フリマの行方その2(2000.5.6)


 かくして、「もう一眠り」の危機からは、なんとか脱出した私ではあった。しかしながら新たなる危険が身近に迫ってきていることなどは知る由もなく、モガモガと、お気に入りの歯磨き粉「ザクト」で歯を磨くのであった。ガシュガシュ「ヴエエっ」毎朝、繰り返される、歯ブラシと胃袋の奥からこみ上げてくるムカムカとのせめぎ合いに苦闘しつつも、朝の身支度を終えた私であった。

 快晴だ。これ以上ないと言ってもいいくらいの快晴である。早朝特有の静かな湿った匂いと、遠くから聞こえる車の音、小鳥のさえずり・・・いや、嘘だスマン。小鳥のさえずりは無かった。カラスです。「グゲエ」です。調子に乗りすぎました。

 とにかくゴールデンウィークと、この快晴で、フリマ会場に足を運ぶカモ、いや、お客様達の人数はかなりのものになるだろう。頭の中で、「Tシャツ一着200円で・・」「ムヒっ」「これが終わったら大金持ちぢゃん」とかクルクルと考えながらはたと気がついた。「お釣り用の小銭が無いじゃん」そうであった。フリマに来るお客様が、そうそう小銭をこまめに用意するわけはなく、100円の品物を買うのに5000円札などを突きつけることなど、良くある風景ではないか。落ち着け、現代の世の中、金を使えば大抵のトラブルは解決できるものだ。いや、しかし、金は無いのであった。所持金2000円、最低でもこれを全部、小銭に換える必要がある。

 そうだ、コンビニだ。120円のジュースを1000円札で買えばお釣りが880円くるではないか。頭いいな、オレ。これでコンビニ2軒まわれば合計1760円のお釣りが用意できる。よしこの作戦で行こう。名付けて「コンビニお釣り大作戦」・・・相変わらず、そのまんまである。チキショウ。こうして私はフリマ会場に赴く前にコンビニ2軒に立ち寄るハメとなったのである。


フリマの行方その3へ続く


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