ヨーロッパ遠征日記2000



8月2日 ヨーロッパ第7戦(パーボヌルミゲームズ)
 朝8時に起きて朝練をするつもりだったが、体調がよくなかった ので歩くだけにした。部屋に戻ったあと森がまだ寝ていたので、自分もまた寝た。気が付くと もう昼だった。

 森&高橋の荷物は今日も届かず。もう届かないかもしれないという雰囲気になってきた。コーチが 直接空港へ行って関係者と話し合ってくるらしい。このままでは試合はアンツーカ用で走る しかない。

 レースは夜の8時半から。競技場へはタクシーで移動。競技場の入り口では、チケットを買う 人の列が出来ていて、それを仕切っているのはなんとフィンランド陸軍。何と市民に身近な存在 なのか!!というよりも何と地道な活動をしているのか!!自衛隊以上に地道だ!!と驚いた。

 競技場に着くと、競技場になんと森&高橋の荷物が届いていた。コーチが午前中に空港へ行った 甲斐があった。補償金を出してくれとか、試合が8時にはあるからなんとかしてくれ、とかなり 関係者に迫ったらしい。気合い勝ち。バッゲージは戻ってくるには戻ってきたが、買ったばかりの バッゲージは車輪が完全に壊れている。ひどいものだ。どうやったらこうなるのか?しかし、 中身は大丈夫。これで森は自分のスパイクで走れる。

 自分の走ったのは800mA決勝。ベストタイムが1分45秒〜1分50秒の組。ケニア人も けっこういた。今回は前について行くことよりもリラックスを心がけ、無理をせずに自然な走り というのが目標。先頭は1周目が51秒台通過。自分は森と共に53秒通過。いつもより楽に 走れている。残り300mになり、前の選手を抜いて行こうと思ったが、いつもここで無理をして 最後に撃沈するので、我慢してついて行くだけにした。

 600m通過が1分21秒切りくらい。森も自分の目の前を走っている。調子はよくなさそう。 最後の直線で抜けるかなぁと期待しながら走ったが、追いつけず。残りの30mまでは手足は動き 走れていたが、そこから突然動かなくなり、ゴール手前で1人抜かれてゴール。結局最下位。 タイムもよくなかった。しかし今までのレースと比べると疲れが少なく、撃沈した距離も少ない。 次につながるレースは出来たと自己分析。コーチからも今までのレースと比べれば、よかったと 言われ、次のレースでは何とかなりそうな気がしてきた。

 走り終わったあと、レース前からやけにフレンドリーだったケニア人に話しかけられ、住所と メールアドレスを交換した。そして日本のレースに呼んでくれと言ってきた。そういうことだった のね。偏見を持ってはいけないけど、アフリカの選手は話しかけてくると、だいたい何か裏が あるような気がする。こちらの答えは難しいかもしれないけど、スタッフには言っておくと言って おいた。自分の力ではどうにもならないし、こういうのはもっと偉い人たちの決めることだろう。 一応スタッフには言っておいたが、ダメみたい。

 この試合のメインは800mと5000mとやり投げ。800mは最近いつも2位ばかりだった ウィルソンが快走。1分46秒84で優勝。フィンランドは投擲の人気が高く、選手が一投一投 投げるごとにすごい歓声で盛り上がった。砲丸投げは20mを越え(日本記録が18m台)、 やり投げも90m近く(日本では80mはなかなかいかない)飛んでいた。

 5000mは日本人が4人出場。ペースメーカーが設定タイム通りに走り、3000m通過の 時にかなりの好記録の出る予感。その通り池谷、松長は自己ベスト更新。それに続く大川さんも 自己ベストに迫る走りだった。そして日本人で1,2,3を独占。長距離メンバーはご機嫌 だった。

 レースが終わりホテルへ戻ると夜11時半。ホテルのレストランは終わっているし、ホテルの 周りもお店はない。やっているのはホテルに隣接するファーストフード店だけ。この店はこんなに 遅い時間なのに列が出来て、お客が待っている。きっとここしか食料を売っているところが ないのだろう。わざわざ車で乗り付けてくる人が多い。仕方ないのでそこのハンバーガーセットと 大川さんからもらったチキンラーメンを夕食にした。貧しい・・・

800mA
9.森 祥紀(体育学校)     1'50"59
11.和泉憲昌(体育学校)    1'51"03


800mB
1.高橋圭太(大塚製薬)    1'51"34
3.柴田清成(富山陸走会)   1'52"09
5000m
1.池谷寛之(本田技研)      13'34"19
2.松長信也(中電工)       13'36"11
3.大川久之(山陽特殊製鋼)   13'36"84
7.中野 剛(佐川急便)      13'48"78

女子5000m
1.大南博美(東海銀行)      9'09"72
2.楠 真美(デオデオ)       9'22"19
4.橋本康子(日本生命)      9'33"94
5000m(9KB)

好記録の出た男子5000m
競技場(9KB)

ヌルミ陸上競技場
レース後(8KB)

ご機嫌の長距離メンバー

本日の食事&その他の写真 遠征日記もくじへ