開かずの間の怪

    テキスト角川文庫 『ミステリーアンソロジー 密室』
    季節とアリスの学年
秋(ある晴れた土曜日)/一回生



時代錯誤的長髪を掻き上げながら、江神さんは行く手の古びた洋館を指差す。(43p)

  ・
作者の実年齢などを考慮すると80年代の大学生活と思われるので、長髪は少なかったんでしょうね。
  ・シカシ、今やロン毛の男性は珍しくもなんともない世の中になりましたが。


先輩に逆らうのを遠慮したわけではないが、「そうですね」と応えておいた。(44p)

  ・
ということは内心逆らうつもりがあったの?
  ・つまり、幽霊なんか出る訳ないと思っていたということ?
  ・その割には、この後の行動が…


「具体的にどういう幽霊なんですか?」
望月がとぼけた訊き方をした。『具体的』と『幽霊』という言葉のミスマッチぶりがおかしい(48p)

  ・
具体的な幽霊というのがいたら、お目にかかってみたい。
  ・多分、モチ本人は大真面目で訊いているんでしょうけど(笑)


われわれが小学生と同じ行動をとっていることが明らかになったわけだ。持ち主の親類の了解を得ているところだけは違うが。(51p)

  ・
この前後を読んでいて、私、本当に吹き出しました。


「あるいは人の悪口とか?」
「馬鹿者。心貧しい奴」(52p)

  ・
信長に覇気が無いので、アリス対モチのバトルとなってます。
  ・アリスって、醒めている上に性格悪いですよねー


「あいつが帰ってくるまで、面白いことが起きないように祈ってやるのが友情というものやぞ」(55p)


望月が難癖をつけた。語り口が下手だと言いたいのだろう。そう言われるとこちらも意地になりたくなる。(56p)

  ・
ここでも、張り合うモチとアリス(笑)


僕はぎょっとして思わず一歩退いてしまった。望月は二歩後退している。(57p)

  ・
またもや、モチと張り合うアリス。
  ・あ〜の〜ね〜、一歩も二歩も大差無いっての。この場合、もう"後退した"というだけで同罪。


「ポ、ポ、ポルターガイスト現象という奴ですか、これは?」
望月が気弱な薄笑いを浮かべながら言う。
「ポは一回だけや」部長は真顔で言ってから、声を低くした。(60p)

  ・
江神さん、サイコーですっ!!!!!


「俺は江神さんと違ってナイーヴやからな」(62p)

  ・
モチの口から"ナイーヴ"という単語を聞くとは…案の定、後輩の同意は得られていない(大爆笑)


「ジャイアント馬場の変装とか」
ああ、江神さんは見ていないからそんなおちゃらけが言えるのだ。(63p)

  ・
この、ハズし具合が江神さんなんですよね〜
  ・きっと半泣き状態だったんでしょう、アリスは(大笑)


ううっ、と僕は唸った。こっちは顫え上がったというのに、なんて鮮やかな解答だ。(64p上段)

  ・
っていうか、単にアリスが怖がりなだけ(笑)


「スッポンがなくなってる」(70p)


江神さんが階下のトイレから取ってきたラバー・カップを聖火のように掲げて客間に入ってくると、望月は当然ながら「どうしたんですか?」と面食らった様子で尋ねた。(71p)

  ・
モチじゃなくても、面食らうと思う。
  ・二枚目なんだからそんなことしないでください江神さん、と心の中で呟く私…