DJ NOMOセンセの初投稿大長編小説です。
なんでも1年は連載できるらしいとのこと。
楽しみですね。

LastSurvivor(5)

第一章 脱出

W

 「さて…、問題はどうやって国境を突破するか、だね。」
 例の計画が施行されて一週間あまり。いろいろと考えたが、問題は依然としてこのことだった。通信網は遮断され、情報収集も思うままに行かない以上、自分たちのアイディアが最後の頼りだった。しかし、ここまで完全に国境を管理されたのではそうそう突破口が見つかるはずがない…。
  「うーん…。」
 俺達3人は悩みっぱなしだった。どうしてもその方法が思いつかない…。
  「…ねぇ?」
 俺とミシガンが悩んでいる時、クリシアが口を開いた。
  「どうにかして国境の警備をかく乱することはできないの?国内のサイトにだったらアクセスできるんでしょう?セロウェの政府関連のホームページにアクセスして、情報を乱すことってできないのかしら?」
 …成る程、俗に言うハッキングを行うわけか。たしかにミシガンの技術ならできないこともなさそうだ。しかし…
 「…実はすでにその方法は試してみた。でもだめだった。政府関連のページは、すべて海外のサーバーに移っていた。」
 …駄目か。でも…、待てよ。
  「でもミシガン、警備をかく乱する方法はなにもネットだけじゃないと思う…。俺達が仮に船で脱出するとして、その船が見つからなければいいわけだろ?」
  「…それはそうさ。だけどそう簡単には……ん?」
 ミシガンが急に何か思いついた、という表情を浮かべた。
  「それだ、トレイス!見つからなければいいんだ!見つかりさえしなければ堂々と国境を超えることができるじゃないか!」
 …堂々と?どういうことだ?
  「ね、ねぇミシガン、どういうことなの?」
 クリシアが先に疑問を口に出した。
  「逆転の発想だよ。あえて見つかるように行動する、でもホントは見つからない。」
 …さっぱり分からない。クリシアも頭の上に?マークがいっぱい浮かんでいるようだ。
  「…ダミーを作るってことか?」
  「うん、いいセンだ。でも、違う。同時に複数の船を監視することができないほど国境の警備はヤワじゃないと思う。国境警備船は相当の数で警備にあたっているはずだ。そこにつけこむのさ。」
 …分からん。いいかげんに教えてくれてもいいじゃないか。
  「あっ、ひょっとして!」
 クリシアが口を開いた。
  「国境警備船に扮装する、ってこと?!」
  「ご名答!多分、国境警備船はあちこちをウロウロしているはず。外装をそっくりそのまんまに作ってしまえば、すぐには認識されないはずだ。」
 成る程、…確かにそれなら相手をかく乱できる。だが…最大の問題がある。
  「…でも、そんなことが可能なのか?第一、国境警備船がどんな姿形をしているかを調べられないとダメだし、もしも国境警備船が巨大なものだったとしたら?それに、船同士が無線やレーダーで情報をやりとりしていたらすぐにばれてしまうぞ?」
  「なかなか細かいところに気がつくな、トレイス。でも、問題はない。国境警備船はそんなに巨大なものではないと思う。もし強硬突破するような船があったら追撃できる機動力が必要だから、船体はそれほど大きくないだろう。それに、レーダーや無線をつかって交信をしていたとしても、外見さえ同じにしてしまえば発見は相当遅れる。その間に距離をとってしまえばいい。国境警備船の外観は、多分セロウェの本島に行けば、あそこは国境に近いから比較的近くで見ることができるだろう。データさえそろえば、あとは俺の家にある船の外装を作り変えれば大丈夫だと思う。」
 …一気にまくしたてられたが、成る程、そういうことならなんとかなりそうだ。
  「すごいなミシガン、よく一瞬でそんなことまで考えられるな…。」
  「ホント、すごい。トレイスなんか自分から言い出しといてわかってないのに。」
 クリシアが茶々を入れる。
  「…まぁ、実行に移すまでかなり時間はかかると思うけど…。でも、やってみる価値は十分にあると思う。とにかく、トレイスの発想がカギになったんだ、そうトレイスを馬鹿にするなよ、クリシア。」
 このへんのフォローがミシガンらしい。
  「よし、とにかく実行は早いほうがいい。時間がたてばたつほど警備体制が完成してくる。 トレイスたちは今まで通り準備を進めてくれ。出発の目標は2ヶ月後、夏休み中だ。でないとキャンプって言い訳も通らなくなるしね。さっそく、俺は情報を集めることにするよ。」
 …ということで、いよいよ脱出に向けて本格的に俺達は動き出した。


 うーむ、自分で書いておいて難だが、展開が単調でテンポ悪し。会話文と本文がうまくマッチしないなぁ…。しばらく小説書いてなかったブランクが大きいのでしょうか?


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2000.03.09


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