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湾岸署レギュラーメンバー
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佐戸井けん太(魚住二郎)★元・夢の遊眠社
夢の遊眠社時代からお気に入りの俳優さんなので、第1話で登場し、レギュラーだと判った時にはとっても嬉しかったんです!
佐戸井さんって、御本人がとってもカッコイイじゃないですか。オールバックの髪型は万年係長の魚住さんらしくていいのですが、私はセットしていないラフな髪型の佐戸井さんの方が好きです。ただ魚住二郎という人物としてみた場合、チョット・・・と思ってしまう部分が私にはあったので、少々辛かった。
それが何かというと、第1話に登場した"健康診断"ネタに始まった、魚住さん的キーワード。係長として規則に拘る杓子定規な中間管理職という感じを表わすのにピッタリで笑えてたんですが、それがずーっと後を引いちゃったって感じで。う〜ん、なんて言ったらいいんでしょう、記号的過ぎちゃった・・・というところでしょうか。レギュラー陣を演った人達は、皆さん自分の中である程度記号的なモチーフを使って役作りされているだろうと思うのですが、魚住さんはそれが前面に出過ぎた感じがして・・・あくまでも、私見ですが。
好きな役者さんが好みの役柄を演じていただけに、今、ビデオで見直しても、そのへんが鼻についてしまう私ですが、魚住さんというトホホなキャラクターは佐戸井さんあってのものであり、他の人だったら全然違ったものになっただろうと思っているので、満足はしているんです。ただ『踊る〜』は、ありとあらゆる部分で完成度が高かっただけに、ほんのちょっぴり残念に思ってしまいます・・・
あと、御本人が公言したので、今や『踊る〜』フリークの間では知らない人はゼッタイにいない、後々には魚住というキャラのプライヴェートまで変えてしまった"フィンランド語"(第7話)のセリフ、あれは、本放送見た時からなんとなくアドリブっぽいな・・・と思っていたので、後で判ったときには(やっぱりー!)と笑えました。
"ドイツ語"とか"スペイン語"だったら脚本通りかなと騙された(?)んだろうけど、"フィンランド語"・・・ここでニヤニヤした舞台オタクは、私だけじゃない筈・・・
ユースケ・サンタマリア(真下正義)
う〜ん、大ブレイクしましたね、この方。
水野さんと同じで、このドラマで見たのが、初めてでした。亀山千広プロデューサーには「真下の役は偶然だった」的なことを言われていましたが、やはり、この人を抜擢(?)した功績は大きいと思います。キャリアのくせに頼りなくて、チャッカリしているんだけど何処か憎めない真下警部は、正にハマリ役でした!
小野武彦(袴田健吾 刑事課長)★俳優座
今は『活動屋』に所属のようですが、実力はあちこちのTVドラマ・映画・舞台で実証済ですね。ただ、この方の本領発揮はやはりコメディ。『王様のレストラン』のメートル・トテルの役が最高に好きでした。ですから、この『踊る大捜査線』でスリーアミーゴスの一員として演られたのは、私としては嬉しい限り。君塚良一さんの脚本と合わせて、良質のものを見せてくれました。ゲラゲラと大笑いするのではなく、クスクスッという笑いがこのドラマの特徴だったと思います(でも、今ビデオを見直すと、結構大笑いしている・・・私)。
第3話の留置所での説得や、第5話のストーカー論議、第8話の真下警部によるパソコン講座のシーン等、スリアミとしての笑えるシーンは多々ありますが、なんといっても小野さんの演技が光ったのは、第3話の刑事部屋で号令をかけてすみれさんと圭子ちゃんを拉致して連行させようとする、あのシーンだと思います。真剣なのは袴田課長だけ、命ぜられた刑事課の面々はボーゼン・・・というのが、実に対照的でしたね。それから、第5話ですみれさんが手当てを受けていた病院の廊下で、強行犯係の皆が次々と行動に移ってしまうのにオタオタしながら、辛うじて青島刑事を引き止め「たまにはボクに仕切らしてよ」って・・・情けないんだけど、足蹴に出来ない上司という感じが(笑いの)涙を誘いました。
更に、個人的に好きなのが、第7話冒頭の室井管理官にお弁当を用意しようとした署長との掛け合いて「やっこだこなら・・・」という部分。「何処がツボなの?」と思われるかもしれませんが、あの、署長に対しては絶対服従(必ずしも、してないですが)を思わせるロボットのような身体の動きと、「達磨は定休日」と口にした後やっこだこの存在を思い出した表情が「誉めてください」と言っているみたいなところ・・・自分でも、ヘンなところに目が行くなあと、つくづく思いましたが。
もっともっと、コメディで笑わせて欲しいです。
斎藤暁(秋山副署長)★自由劇場→東京壱組
高音で不気味に笑う、存在自体も不気味な(失礼!)秋山副署長。ノンポリな神田署長とチャッカリした袴田刑事課長に挟まれて、役作りが大変だったんじゃないでしょうか。
組織で見た場合、トップは対外的な部分をナンバー2は内部処理を・・・というのが一般的な気がするのですが、警察はどうなんでしょう。ただ広報については副署長が担当という部分など、一般企業だったら広報担当の常務みたいなものかなー?などと思いましたが。
小野さんの袴田課長も中間管理職という悲哀(?)を背負っていますが、斎藤さんの秋山副署長も上はヨイショしなきゃならないし、下には一見強い態度を取るんだけど、すぐ切り返されてしまう・・・と決して楽なポジションじゃない。本当なら他の課長達とのやり取りもあるのでしょうが、ドラマの都合上、署長と刑事課長の間でキャッチボールよろしく往復している感じが、よく出ていたと思います。神田署長のイエスマンに成り下がりそうになりながらも、するところではちゃんと自己主張しているのも感じられて、お上手でした。
常に署長より一歩下がって忠実な腹心であろうとしていますが、最終話で見せた辞表の取り戻し方の素早かったこと! どこまでも貴方(署長)の後をついていきますと言いながら、その実、保身はちゃんと考えているところが、秋山副署長らしいのかもしれません。
斎藤暁さんについては、多分、今までにも様々なTVドラマの端々で見ていると思うんですが・・・実はお名前を知りませんでした。だから『踊る〜』で初めてちゃんと判って、嬉しかったです。
北村総一朗(神田署長)★劇団昴
前出の斎藤暁さんとは反対で、お名前しか知らなかったのですが・・・第1話の取調べ実習を見ていて発した最初の「ふぅー・・・今、西暦何年だね?」で、ガツンときました! いえね、署長とか局長とか、偉い人の中にはああいう力が抜けた人って結構いるものですから。もう、親近感、湧いちゃいまして・・・
そうですねぇ、神田署長のやるコトなら何でも許しちゃう!というのは、所詮自分の上司じゃないからでしょうか。
本当にこういう人の部下だったら、まあ、怒りますよ。やっぱり「署長って、カーワイイ」だけじゃ、済まない。仕事に支障きたしますしね。しかし大きい会社なんかは、実際にこういう管理職、います。北村さん演じる神田署長は、まだ子供みたいな可愛らしさがあるところが、フィクションとはいえ救いがありそうです。
一般企業でもトップは業務の半分以上が接待や視察ということはありがちですが、いくらなんでも秋SPの神田署長のようなハチャメチャぶりは無いでしょう―――と思ったら、甘い甘い。某社の支店長は会社の自室にミラーボールを取りつけたそうです。そうなると、エアロバイク購入やバーのママから送られた蘭なんて、いい方ですね。いつの世の中にも、現実の方がとんでもないことは多々あるものです。
それにしても、"スリーアミーゴス"、よくぞこういうキャラクターを生み出してくれたものだと思います。元々、コメディを目指していたという話を何かの文章で読みましたが、脚本とキャステイングの勝利!ですね。劇団系の、上手な人達をぴったり嵌め込んで、大成功というところでしょう。
おっとりした口調と一人だけ周りの状況が判っていなかったりする神田署長は、案外育ちのいい人という感じがするのですが、設定上、本当のところはどうなんでしょうか・・・?
甲本雅裕(緒方巡査)★東京サンシャインボーイズ
ちょっと硬派で熱血青年という感じのする、緒方巡査を演じた甲本雅裕さんは、東京サンシャインボーイズ(TSB)の一員であります。笑った顔がなんとも愛嬌があって、個人的にもファンなのですが、制服警官の役がミョーに嵌っていて、登場を毎回とても楽しみにしていました。
御本人の雰囲気もあるのでしょうが、この人はとにかく制服が似合うと思います。それも、実直な公務員系の制服。 警備員とか、救急隊員とか、嵌ると思いますねぇ。警察の中でなら、機動隊員とかも似合いそうです。
緒方巡査は第1話で通報を受けた警官として現場に立ち会っていますが、モッズコートを着た凡そ刑事らしくない青島刑事が自分と同じ湾岸署の人間であるとわかった時に、実に嬉しそうな表情を見せています。青島刑事はその後、よってたかって現場から追い出されてしまいますが、既にこの時の緒方巡査に警察内の二重構造や対立意識を見た気がして、(やっぱり甲本さん、上手いわ・・・)と思ってしまいました。
彼の登場シーンで一番好きなのはやはり最終回。室井管理官と青島刑事のやり取りを聞いてしまい、自分の責任に於いて始末書覚悟で車を手配した緒方巡査の男気がひしひしと感じられました。
冷静に考えれば、最初から始末書を書く羽目になると判っている行為を実行すること自体、決して誉められることではないのですが、ここばかりは「緒方くん、やったねっ!」と思わずガッツポーズをとってしまう箇所ですね。組織の底辺と思われがちな一巡査にもそれなりの意気地があることをさらりと思わせてくれました。
普通の人が演じたら、ただのアブナイ警官になったかもしれないキャラクターですが、やはり侮れませんねえ・・・TSBの人って。
遠山俊也(森下巡査)★元・夢の遊眠社
緒方巡査となかなかいいコンビだった森下巡査を演じた遠山俊也さんも、夢の遊眠社出身ですね。余談ですが、ドラマに登場した様々な警察官の中で一番リアリティーがあるなあと思ったのが、この二人の制服警官でした。
緒方巡査が時として熱い行動を起こすのに比べると、森下巡査はマイペースで仕事をこなしていきそうな感じがします。一見、頼りなさそうなんですが、土壇場で意外な力を発揮するタイプなのではないでしょうか。
本放送では4話のラストで青島刑事の落し物(?)を届けにきた室井管理官に、同郷の自分もいつか一課へ行って管理官の下で働きたい―――と言うシーンが印象的でした。森下巡査のその一言が、いろいろな問題を抱え持つ室井管理官に(ここにも味方がいる)と思わせたことでしょう。それと対象的なのが、9話。コメディテイスト満載だった冒頭での、自殺志願者をスピーカーで宥める箇所は、森下巡査の慌てっぷりがおかしくて、ついつい笑ってしまいます。
しかし、森下巡査の一番の見せ場と言えば、やはり初夏SP番外編ですね。手柄(?)をたてて刑事になりたいばかりに、緒方巡査と二人して勝手な行動に走りながらも、現場ではお互いに牽制し合う様子がコミカルでした。初夏SPは不在だった青島刑事の代わりに篠原夏美巡査がトラブルを起こしまくっていますが、この二人も充分トラブルメーカーだったと思います。
森下巡査は一見どこにでもいる警察官を集約したようなキャラクターですが、それだけに役として難しかったのではないでしょうか。遠山さんもあちこちでお見かけしますが、その時にはサーっと流してしまいがちなのに、見終わった後で(なかなか味のある役だったな)と思わせられることが多いです。舞台は『から騒ぎ』以来、見ていませんが、また、ブラウン管の中とは違った魅力を見たいと思っています。
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