お寺に縁のあるアイテムをモチーフにしました、というのは、古都の景観を破壊しているではないか、という反対派へ妥協を促すための方便だったのだろう。(9p)
・えっ、燭台の蝋燭だったんですか、アレ。イカゲルゲだと思ってた…
・今では京都駅という巨大"ばかけんちく"も出来たので、景観破壊の罪はそっちに移行したのでは。
右を向いても左を向いてもどの先輩も緊張感を欠いていて、誘拐事件だ、身代金受渡しだ、と興奮しているのは僕一人だけらしい。(10p)
・どちらかというと、一人醒めていることの多いアリスにしては、珍しい。
・とはいえ、先輩達が呆けていたのはこの時だけ。
「初めて上ったのにな」
上ったことがなかったのも道理、彼だけは京都人だった。(13p)
・およそ全ての名所に対して当て嵌まる話でしょう。いつでも行ける、と思うと、行かないもんです。
ひょろりとした望月と短躯の織田の肩を不恰好に抱きながら、教授は二人を交互にじろりと見て「嫌か?」と訊いた。(16p)
・身長差が顕著な二人に肩借りたら、自分の身体がオカしくなりそう。酔っ払ってなきゃ、できませんね。
「先生は愚かな学生と教授会の相手でストレスが溜まってるんやないですか?」
望月と織田の言葉に、教授はまた、ふんと鼻を鳴らした。(22p)
・後日展開を考えると確かに愚かな学生の相手で大変なように思うけど、どっちもどっちかも。
・この教授にしてこの教え子あり。
・我が身を省みろよ、青少年ズ(笑)
「僕らが犯人でなかったら、ですね」
そう言った望月の肩に織田が肘打ちを入れる。
「ややこしなるから、しょうもないことを言うな」(28p)
・今回、何かと一言多いモチ。
「部長さんのご意見は?」
(中略)
「知恵を貸して欲しい。報酬は――」
「何です?」
「君の後輩に『可』以上の評価を与える」
「おぅ」と当事者二人が歓声をあげた。(31p)
・よく考えると部長には何のメリットも無いのに引き受けたのは探求心からか、後輩二人が哀れだったからか。
・多分、後者だと思うんですけど。
「これも事件解決の一つの形なんですから、例のお約束のことは忘れて、真面目に勉学に励んだらどうですか?」
僕が冷たく言うと、二人は諦めきれない様子で、江神さんに救いを求めるのだった。(33p)
・正論を言っているのだけど、アリスの口から出ると辛辣に聞こえるのは何故でしょう。
・モチも信長も、往生際ワルすぎ。
「コーヒーをごちそうになったし、それなりに期待されてたみたいやし、このままでは先生に申し訳がないわな」(34p)
・結局、江神さんは後輩に甘い。
・自助努力すべきだと思う私ですが、実は自分の学生時代もこの二人と似たようなもんだった…(爆)
「探偵ですから頭を使いました。」(36p)
「名探偵らしくない杜撰な推理やな。犯人の心理の考察を怠っては、九仞の功を一簣に虧くことになるよ。」(38p)
・たまには、こういうこともあるようで。 |