韓国合宿日記

12月4日 李慎一(イ・ジンイル)氏のお話
 朝練の時間にホテルのロビーへ降りてみると、日本人だけで韓国人選手が一人もいなかった。 なんでだろう?と思っていたら、集合がかかり、今日の朝練は各自でフリーということを 伝えられた。自分はいつも通り50分ジョッグ。今朝の朝練が一番気持ちよく走れた。

 今日の主練習は400mのヒルトレーニングだったが、朝練終了後、雨が降ってきたため、 危ないということで、主練習は変更になり、オリンピックスタジアムの雨がしのげる場所で 70分ジョッグをすることになった。韓国では雨が降ると練習はあまりやらないらしい。しかし 、雪の時には計画通りやるらしい。

 はじめは韓国の選手について走り、1周したら各自でフリージョッグと言われた。しかし、 競技場は1周できず、折り返して走らなければならず、気持ちよくペースを上げていったら、 韓国の選手がペースを下げてくれという注文をつけてきた。どうやら韓国選手は集団走に なっているらしい。日本と韓国のコーチの意志疎通ができていなかった。

 先頭でペースを上げると文句が出るので、韓国の選手を先頭にして走ったが、時間が経つに つれ、どんどんペースが上がり、50分を過ぎる頃には、だんだん競争になり、韓国選手は ダッシュし始めた。自分はついて行けなくなり、先頭から落ちてくる選手を少しずつ抜いていった。 そのうち先頭は、ペースを落とし、ついていけなくなった韓国選手は歩いてしまう始末。 いったい何の練習をしているのか?そのうち自分がまた先頭になり、折り返すたびに韓国選手が ついては離れ、ついては離れ・・・途中で歩き出し、折り返して来たときにまた一緒に 走られると、だんだんやる気がなくなってくる。最後の1分はまた競争になり、それまで 歩いていた人が先頭を走っていた。今日は精神的な嫌がらせをされた感じで、精神面の トレーニングになった。

 午後は、日本人選手団が集まって、800m前アジア記録保持者の李コーチの話を聞いた。 李コーチのいつも心に刻んでいる言葉は”I can do it.”何事も自信をもってやることが 重要だと強調していた。最近の800mは中距離ではなく短距離だという言葉が印象的 だった。冬場は週1回20〜50kmくらいの距離走をこなし、持久力を強化しながら、 シーズン中は8割がスプリントのトレーニングだったらしい。また4ヶ月で自分の フォームを作り替え、1分44秒14を出すことができたと話していた。

 日本人は柔軟性が低く、あまり500mという距離を重視していないと指摘された。 李コーチの考えでは500m、700mという距離がとても重要で、タイムトライアルでは、 スタートから全力で走り、400m手前で限界にもっていき、さらに限界をのばすように 努力することが必要だと言っていた。

 大学時代と比べると持久力は上がったが、400mなどのスプリント能力が低下した。 800mはスプリントだと言われたことからも、自分は、もっと400mの能力を上げないと 記録の向上はないと思った。

 午後の練習はなく、夕食前に歩いてロッテワールドへ行った。ロッテワールドは遊園地と 百貨店とスーパーなどがあり、あまりにも広大な敷地で迷子になりそうだった。ロッテワールドに は免税店があり、「いま一番売れてます!!」という張り紙があったり、日本人には 日本にいるのではないかと錯覚してしまうくらい店員の日本語がうまくて驚いた。百貨店の 電化製品コーナーでは、韓国人がキムチ専用の冷蔵を一生懸命見ていたのが印象的だった。

70分ジョッグ(9.2KB)

70分ジョッグ
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李慎一 氏

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