『警察官』という名の愛すべき公務員を演じた素晴らしい人達へのオマージュ



  事前に一言  

実は、私はTVドラマを殆ど見ません。実家にいた当時、我が家にはTV1台しか無かった上にチャンネル決定権を持っていた母がNHK至上主義でした。更に学校(後には仕事)と夜遊びに忙しくて、TV番組そのものを見る時間があまり無かったという過去があります。という訳で、タイトルバックを飾った5人の方々の(特にTVでの)代表作といわれるものは、おそらく殆ど見ていないと思います。
それから、私はかなり偏った『東京サンシャインボーイズ』及び三谷幸喜ファン/『第三舞台』ファン/『夢の遊眠社』ファンであります。従って、その三劇団に過去も含めて所属していた俳優さん達については、レギュラー陣よりも、激しい思い入れがあったりします。
とにかく、好き勝手書いてますので、熱烈なファンの方は読まないことをお奨めします。もしも、読まれた後で「失礼にも、程がある!」と憤られても、当方は何の責任も負いかねますので、ご諒承下さい。



メインキャラクター(タイトルバック+1
(新城さんが入っているのはご愛敬? イエイエ、単に筧さんの大ファンなもので・・・)
湾岸署レギュラーメンバーについてはこちらで語ってます…



高視聴率男の異名をとる、織田裕二さんの作品をナント私は殆ど見ていません。
一応、見たことのある作品だけ挙げていくと『湘南爆走族』『あいつがトラブル』『予備校ブギ』『振り返れば奴がいる』『正義は勝つ』―――しかも、全編見たのは『予備校ブギ』だけです。これには訳がありまして、オープニングが今は無きフリッパーズ・ギター(小沢健二と小山田圭吾のユニット)の『恋とマシンガン』だったんですが、アルバイトでこの曲のスコアを依頼されてたので、仕方なく毎回見ていたという・・・『あいつがトラブル』の方はエンディングの『Moving Traget』(久保田利伸)のスコアをやってましたから、こちらもそういう理由で見てただけ。でもエンディングだから、いつもTVつけるのは後半でドラマの中身は殆ど見ていない状態でした(←ヒドイね)
『振り返れば奴がいる』は全部見たかったんですけれど・・・三谷さんの脚本でしたし。でも、途中で司馬先生が怖くなって挫折しました。『正義は勝つ』も、間を随分スッとばしました。ただ、舞台が横浜だったので、『あいつがトラブル』とバックが似てるなーと思っていたくらい(このドラマもロケ地が横浜だった)
代表作といわれる『東京ラブストーリー』も『お金がない!』も全く見ていない私に、織田裕二さんについて語る資格はありません・・・トホホ。


上の織田裕二さんより、もっとヒドい―――柳葉敏郎さんの場合。
あああ、道で踊っていた(一世風靡セピアのこと)のと、『テキ屋の信ちゃん』シリーズ(トーゼン、全部は見ていない)と、『沙粧妙子 最後の事件』しか、無いんです〜〜〜
しかも、一世風靡セピアのメンバーだったと知ったのは大分後のこと。彼らが全国ツアーしていた頃、知人の一人がサポートメンバー(キーボード担当でした)として一緒について周っていたんですね。そういう理由で知っていただけなので(←これは、本当にヒドイぞ) あ、LP2枚、持ってますが。
柳葉さんというと、その容姿からか任侠モノが多かったようですね。私はアノ世界はあまり好きではないので滅多に見なかったんですが、信ちゃんは好きでした。でもその後が『沙粧妙子 最後の事件』だものねぇ・・・やっぱり、あんまりですね。
個人的には「濃い演技をする人だな」というイメージがありました。やくざの役なんかは仕方ないのだとは思いますが。そういえば『沙粧妙子 最後の事件』はヒロインの浅野温子さんが濃かったので、気にならなかった・・・そういう意味では、室井管理官の演技は抑えて抑えて・・・という感じで新鮮でした。あっ、でもあの力の入れ方がやっぱり濃いのかな。ま、室井さん、格好良かったから、いいか(柳葉さんファンの方、どうか許してください)


演技力では定評のある女優さんですね。『1999年の夏休み』でデビュー以来、この人への評価は割と一定してるのではないでしょうか。『事前に一言』でも書いている通り、私はたまにしかTVを見ません。主役二人の場合と同じで、深津さんの出演作もそんなに意識した訳ではないんですが、タイミングが良いのか相性が良いのか(?)上二人に比べると格段の差で、見るチャンスに恵まれたようです。
『予備校ブギ』『愛という名のもとに』『若者のすべて』『悪魔のKISS』『最高の片想い』『薔薇の殺意〜虚無への供物』、ただし全部通して見たものは『予備校ブギ』(理由は織田さんの項目参照)と『悪魔のKISS』だけですが。映画は『ハル』、見ました。
『悪魔のKISS』は常盤貴子さんの出世作として有名ですが、私はこの時の深津さんに結構グッときた記憶があります。三人いたヒロインの中で一番地味な役だったにも拘わらず、とにかく綺麗だったんですよ。身体にも心にもかなりの傷を負って結構ズタズタで、新興宗教に引き摺られていくんだけど、凄くピュアな感じでした。三人共最後には立ち直ってそれぞれの道を歩きはじめるんですが、彼女の役に明るい未来の兆しが見えた時は、思わず嬉しくなりました。それだけ、感情移入させられたということですね。
『ハル』は、二人が心を通わせていく過程が丁寧に描かれていて、とても好きです。ヒーローもヒロインもさりげない感じが、パソコン通信という『らしさ』に丁度嵌まった感じですね。
深津さんは、透明感のある役を演らせたらピカ一だと思います。凛とした美しさを持っていらっしゃるので。それから、けなげな役。歯を食いしばって堪え忍ぶというよりも、表には出さないけれど実は結構我慢している、みたいな感じの。要するに、切ない役が似合うんですよ。何気ない表情や目での演技が光るんですよね。
いわゆる派手な『華やかさ』が無い分、タイトルロールを張れる作品は限られるでしょうけれど、助演だったら、まずハズレが無い人。そういう意味でも、彼女が出てくると、画面が引き締まりますね。でも、もっと主演して貰いたい!
今後も注目していきたい女優さんです。


すみません。私、水野美紀さんはこのドラマで見たのが初めてなんです。後日、製作発表の記事を読んだときも「水野真紀の間違いじゃないの?」などと、失礼な勘違い、してたくらいで・・・
深津さんがどちらかというと地味なタイプですし、水野さんの役柄上のこともあって、女性レギュラーはあっさりした感じになりましたが、それが警察という男社会を表しているようで面白かったです。
演技に関しては、雪乃さんのキャラクターをよく捉えてらっしゃいましたね。第1話の病室で涙を零すシーンは、とても心に迫りました。誰が演っても同じような演出をしたんでしょうけど、やはり「柏木雪乃の役は水野さんでなくては!」と思わせたあたりは、将来を期待していいのではないでしょうか。


私にとっては、いかりやさんと言えば、ドリフの長さん! 『8時だよ! 全員集合』は、まだ言葉が覚束ない頃から、噛り付いて見ていたようです(母の証言有り) 年齢が上がるにつれて、興味は薄れていったようですが、第6話「だめだ、コリャ」や歳末SP「ウォッス!」には、無条件で身体が反応したあたり、三つ子の魂何とやらで、案外骨の髄までドリフっ子なのかも(笑) そんな訳で、秋SPの高木ブーさんのチョイ(友情?)役出演は目茶目茶嬉しかった!! 何しろ、初夏SP番外編を見て、いかりやさんと小林すすむさん(中西係長)が渡辺えり子さん(桑野冴子お局)に怒られた後に往年のドリフギャグをやってるのを見てしまい、ビデオを買おうかどうか真剣に悩んでいるくらいですから・・・(←おいおい・笑)
もう、長さんなら何をやってもいいです!!という部分があったので、かなり盲目的な見方しかできないんですが、一見ヤル気の無い定年間際の老刑事の、それでも絶対に心の底では曲げないモノをもっているというような感じが堪らなく良かったです。青島刑事や室井管理官みたいに若い人だけがそういうものを持っているのではなく、和久さんも確かに持っているんですよね。ただ、伊達に歳を重ねてきた訳ではないから、それをホイホイ表に出すのではなく、グッと肚の底で炎を燃やす。「正義なんて言葉、死ぬまで口に出すな。心に秘めておけ」(第2話)の科白からも解るとおり、私は、和久さんって、とっても熱い刑事だと思いますが。元々『セブン』のモーガン・フリーマンを意識して作られたキャラクターなので、そのへんの性格は型通りなのでしょうが、長さんが演ると渋さに枯れ具合が程よくプラスされてて、公務員特有のショボクレた味がなんとも絶妙でした。
それに、全編通して随所にちりばめられているコメディ精神が、なんとなく昔のドリフを彷彿とさせてくれて、長さん自身も楽しんでいたのではないでしょうかね(でも、今、思い返すと、ドリフのギャグって結構キツかった気もする・・・)
コメディも演れる熟年というのは、スリーアミーゴス役のお三方を含めて非常に貴重だと思いますので、是非是非これからも活躍していただきたい!と切に願っております。


言わずと知れた、鴻上尚史氏率いる『第三舞台』の看板役者。でも、元々は『劇団☆新感線』の方だったんですね。実は、そこまでは知りませんでした。
ここ数年はTVにもよく出ていらっしゃるようですが、この『踊る大捜査線』のスペシャル〜映画で、一挙にスターダムにのし上った!!!という感じです。個人的には『宇宙で眠るための方法について』のケダモノ王役のイメージが強いので、歳末SPでの新城管理官の性格にはそんなに違和感ありませんでした(筧さん、すみません)
とある大企業で実際にああいう東大出の人間を沢山見てきた私は、別に新城管理官が敵役だとは思っていません。統括する側の人間として、彼の判断は概ね正しいと思いますし、組織が巨大になればなるほど、全ての苦情を掬い上げることは困難になります。それ故に切り捨てなければいけない部分が存在する訳で、下の人間と懇意になると迷いが生じるのもまた、事実です。
初期の室井管理官もそうでしたが、新城管理官にはより強い"国家公務員採用キャリア"としてのエリート意識が感じられました。『踊る〜』に出ていた俳優さん達はみなさんお上手でしたが、歳末SPで初登場した瞬間から(うっわ〜、ヤな奴だなぁ)と思わせたあたりは、やはり筧さんの役作りと演技力の賜物でしょう。
ところで私の場合、筧さんについては、ホームグラウンドの『第三舞台』で見るより客演で見ることの方が多いという、よく分からない巡り合わせなのですが、小柄なのにとにかく存在感があります。初めて見た(筧さんの)舞台が『シャーロック・ホームズ探偵物語 血の十字架』という、劇場プロデュースものだったんですが、主演の日下武史さんより強烈なインパクトを受けてしまいました。まだ、その時のパンフを持ってますが、前髪下ろしてて、今よりちょっとふっくらめでとっても可愛らしい感じです(取っておいて、よかった・・・)
第三舞台の中でも大高洋夫さんや小須田康人さんはあっさり系なのに、筧さんはちょっと違う・・・というか、私はなぜかこの人に『つかこうへい事務所』的なハイテンションを感じてしまいます。だから、以前『劇団☆新感線』にいたというのには、なんとなく納得させられました。
そう考えて、歳末SPの古田さんの出演ににんまりしてしまったのは、私だけじゃないよね? あ、でも信金強盗と新城管理官のシーンじゃ、全く重ならないから、一緒に撮影した訳じゃないんですよね。残念。