディションのご連絡を差し上げます。あて先:〒564−0011 大阪府吹田市岸部南3丁目30−1−605トトオ製作プロジェクト事務局まで

あとがき

映画祭の会場で、観客のみなさんから握手やサインを求められることが多くなりました(本当にびっくりです!)。感想のお手紙などもいただき、次回作「トトオ」への期待の高さをひしひしと感じました。

夕張では日本の映画関係者が大勢集まり、毎晩、夜を徹して「これからの映画」について語り合いました。私たちと同世代の若い力が、確実に新しい芽を出そうとしています。

日本映画のシステムはすでに破綻しています。誰かに救いを求めるのではなく、自分たちで前に進まなければと実感しています。

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