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ゴールドコースト通信 
闘うGC日記 過去コラム集

胆嚢除去手術することに。入院前にやること色々。

海外で入院、ましてや手術なんていうと不安でたまらない人が多いでしょうが、
ほとんどは日帰り手術なんです。胆のう除去手術の場合でも一泊のみ。
終わってみると、どーってことなかったんですが、始まる前はビビッて泣いてました。

その2 手術準備編

* 病院には辞書がいる
* 病気になったら計算機が必要
* 具合が悪くてもやらなきゃならないこと



病院には辞書がいる

スペシャリストドクターのオフィス(診療所というよりもオフィスの方がふさわしい、診療台や治療室なんてなかった)へ行き、2日後に手術することになった。
まず、ドクターは病名がなんなのか、どうやって手術するのか、そのあとはどうなるのかなどを説明。これがおわると同意書にサインして手術することになる。

ここはかなり英語力が問われる場面になる。躊躇せずに電子辞書などを持参していちいち確認しよう。
(私の場合は理解力不足で胆嚢を除去すると言われたのに胆石のみを除去すると勘違いした)
うるさいと思われても構わない、なにせ自分の体は自分でしか守れないのだから。わかったふりしてOKと言ってしまったら、OKした方の責任になる。
あとで勘違いしたでは済まないのだ。不安なら事前に通訳を頼もう。

Translating and Interpreting Service (TIS) −Phone Number: 131 450

オーストラリアでは胆石症はかなりの確率で起こっているらしい。10人に1人は胆石症にかかるというから、日本で言うところの虫垂炎(盲腸炎)のようなものだ。胆石症にかかった場合、胆嚢除去をするのがいちばん確実に再発を防ぐ方法。この手術はLaparoscopic cholecystectomy(ラパロスコーピック コリーシステックトミー)と言い、一般用語ではKey-hole surgeryと言う。お腹に4箇所の穴を開け、そこから手術器具、腹腔鏡、二酸化炭素ガスの管を入れて胆嚢を除去するという方法。腹腔鏡は内視鏡の一種。これを使った手術は、お腹に直径1cm程度の穴を3〜5個開け、その穴から直径1cm程度の硬性鏡 (つまり腹腔鏡。口や肛門から挿入する内視鏡と違って、クネクネ曲がらない) や鉗子やメスを挿入して、従来開腹して行った手術と同じことを行おうとするもの。

日本ではまだ馴染みのない手術方法(というより、まだ諸問題を含んだ治療方法)だが、オーストラリアでは実に簡単に行われている。「胆石症になった」というと驚かれずに「へー」という反応が返ってくるいうことから、ほとんどの人が簡単な手術という認識を持っているようだ。この手術は全身麻酔を必要とするため1泊の滞在が必要だが、次の日からは動けるようになる。1週間も自宅療養すれば翌週には職場への復帰もほぼ問題ない。

以下に胆石症になったときに出会った英単語を並べておこう。でも病気にかからないのがいちばんだけどね。

gallstone 胆石
gallbladder 胆嚢
laparoscopic 腹空鏡 
surgeon 手術医
surgery 手術
consent form 同意書
anaesthesia 麻酔
anaesthetic drug 麻酔薬
Laparotomy (open surgery) 開腹手術
carbon dioxicide gas 二酸化炭素ガス

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病気になったら計算機が必要

オーストラリアの医療システムは医療報酬支払いという点では非常に複雑だ。
日本の場合は入院してから退院まで、ざっと見積もりしてくれて、びっくりするほどの違いは起こらない。
ここに日本人がはまる落とし穴がある(つーかはまったのは私だけかも)。

まず、ここではそれぞれの機関がそれぞれに請求書を発行してくる。
したがって最後の最後まで、総経費の見積もりは不可能。

私の場合を例に挙げると以下のようになる。

項目 費用 備考
初めの緊急入院費 $245.00 OSHCで最低1/3は戻る
レントゲン $183.00 OSHCで最低1/3は戻る
超音波診断 $263.00 OSHCで最低1/3は戻る
スペシャリスト コンサルタント費 $60.00 これは戻ってこない
麻酔費 $800.00 これは$160程度しか戻ってこない
手術中の透過診断(fluoroscopy) $156.00 OSHCで最低1/3は戻る
手術費 $1998.00 OSHCの計算後に$920.19だけ支払うことになった
手術に使った検査(Pathology) $80.00 OSHCで最低1/3は戻る
合計 $3785.00 先に全額払い、領収書をMedibank Privateに提出

これにGP(一般主治医)のもとで行った尿検査や血液検査、診療費などを入れると約4000ドルといったところか。

ここで気をつけたいのは、言われたとおりに支払おうとすると合計金額の全部を事前に用意しなければならないことだ。
各機関で金額を提示される際に、必ず「Medicare Schedule Feeとの差額分がいくらかを知りたい」と言って計算してもらおう。
あとでMedibank Privateに領収書を持っていったときにいくら返金されるか知ることが出来る。
上の表の手術費のように、場所によっては先に清算してくれて、差額を払うということも出来るので、これなら事前に用意する金額を減らせる。

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具合が悪くてもやらなきゃならないこと

手術前日。日本なら入院してるか、自宅安静状態であるのが普通だろうが、日帰り手術(あるいは1泊)だといろいろ事前にやることがある。
手術費と麻酔費の支払いである。
同意書にサインして、スペシャリストの所で手術費を払って、さあ後は手術を待つだけ、と思ったら大間違い。
麻酔医の所に行って、麻酔費を先払いしておかないと手術は受けられないのだ。
これは別払いなのでそれぞれに済ませておく必要がある。
クレジットカードがあれば便利なことこの上ないが、この場合全額先払いを要求されて上記のコラムで述べた差額分返金清算の方法が使えないという欠点がある。
しかもMedibank PrivateでのOSHC清算システムがややこしくなる。

とにかく金を払ってから手術、というわけだが、じゃあ手術がもし、「もし」失敗したらどーなるんだ。
日本だと後払いだよねー。成功報酬型っていうの?しかも見積もりもくれるしー。

要は病気にならないこと、病気かと思ったら早めにGPに行って診断をあおぐこと。
(私の場合はGPでも原因がわからず、いきなり夜の緊急入院になったのでその費用がかかっている。これは時間外診療なども含まれるため、日ごろから用心しておけば避けられた出費)

みなさん、体は大事にね。特に旅行者のみなさん、海外旅行保険は馬鹿に出来ない。
死亡補償より通院や入院補償に対応しているオプションを選びましょう。

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