←↑→ 基礎知識(13)成人後に転換を志す人へ

この文書は基本的には小中学生で性のことがまだよく分かっていない人のために書いているものですが、読んでいる方の中には現在、おとなの男性として暮らしていて、女性になりたいと思っている人もあるかも知れません。その人たちのためにも女性化のステップを書いておきます。これは高校生くらいで女の子を目指している人にも役に立つでしょうし。

■■■まずは女物をそろえる
ひとり暮らしをしている人は最初はセシールの通販などで女物の服をいろいろそろえましょう。会社(学校)から帰ってきたらすぐに女物に着替えて、部屋の中ではずっと女物を付けているようにしましょう。どこかの時点で男物の下着は全部捨ててしまうのが良いでしょう。そうすれば、いやでも女物を付けているしかありません。

靴下なども黒いストッキングを履いていれば、靴を脱いだ時にナイロンの黒い靴下を履いているように思ってもらえます。ブラジャーなどの線が見られるのがまずいと思う人はその上にグレイや紺のTシャツを着ておけば平気です。

足のむだ毛は「ソイエ」などの回転式脱毛機で脱毛しましょう。家庭用のレーザー式脱毛機は効果がありません。また「毛が生えてこなくなる乳液」などとして売られているものも効果はありません。甘いうたい文句にだまされないようにしましょう。

ヒゲも毎日頑張って毛抜きで抜きましょう。眉毛もできるだけ細くカットしましょう。どんなにきれいにお化粧していても眉が濃いとすぐに男とバレてしまいます。どうしても仕事柄眉があまり細くできない人は、文句をいわれないギリギリくらいの所までカットした上で、あとは前髪を垂らしたり帽子を深くかぶって誤魔化すしかありません。

お化粧のマスターは女装外出ができるようになるための必須の学習項目です。まず最初は100円ショップの化粧品でもいいので買ってきて、毎日メイクしてみてお化粧している自分の顔に慣れて下さい。特に初心者のうちは「お化粧しないほうがまだ女に見える」という状態になりがちです。これはひたすら練習するしかありません。センスのいい人なら1月も練習していれば、外に出て行っても恥ずかしくない程度のお化粧ができるようになります。

髪も長くしたほうがいいのですが、会社などの都合で長くできない人はウィッグを用意しましょう。ただウィッグの場合は、万一女子トイレなどに入っている時に痴漢と間違われたような場合、言い訳が通らないことがあります。自毛を長くして女の子風の髪型にしている人なら、そういう誤解を受けることがありません。

■■■とにかく外出に慣れる
部屋の中でなんとか女装がちゃんとできるようになったらやはり外出になれることです。どうしてもこの勇気がなくて何年も「クローゼット・クィーン」をしている人もよくあります。

(1)まずは女装で玄関に立って、ドアを少し開けてみる。誰も近くにいないようだったら開けたままで数分過ごす。
(2)女装で玄関の外に立ってみる。その状態でしばらく過ごす。
(3)女装で近くの自販機までジュースを買いに行ったり、郵便物をポストに入れに行ったり、ゴミを捨てに行ったりする。
(4)女装でとにかく道を歩く。お店などには入らず、ひたすら30分ほど道を歩いて帰ってくる。
(5)少し遠い所のコンビニで買物をしてみる。
(6)スーパーや書店などで買い物をしてみる。ここまでは声を出す必要がない。
(7)ファーストフードに挑戦。もちろん中で食べる。ファーストフードはスタッフがいい意味で無責任なので、少しくらい変な人かもと思ってもマニュアル通りに対応してくれるので気楽。最初はトイレが男女共用になっている所を使うのが無難。このあたりから女っぽく聞こえる発声をよく練習すること。
(8)洋服などを買いに行く。しばしば会員証を作りませんかといわれるので、その場合は女性名で作ってしまう。
(9)充分慣れてきて、鏡などに自分の姿を写して「女にしか見えない」と思えるようになったら女子トイレに挑戦。最初は空いている所にさっと入ってさっと出る。慣れてきたら行列に並ぶのにも挑戦。
(10)ホテルや航空券などを女性名で取って女性としての旅行に挑戦。
(11)友人の集まりなどに女装のまま行くようにする
(12)学生の場合はこのあたりでもう学校にも女装で行くようにしたほうがよい。会社勤めの人は日曜出勤などの時に軽い女装(キュロットやフレアパンツなど)を試みる。会社の人が受け入れてくれるようだったら普段の勤務もどんどん女性化させていく。この付近は会社側の反応を見ながらの調整が必要。それと他の人の倍は仕事をするようにして、会社に役立っている人であることをアピールすること。

■■■身体の女性化
身体を女性化させるという場合に、手術やホルモンといったものが頭に浮かぶわけですが、それは最後の手段と考えたほうがよいでしょう。もっと大事なのは体型の女性化です。

まずウェストはできるだけ細くしましょう。ダイエットが必要です。基本的には63cmくらいのスカートが履けるように頑張りましょう。普通の体格の男性の場合は、60cmのスカートはあばら骨がぶつかって履けないと思います。63cmが多分限界。最低でも66cmのスカートは履けるようにしておきたいものです。体重はいわゆる「美容体重」を目指します。これは下記のような値です。

  身長160cm → 51.2kg
  身長165cm → 54.4kg
  身長170cm → 57.8kg
  身長175cm → 61.3kg

ウェストを細くする一方で、お尻や胸はあまり肉が減らないように努力して下さい。胸の場合は腕立てふせなどをよくやって胸の付近の肉を逃さないようにすると同時に、ヌーブラやアップルCなどのようにバストの肉を吸着するものを使ったり、寄せて集めるブラを付けたりします。お尻のほうは、長時間堅い椅子に座らないようにしたり、お尻に肉を集める体操をしたり、ヒップアップ効果のあるガードルを付けたりします。

とにかく女性的な身体を作るのには日々の努力が必要です。頑張りましょう。

またこれらと平行して毎日のお肌のメンテを忘れないようにしましょう。朝起きたら洗顔して化粧水と乳液、帰ったらまた洗顔して化粧水・乳液。寝る前には美容液。週に2度くらいはパック。こういったことの日々の積み重ねが美しい肌を保つ秘訣です。また手にはハンドクリームを塗るのを欠かさないようにし、5〜9月頃の日差しの強い日にはちゃんと出かける前にUVクリームを塗っておきます。

また肌を美しく保つもうひとつの方法として毎日たくさんの水を飲むというのも効果があります。モデルなどをしている人は1日に4リットルくらいのミネラルウォーターを飲んでいます。

こういった様々な努力は、女性の人たちも頑張ってやっています。女性より肌が傷みやすい男性の場合はもっと頑張る必要があります。

■■■ホルモンについて
ホルモンは、どうしても女になりたいという気持ちが募ったらしても構いません。ただ始めたらもう後戻りはできないのだということは忘れないようにしましょう。

薬局などでうっている「女性ホルモン入りクリーム」は全く効果がありません。コンビニで買えるサプリメントの「エステミックス」はかなり強い効果がありますので、人によっては肌がきれいになったり少し胸が張ってきたりする場合もありますが、そう劇的な効果が得られる物ではありません。

本当に女性になりたいのなら、プレマリンやエチニル・エストラディオール、などの薬剤を摂取することが必要です。これらは個人輸入で入手可能ですが、できれば一度お医者さんに行って処方箋をもらって正規に入手できるようにすべきでしょう。どうしても個人輸入ものでやりたい人は、自分の体調の管理をしっかりしてください。特にタバコやお酒は一切禁止です。女性ホルモン製剤といっしょにそれらを取ると、最悪の場合、死にます。



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