その3(手術日編)」
* 手術の前の儀式
* ああ、孤独…DK君ありがとう
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手術前の儀式
7月1日。手術当日。Gold Coast Pacific Clinicへ午後1時に入る。ここは主に日帰り/1泊の手術を行っているところ。GC
Pablic Hospitalの真向かい。
2階−4階がClinicだが、その上の階はスペシャリストのオフィスの集まりだ。もちろん私の「胆嚢スペシャリスト」もここの6階にオフィスを持つ。
さて、手術への心構え、つーかチェックリスト。
1.一切のアクセサリー類は外せ
着替え室にいるうちに外そう。私は指輪を外し忘れたため、ばんそーこーをぐるんぐるんと指輪の上に巻かれた。きわめて不快。
手術の待合室ではピアス外し忘れて耳たぶにばんそーこー貼られたおばさんがいた。
2.靴下は履いておこう
スリッパを用意した人、ごくろうさま。ここではいらないよ。代わりに着替え室でシャワーキャップのようなビニールを渡される。それがスリッパ。
はだしでこれを履くと非常に不快感が増す。靴下でそれを阻止できる。
3.パンツはゴージャスでなくてよい
洗ってあるのであればそれでよし。腹部の手術ではパンツ履いたままでOK。
だが、手術野の消毒にヨード液を使うため、パンツをそれで汚される恐れあり(つーか、汚された)。ヨードは洗濯しても落ちない。
4.髪の毛はたばねておこう
頭にシャワーキャップをかぶるのだが、中途半端に長い髪の人はそのキャップの上からテープを巻かれていた。
ヘアネットを持参するとか、布のヘアバンドをするとか、ゴムで束ねるとかした方がいいみたいだ(金具のピンはだめ)。
あのテープを外すとき、髪の毛がむしり取られて痛いはず。
5.なぜか手術室は寒い
どうせ麻酔かけられてわからならくなるけどけど、意識のある限り寒いのはつらい。毛布がもらえるから寒がりの人は遠慮なくもらっておこう。
手術衣はぺらぺらの薄手の木綿のガウンだけ。おーじーは平気みたいだった。やつらは我々より体温高いからな。ちぇ。
最後の書類にサインをして、手術の説明を聞いて、Operation Theatre(手術室)に入る。
ひどい状態でない人は自分で手術台にのっかるんだ。これはなぜかびびった。涙いっぱい出てきた。
海外で、一人で、手術。まわりはガイジンばっかり(つーか、おまえがガイジンだろ)。さみしーナミダ。
看護婦さんがティッシュくれて、麻酔が効くまで手を握っていてくれた。ありがとう。
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ああ孤独…DK君ありがとう
目が覚めた。いったい何時なんだ?手術は予定通り3時に始まったはずだ。外は真っ暗。午後5時半には日が沈むから6時くらい?
口が渇ききって開かない。つばを溜めて、口の周りをなめて開けられるようにする。
頭が冴えてくると、同時にお腹の痛みも感じるようになる。そっか、手術したんだ。
一人ぽっち。友達は明日まで来ない。お腹痛い。呼び出しベルが遠くて手が届かない。
体を伸ばして撮ろうとするけど、お腹痛すぎてあんまり動けない。だれかきてー。気が遠くなる。
すぐにまた目が覚める。あ、人影。看護婦さん?いや、背が高いから看護士さん?
見覚えのあるシルエット。あー、DK君(私の大事なお友達の一人、実は日本人)だーーー!!!
「かおるさーん、どう?大丈夫?」
「うーん、がんばったよー、おわったよー」
「よかったねー、これで楽になるよ、ずっと元気になれるよー」
「うーん、早く元気になって甘いものまた一緒に食べたーい」
「そうだよ、しっかり休んでまた一緒にあそぼーねー」
確かこんな会話だったような。
DK君は友達の紹介で出会ってからというもの、非常に仲良くさせてもらっている。つーか、すっごい年下なのに世話になってばっかりだ。
いつも元気をくれる。私が彼と同じ世代だったら絶対に彼氏にしてやると固い決意が起こるだろうくらいに、彼はナイスガイ。
甘いものに目がなくて、どこかのヒミツの場所から「このやろー、いったいどこでこのブツを見つけたんだ」ってなほど美味しいお菓子を届けてくれる。
勉強も趣味も遊びもエンジョイしているみたいで、とってもうらやましい。適度に年上を尊敬し、適度にちゃかしてくれる。
まさか病院まで駆けつけてきてくれるとは思わなかった。一応いつどこで手術するってのは言ってはあったけど。
目が覚めて、誰かそばにいてくれるって気持ちいいもんだね。強がり言っても一人はさみしい。
DK君、ありがとう。いつか君のためになにか役に立てるときがあるといいんだけど。そのときは微力でもがんばるよ。
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