ヨシオ君の世界征服宣言 征服前夜
さて夜もふけてきた。よい子の皆はもう寝る時間であろう。淑女の方々もお肌の健康のため、そろそろ床につく頃合いではなかろうか?男はどうでもよい。だが、その前にしばらく我がつれづれのたしなみにつきあうのも悪くはなかろう。
まず軽く自己紹介などをしておこう。余の名は鈴木よしおである。17歳、高校2年、将来において世界の支配者となることを約束された男である。そう、かのノストラダムスの予言にある「恐怖の大王」とは実は余のことなのだ。よって以下なる手記は、近い将来世にハルマゲドンを引き起こし、しかる後に余と美女と下僕からなる余の余による余のための世界を構築せんと日夜活躍する余の物語を日記の形式で記したものである。
世界征服、なんと心地よい響きであろう。
世界征服、それはかつて、幾多の偉人賢人が夢見、そして誰もなしえなかった偉業。
世界征服、それは幻ではない。
さて早速以下に余が世界征服に乗り出すに至ったきっかけを記そう。
@月@日(晴れ)大安吉日
トゥルルルルルル、トゥルルルルル・・・
抜けるような青空、さわやかな風が吹き抜ける今日のよき日、その電話はかかってきた。
「もしもし」
「エー、鈴木よしお様のお宅でしょうか」
「はいはい」
「突然ですが、あなたは将来、ハルマゲドンを引き起こし、後に世界を征服なさる方です」
「ひいいいいっ!」
「いやここだけの話なんですがね、今の世の中を変えていける力をお持ちなのはあなたしかいないと、あたしゃ愚考する次第でありまして・・・」
「ふむふむ」
「さらに愚考を重ねますに、世界を征服した暁にはそりゃもう美女たちに囲まれてウハウハでございますよ」
「へっへっへっへ」
「それではさっそく世界征服のための活動を開始してください」
「ほいほーい」
すました声で対応した余の顔には笑みが浮かんでいた。こうして余の恐るべき世界征服のたくらみが始動したわけであるが、この日、余に電話をかけ、余が世界の覇王になることを予言した人物が誰なのか誰もわからない。
そして余がいかにこの偉業に取り組んでいったかはまた次の機会に語ることとしよう。