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ゴールドコースト通信 
闘うGC日記 過去コラム集

なんと、胆石症になってしまった。入院と手術体験談

「それはある日突然やってきた…」なんてものではなく、結構どんな病気にも初期症状はあるものです。
過去の日記集の総集編の中で、すでに2001年から、それは訪れていました。
海外で病気になるのは、ツライ、寂しい、不安、怖い。渡豪以来2度目の入院、しかも今度は手術です。

その1 緊急入院編

* いきなりだけど、胆石症に!
* ニル・バイ・マウス(NIL BY MOUTH)は悲しいお知らせ
* 病院食は機内食に勝る?



いきなりだけど、胆石症に!
実は日付を遡って書いているのだが、どうしてもこの日から始めようと思う。2004年6月25日。
下記の時刻の経過は病院に付き添ってくれた友達からあとで聞いたものである。

【夜10時】
夜、呼吸困難を伴うほどの激痛が背中に走り、どうしようもないのでタクシーを呼び、アラマンダ・ホスピタル(Alamanda Private Hospital)の緊急外来に駆け込む。途中気を失ったらしく、あまり何が起こったか覚えていない。気づいたときは、看護婦さんが来て、「痛み止めの点滴するからねー、針が痛いよー」と前置きして点滴用の針を打ち込む(いや、これがまさに「打ち込む」が適切な表現だ=めちゃ痛い)。

【11時】
しばらくして吐き気が。でも痛みのせいで夕食はほとんど何もとらなかったので何も吐くものはない。でも一応吐き気止めも点滴の注入口から注射でいれてもらう。

ドクター: 「どこが痛いのー?どう痛いのー?」
私: (…痛くて喋れないっつーの(怒)…場所を指差す)
ドクター: 「あーここかなー(ぎゅうぎゅうとお腹を押す、その度に吐き気が)」
私: (…無言)
ドクター: 「あーこれは『Gallstone』かもしれないねー」
私: (な、な、なんだ?ゴルストーン、石か?でも何の石?場所から言って胆石か?)
ドクター: 「Xray(レントゲン)とるからー」

【夜中1時】
車椅子でImaging Theatre(レントゲン室)まで移動。腹部のレントゲンを取る。吐き疲れで眠い。立つとめまいがする。貧血が起きそうだ。なんとか起きる手前で撮影は終わる。

― 待つこと1時間半 ―

【夜中2時半】
「あーやっぱゴルストーンみたいだねー、とりあえず今日は泊りだね。付き添いの人はかえっていいよー。」
(付き添いの友達帰る)
「あのー、トイレ行きたいんですけど」
「あー、おまるでしてー、いま看護婦呼ぶからー」 (このおまるに関しては後日しっかり語りたい。)

かねてから、背中が痛くて整体士(カイロプラクター)の所に行ったり、針治療(アキュパンクチュァー)に行ったりしていたが、一向に良くならず、逆にひどくなる一方だった。どうも胆石らしい。

と、いうわけで入院することになる。ちぇ。

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NIL BY MOUTH(ニル・バイ・マウス)は悲しいお知らせ
痛み止めが効いてよく眠れた。
お腹すいた。のども渇いてる。そういや、昨日の夜食べたものは全部吐いちゃったし、お腹の中は空っぽだ。
冷静になったので病室の中を見回してみる。

この部屋は個室。洋服などを入れるロッカーが頭側の左端にある。頭の両側はベッドサイドテーブル。看護婦さんを呼ぶブザーが頭の上にぶら下がっている。左のベッドサイドテーブルには電話。あ、足側にテーブルと椅子がある。ホテルにあるのと似てる!かっこいい。

トイレ行きたいなー。起きれるかなー。起きれた。トイレはどこだ。
部屋の中にシャワーとトイレがあった。洗面台がでかい!これもホテルみたいだ。タオルも揃ってるし、シャンプーとリンスのちっちゃいボトルもある。すげー。さすがPrivate Hospitalだ。

ベッドに戻ろうとして頭の上に札が下がっているのを発見。「NIL BY MOUTH」 な、なんだ?ニルバイマウスって?
おお、タイミング良く看護婦さん登場。

私はこの病室を今日の3時まで担当する○○(名前)です。私は血圧、体温、脈拍測定などを担当します。
(なんとここではいちいち名前と自分の役割を名乗るのである。しかもこの人は看護婦さんではなかった。)

「How are you?」
「はい、気分はいいです。ひどく喉が渇いています。お腹もすいています。」
「あー、ごめんねー。「NIL BY MOUTH」だから何もあげられないよー。」
…えっっ、絶食って意味だったのかー!
「あのー、お水もだめですか?」
「だめだよー、でも口をすすぐだけならいま洗口液をもってきてあげるから。」
(イソジンの入った液を持ってくる)

看護婦さん登場。
「私はこの病室を今日の3時まで担当する○○です。私は投薬や一般処置などを担当します。」
「How are you? 今からXray(レントゲン)とるからー。」
「あのー、それ昨日の夜中に撮ったんですけど。」
「あー、違うやつね、Ultra Sound(超音波)ってやつ。石があるみたいだからね。」

車椅子と別の人が登場。
「私はImaging Theatre(レントゲン室)までの移動を担当する○○です。今からあなたをそこに連れて行きます。How are you?」

レントゲン室で。
「私はレントゲン技師の○○です。How are you?」
(ハワユーじゃねーっちゅーの!水のませろー!!)

超音波検査する。石がはっきり見える。胆石だ、まちがいない。
「これは手術だねー。」
「え、お腹切るんですか?(超びびる。涙でそう)」
「切るっつーか、穴開けるんだよ。」
「あ、穴???」
「うん、どうってことないから心配いらないよー。ノーウォーリーズ(No worries)。」

「ノーウォーリーズ」はこーいうところではあまり使ってもらいたくない表現だ。

病室に戻って、気分をなんとか落ち着けようとする。2時間後、ドクター登場。
「私はスペシャリストの○○です。手術しなければなりません。あなたは今日退院できますが、3日後に私のオフィスに来て手術日を決めてください。」
「はー、あのー、すごく不安なんですけど。」
「オフィスに来たときに病状や手術の内容について詳しく説明します。通訳が必要なら手配します。」
「いや、それは心配ないんですが…どのくらい入院するのか…」
「一泊するだけですよー。心配いりません。手術の次の日には普通に生活できるようになります。」
(えええ?)
「じゃ、この子はもう平気だから、お水あげて。それから食事だして、吐かなかったら退院させて。」

はー、やっと水がのめる。

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病院食は機内食に勝る?
初めての病院食。いや、実は初めてではない。以前Middle Year Infection(耳にウィルスが入って頭がもげるかってくらいにめまいがする病気)で、この病院でお世話になった。でも、その時はスープ、パン、ジュース、ゼリー、と軽食のみ。今回は初めての常食。

まず驚いたのはメニューがあること。
パン、メイン、デザート、サラダ、スープをそれぞれ3-5種類ある中から選べる。

パンはサンドウィッチかロールパン、
メインはローストビーフ、魚、ローストターキー、パスタ、野菜のキッシュ(卵でとじてあるもの)、
デザートはアイスクリーム、果物、果物+ヨーグルト、ゼリー、ムース、
サラダは温野菜(ポテト、にんじん、グリーンピースをゆでたもの)か冷菜サラダ(ガーデンサラダ)、
スープはコンソメかポタージュ。

私はロールパン、メインにはローストターキー、サラダは冷野菜、デザートはゼリー、スープはコンソメを選んだ。
カードにチェックを入れて、配膳係の人に渡して待つ。

いや、これがかなりおいしい。特にメインは機内食より格段においしい。

次に驚いたのは食後の飲み物。
コーヒー、紅茶、ジュースから選べる。病院でコーヒーだなんて!!日本じゃ番茶と決まってる。
さすがにコーヒーという気分にはなれないので紅茶を選ぶ。

この紅茶、ポットに入ってくるので2杯は飲める。しかも配膳係のひとはきちんと2杯分の砂糖とミルクも置いていってくれた。
うーん、こんなことでショックから立ち直る自分はなんて単純?でも非常に気分が落ち着く。

病床担当の人(血圧などを測る人)が再登場。
「どう?だいぶ落ち着いた?吐き気はでない?帰れそうかな?」
「はい、おいしくいただきました。吐き気はないです。ただ、のどが以上に渇いています。」
「そっかー、NIL BY MOUTHだったもんねー。ちょっと待ってて。」
(グラスを手に再登場)
「配膳の人からApple juiceもらったからこれ飲んで。」
(ひゃー、なんて優しーんだ!)

というわけで仮退院となりました。Aramanda Private Hospital は GC Public Hospital に比べて高いけれどそれなりに質のいい病院です。
OSHC (Overseas Student Health Cover)ではMedicare Scheduleとの差額を自己負担しなければなりませんが、体が一番大事。
とくに海外での病気は不安との闘いでもあります。精神的負担を減らすという意味で、できることならPrivateでの治療をお勧めします。

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