←↑→ 基礎知識(12)女の子になりたい人へ

今小学生や中学生・高校生で、女の子になりたいと思っている人は次のようなステップを踏むと良いでしょう。

■■■まずは女装してみる
女の子としてやっていけるかどうかの最初の関門はここにあります。とにかく一度女装してみましょう。

そのためには女物の服、まずはスカートが欲しいわけですが、これの入手方法が問題です。多くの人が最初はお姉さんやお母さんの服を勝手に借りて履いてみています。これは厳密にいえば良くないことですが、ある程度やむを得ない部分もあるでしょう。もしお姉さんやお母さんが古い服を捨てるような機会があったら、そこからこっそり拾っておくのもひとつの手です。なお間違ってもよその家のゴミ箱をあさったりしてはいけません。それは犯罪とみなされる場合もあります。

女性の家族がいない場合は擬似的にスカートを体験する方法として、バスタオルやシーツを腰に巻いたり、Tシャツの首の部分をウェストの所に来るように履いたりする方法もあります。

さて初めてスカートを履いた人はたいてい性的に興奮してしまい、おちんちんが大きくなってしまうでしょう。よくものの本には「女装して性的に興奮する人はフェティシズムであり、女装して落ち着く人はトランスジェンダー」などと書かれていますが、最初の内は慣れないこともあり女装して興奮するのは当たり前です。そのまま自慰をしてしまっても構いません。

問題はスカートを履きたいから履いて結果的に興奮してしまうのか、性的に興奮したいからスカートを履きたいのかということで、前者であればトランスジェンダーの可能性は高いのです。最初は女装するたびに興奮してしまっていても、慣れれば平気になります。また自慰をしてしまった後で急速に自分がスカートを履いていることに罪悪感を感じ、脱いでしまうかも知れませんが、最初の内はそれが普通ですから気にすることはありません。
トランスジェンダー系の人はこういうことを何年も続けていれば、そのうち自慰してしまった後でもスカートを履き続けられるようになりますし、そのうちスカートを履いたからといって特に興奮することもなくなっていきます。むしろ男物の服を着ようとした時に抵抗感を感じるようになるでしょう。

■■■女物の服を調達する
女の子になるためには、とにかく女の子の服に慣れる必要があるわけですが、そのためにはやはり自分用の女物の服を持つ必要があります。スカートはワゴンセールなどの安いものなら500円くらいで手に入ります。ショーツやキャミソールは100円ショップにもあります。ブラジャーもワゴンセールで300円くらいで買えることがあります。右前袷せのポロシャツや女の子向けのデザインのTシャツなどもワゴンセールで300円とか500円で手に入ることがあります。

お小遣いをもらっている人はそれを溜めて少しずつ買うようにしましょう。

とはいっても最初は女物の服を買うというのは、とても勇気がいることです。女物の服が買いたくて、婦人服売場まで行きはしたものの、こわくて何も買えずに帰ってくるなどという体験はみんなが何度もしています。しかし一度してしまえば、そのあとはそれほど怖くなくなります。とにかくこういうのは経験です。

お金が十分ある人は通販を利用する手もありますが、通販の最大の問題点は受け取る時に家族に見られる可能性があるということです。それならやはり直接買いに行くほうがまだマシです。買いに行く時には、学生服などで行くのではなく、Tシャツにジーンズなどで行くと良いでしょう。女の子になりたいと思っているほどの人でしたら、そのまま女の子と思ってもらえる可能性もあります。むろんヒゲなどは処理しておいて下さい。眉も整えておくのがよいでしょう。整え方が分からない場合は、10代の女の子向けの雑誌などを参考にしてください。

■■■女物の服をどこに置く?
さて数が少ない内は何とかなるのですが、女物の服が増えてくるとそれをどこに置くのかというのはひじょうに大きな問題となります。おとなの人で奥さんに隠れて女装している人では大胆にも会社に置いているなどという人もあります。それにならってスポーツバッグなどにいれて学校に置いておくのもひとつの手ですが、会社では他の人の私物を勝手に見る人はいませんが、学校では友達に開けられる危険がかなりあります。またどうかすると下着泥棒でもしているかと勘違いされることもあるでしょう。

基本的には自宅に置いたほうが安全です。スポーツバッグなどに入れて棚の高いところに置いておいたり、机の引出しの置くに置いたりする手ですが、机の引出しはまず母親に勝手に開けられると思っておいたほうが良いでしょう。親としては子供が何か変なことでもしてないかと心配ですから、これもやむを得ないことです。

またスカートなどはそう日常的に着ていない限りはそれほど汚れませんが下着はどうしても洗濯する必要があります。これをどうするかも相当の問題です。母親がぼんやりした人であれば家族の洗濯物といっしょに洗い、気づかれないうちに回収しておく一手。それでは絶対見つかると思える場合は家族が留守の時に急いで洗って乾かして回収するか、家族がいる時に堂々と自分の男物の下着と一緒に洗い、女物だけは自分の部屋に干して、親が入ってきたら急いで隠すか。

女の子になりたい男の子は多くの人が中学生くらいの時期こういうことを体験してきています。

■■■家の外での女装
みんな最初の内は外で女装すると人が変な目で見るのではと怖いもので、初めての女装外出は夜間という人は多いようです。しかし夜の女装外出はたいへん危険です。あなた自身が痴漢などの被害者になる可能性があります。中にはレイプされかかったなどという人もあります。

できれば女装外出は昼間にしたいものです。お祭りやスポーツ大会などの時はいい機会です。スカートをズボンの下に履いたまま出かけて、会場の近くの(男子)トイレでズボンを脱いでしまいましょう(会場に着いてからではトイレが混みます)。ブラジャーも最初から着けていくほうがいいです。少しだぶだぶのTシャツなどを着ていればそう目立ちません。

人混みの中に紛れていれば、ひとりひとりの人物にそう注意を払う人はいませんから、数時間の「女の子」としての時間を楽しむことができます。

普段のお出かけなら大型の書店なども女装外出に慣れるのには良い場所です。書店の最大の利点は本棚に隠れて見通しがきかないので多くの人に見られなくて済むことです。ビルの中に入っている書店などならエスカレータをつかわずに階段でのぼると良いでしょう。女装初心者の場合、エスカレータはかなり怖いものですし、エレベータにはとても乗る勇気がないでしょう。また階段がほとんど人通りがない場合は、そこでズボンを脱いで下に履いていたスカートだけになる手もあります。

なかなかズボン→スカートのチェンジに適当な場所がない場合、ファーストフードやカフェなどの男女共用トイレを利用する手もあります。お店を出る直前に着替えるのがコツです。ただ小学生・中学生には、こういう所を利用するにはお小遣いが足りないかも知れません。

そういう場所が利用できない場合は、公共の場所の男子トイレを使うしかありません。充分女装に自信が付いてきたら本当は、男→女のチェンジは女子トイレ、女→男のチェンジは男子トイレを使うほうが楽です。しかし男が女子トイレにいたら痴漢と誤認されますが、女が男子トイレに居ても「女子トイレが混んでるから来たのだろう」と思ってもらえます。ですから安全なのは男子トイレなのです。

■■■カムアウト
さて家族と暮らしている以上、どこかの段階で女装はバレてしまうものです。お姉さんがいる人はお姉さんにバレる場合が一番多いようですし、お母さんにバレる人もいます。バレる前に自分から言い出す勇気のある人も時々います。

バレたら自分は女の子になりたいということをはっきり言うしかありません。少なくとも変態か何かと思われるよりはマシですし、息子の部屋に女物の服があるのを見つけて、下着泥棒でもしているのではないかと思った母親は、本人がちゃんとお小遣いで買ったものであり、自分は女の子になりたいからそういう服を着たいと言ってもらえば、そのほうがまだ安心できるというものです。ショックであることには変わりありませんが。

カムアウトしてしまえば、家の中でずっと女の子の格好をしていることが可能になります。父親は何か言うかも知れませんが、気にしないことです。

家族にカムアウトする前に少数の友人にカムアウトする人もいます。しかし一般に女の子になりたいと思っている男の子は、意識が女性なので、男性の友人とうまく付き合えない人が多く、女性の友人とも小学校の1〜2年までは一緒に遊んでいても、3〜4年生くらいになると向こうが男女を意識しはじめるため、女性の友人もなかなか得られないことが多いものです。結果的にひじょうに孤独な青春時代を送る人は多く、家族以外で最初にカムアウトできるような友人を得られる人はむしろ希有というべきでしょう。

家族にカムアウトして楽になるのは、家の中で常時女装できるようになることのほかに、衣服の置き場所に困ることもなくなり、洗濯物の心配もしなくていいといったこともありますし、また家から直接女装のまま外出ができるようになるので、外での男/女チェンジの心配をしなくて済むようになります。

カムアウトは家庭の中にひと騒動を起こすことで大変ではありますが、永久に女性志向を隠し続けることは不可能です。どこかでせざるを得ないことでしょう。

■■■学校でどうする?
小学生の場合は制服がない所が多いので、女の子の格好でそのまま学校に行くことも可能です。先生から何か言われるでしょうが、その場合は親に先生と話し合ってもらわなければならなくなります。

実際には早い時期から女性志向を表に出していた人はたいてい学校ではクラスメイトなどからは元々半ば女の子のような扱いを受けていることが多いでしょう。今まで短パンで通学していたのをキュロットくらいに変えても、みんなあまり何も言わない可能性が高いでしょう。しかしさすがにスカートに変えたり、体育の着替えの時に女の子の下着を付けているのを見られると、かなり騒がれることは必至です。しかしそれも最初だけ。慣れればみんな気にしなくなります。

物わかりの良い先生は、どこか適当な場所を着替え用に提供してくれる可能性もあります。しかし世の中は物わかりの悪い人のほうが多いので、他の男子生徒がいる中でブラジャーを着けたりしているのを見られたり、無理矢理裸にされたりするようなことがあっても気にしないと思い切ることも必要でしょう。心ない言葉を掛けるクラスメイトがいても怒らずに、気にとめないようにしましょう。そんなことをいちいち気にしているようでは、女の子への道は遠いと言わざるを得ません。

中学生・高校生の場合は制服のある所が多いので、男子の制服を着続けるのはとても苦痛です。これも物わかりのいい先生がいてくれたら女子の制服に変更するのも可能かも知れませんが、それはほとんど望み薄と考えておくべきでしょう。私と同じ学校の人で授業中は学生服を着ているものの、放課後になったら私服のスカートを履いてクラブ活動をしていた人もいました。彼女の場合は日曜日にクラブ活動に来る時は最初から女の子の格好で来ていました。クラブ活動などではそううるさくも言われない事が多いですから、こういうところでギリギリの妥協点を見つけるのもひとつの手でしょう。

■■■体毛の処理
スカートを履く場合、足のむだ毛の処理は必須です。小学生の内は問題ないのですが、中学生くらいになると少し生えてきますし、高校生になるとかなりある人もいます。

基本的にはきれいに剃っておくことが必要です。週に何度かおふろの中で、女性用のカミソリをつかってきれいに剃りましょう。むだ毛が太い人の場合剃るだけではとてもスカートが履ける足にならない人もいます。その場合は抜く必要があります。お勧めは中学生くらいにはお年玉ででもなければ買えない価格ですが「ソイエ」などの回転式脱毛機です。最初は痛いですが、慣れればそうでもありません。回転式脱毛機を使えば1〜2週間に一度の脱毛で充分済みます。

ひげの場合はやはり抜くことがお勧めですが、これは脱毛機のようなものが使えないので1本ずつ毛抜きで抜くしかありません。これは大変ですが、女の子になるためのステップですから頑張りましょう。そのうちおとなになったら自分でお金をためて永久脱毛をしましょう。

■■■ホルモンの話
女性ホルモンを10代のうちから採っていれば、かなりの女性化が期待できます。ニューハーフなどとしてテレビなどに出ている人で本当にきれいな人はたいてい17〜18歳頃までには女性ホルモンを摂取しはじめ、20歳前に睾丸を除去する手術を受けています。

女性ホルモンは思春期前にとってはいけません。採る場合はどんなに早くても10歳頃からにしましょう。早すぎる時期にとりはじめると身体の成長によくないのです。女性ホルモンは国内では医師の処方箋が無ければ入手できませんが、処方箋をもらえない場合も海外から個人輸入することは可能です。ただし女性ホルモンを採り始めたら、もう男の子には後戻りできませんから、興味本位などでは絶対にしないでください。できればお母さんなどと相談してからはじめるのが良いでしょう。実際問題として毎月ホルモンを購入するためのお金も小学生や中学生にはきついものです。

ただできれば女性ホルモンは個人輸入で勝手にやるのではなく、ちゃんと医師の診断を受けて処方してもらうようにしたいものです。ホルモン剤を常時服用している場合、心臓や肝臓に負荷が掛かる場合がありますので、お医者さんにチェックしてもらいながらしたほうがいいのです。

ただ親などの協力が得られない場合はお医者さんの所に行くのも困難でしょうし、その場合は個人輸入に頼るのも仕方ありません。ただ体調が悪いと思ったらすみやかにお医者さんの所に行って下さい。へたすると死にます。またその薬に定められた摂取量を正確に守って下さい。多くすると早く効くかなと言って多めに飲む人がよくありますが、これはたいへん危険です。

ホルモンを採っていると、早い人は3〜4ヶ月でおっぱいが膨らみはじめます。一般には男性が女性ホルモンを服用した場合は、その人の姉妹のバストのサイズより少し小さいくらいまでは発達するといわれています。ただ女性ホルモンがあまり効かない人もいて、ずっと飲んでいてもそんなに胸が大きくならない人もいます。これは体質の差ですので、どうしようもありません。おとなになってから豊胸手術を受けて補うしかないでしょう。

またホルモンを採っているとだいたい2〜3ヶ月で、ちんちんが勃起しにくくなり、性欲も落ちてきます。ただし初期の頃はホルモンを飲んだ直後に異様に「したく」なります。これは体内のホルモンバランスが乱れることから起きるものですが、したくなったら自慰して構いません。自慰することで男性ホルモンの分泌が促進されますので、女性ホルモンの効果が打ち消されてしまいますが、体内のホルモンバランスを逆転させようとしているのですから最初はスロースタートで構わないのです。

なお1年程度以上女性ホルモンを採ったあとで、摂取をやめた場合は、バストは一般に小さくなっていくようですが、男性としての生殖機能はもう戻りません。ですから女性ホルモンをはじめてしまったあとで、男性として子供を残したいと思ってももう手遅れです。それだけに女性ホルモンをはじめるには、決断が必要なのです。

■■■女性としての就職
将来的に性転換もして女として生きていこうということになれば、女性として仕事に就くことは必須です。それでは女の子になりたい男の子を雇ってくれる会社があるのかというと、以前よりは物わかりのいい雇用主は出てきてはいますが、それでもなかなか厳しいのは事実です。

学生時代にできるだけいろいろな資格を取っておきましょう。それが助けになることもあります。そしてしっかりとした定職を持っていないと、性転換手術を受けることは困難です。性転換手術は大手術ですので、手術したらそれで終わりということはなく、その後もいろいろなメンテが必要です。女性ホルモンもずっと採らなければいけませんし、女になった後というのはとてもお金がかかります。定職に就いていない人はそのメンテの費用の負担に耐えられませんし、ましてや性転換をしたあとでどこか仕事を見つけようとしても、からだがあまり無理が利かないのでたくさん面接を受けてまわるのも大変ですし、なんとか入社させてもらえても、そこの会社の人たちとの人間関係を維持していくのにも精神的負荷がかかります。性転換した直後はこちらもとても精神的に不安定になりやすいので、これはとても大変です。

ですから、性転換手術を受けるのであれば、その前に女として雇ってくれるところを見つけなければいけないのです。これは本当に大きなハードルですがとにかく頑張るしかありません。



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