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統計パッケージ

 統計パッケージとは、パソコンや大型計算機上で動くアプリケーション(応用ソフトウェアということもあります)の1種です。

 皆さんがよく使っているWordやExcel, Netscape Navigatorもアプリケーションの一つです。

 Wordは文書ファイルを書いたり、印刷したりするのを目的として作られたアプリケーションですが、統計パッケージは統計計算(データの入出力や、データの変換、各種の統計的仮説検定など)を専用に行なうことを目的として作られたアプリケーションです。

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統計パッケージを使う際の注意点

 統計パッケージは、なかでも講義で取り上げるSPSSは、データを入れてボタンを押してゆくだけで、何か数字が出てきます。これで統計処理が終わったと思ったら大間違いで、自分がどん構造のデータを持っていて、どんな統計手法が適しているのか、ということが、SPSSにデータを入れる前に是非ともわかっておかなくてはなりません。そして、統計手法を選んだら、出力された個々の数値がどんな意味を持っているのかをしっていなければなりません。

 したがって統計パッケージは、統計を知らない人が使うととんでもない大間違いをやらかす元になります。そうならないためにも、講義では個々の統計手法の原理について、説明をするつもりですので、その部分を聞き逃さないようにしてください。

 実際のSPSSの操作はなれてくると簡単にできるようになります。またSPSSにはヘルプメニューの中に、「チュートリアル」とか「統計コーチ」といったサブメニューがあり、トピックの検索でも丁寧に色々なことが書いてあるので、そのへんを参考にすると、講義の内容の補足になると思います。

 関西学院大学で使う事のできる統計パッケージには多くのものが有りますが、特に皆さんに関係有りそうなものを下にあげておきます。

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様々な統計パッケージ
(関西学院大学がサイトライセンスを持っているもの(SPSS, SAS, JMPなど)についてはこのページを参照してください)

SPSS(Statistical Package for Social Sciences)

 この講義で使い方を学ぶパッケージです。関西学院大学のパソコン教室や、情報メディア教育センターのパソコン教室のパソコンに入っていますので、部屋が空いていればいつでも使うことができます。
 様々な統計手法を、特にプログラムを書くことなく、ボタンを押したり、オプションを選択したりして実行できる点が便利です。
また、場合によってはプログラムを書いて、より細かな処理をする事もできます。講義ではプログラムの機能についてはほとんど触れない予定です。
 関西学院大学はSPSSと「サイトライセンス」というのを結んでいますのでSPSS学生専用パッケージというのが用意されていて、使用期間が4年間に限られていますが機能に制限はなく、廉価に販売をされています。また2000年度からは関西学院大学の学生であれば、ほぼ無料で学生用パッケージを自分のコンピュータにインストールすることができるようになる予定です。SPSSへのリンクはここをクリック

SAS(Statistical Analysis System)

 統計パッケージとしてはSPSSと並んで世界中で使われているパッケージです。
 SPSSとの違いはSASではほとんどの場合、プログラムを書く必要があるという点です。このため、データのハンドリングなどもかなり細かい事ができますし(これがSASの最大のセールスポイントでしょう)、最新の統計手法を自分でプログラミングして使用する事も簡単にできます。尤もその反面プログラムを覚えるために多少とも時間がかかります。
 処理速度などもSPSSと比べると随分速く、利用できる統計手法もSPSSに比べると格段に多いのが特徴ですが、心理学や教育心理の実験や調査のデータ処理を実際に行なう場合にはSPSSで充分間に合います。
 SASもSPSSと同様に大学がサイトライセンスを持っているので、在学中個人のPCで使うことができます。
 SASについてはここをクリックしてください。

JMP

 SAS社が出している統計パッケージです。通常のパッケージと違うところは検定などに重点をおいているのではなく、データやその分析結果をヴィジュアルに表示することに重点のおかれている点です。残念ながら学内では直接目にできるところはありませんが、興味のある人はこの講義の担当者に聞いてみてください。
 このソフトウェアについてもサイトライセンスがあります。

Statistica

 このパッケージはパソコンの上で動くもので、SPSSとほぼ同様の機能が有ります。学内ではハミルのコンピュータにインストールされています。
 このパッケージが優れている点は、計算速度が早い事、統計の計算の他にグラフの機能や種類が豊富で、かなり満足のゆくグラフがこのパッケージだけで作成できます。
 Statisticaについてはここをクリックしてください。

R

 UNIXというOS上で動作するSという統計処理専用言語があります。もともとはフリーソフトなのですが、UNIX系OSでしか利用ができないものでした。最近はSのWindows版も出ていますが非常に高価です。
 RはSではありませんが、ほとんど限りなくSに近い言語で、グラフィックスもS並に充実しているフリーウェアです。Windowsでも動作します。Sもそうですが、Rも平均や標準偏差、分布などを即座に求める関数とそれをグラフィックに表示する関数が充実しており、行列計算も非常に手軽にできます。したがって、ある程度統計の知識のある人には非常に便利なソフトウェアです。しかし、初心者が使うには難しい面もあります。たとえば、混合計画(被験者内要因×被験間要因など)の分散分析とその下位検定などSPSSやStatisticaではいくつかのボタンで実行できることも、プログラムを書く必要があります(尤も、こういうプログラムの多くはライブラリとして、登録されているので、Web上で探せば大概のものはありますし、さらにはどのパッケージにも無いような新しい統計手法もライブラリの中にはたくさんあります)。
 Rについては以下のサイトが参考になります。そこから多くのR関連のサイトにリンクが張られています。


 このソフトは使い始めると病みつきになります。日本語で書かれた参考書はいくつか出版されていますが、下のものはいまのところ一番のお奨めです。
中澤 港・著 「Rによる統計解析の基礎 」 ピアソン・エデュケーション \1,890

STAR

 SPSSやSAS、Rのように一般的なものではありませんが、WWWを通じてオンラインでも、あるいは自分のPCの上でも、手軽に利用できる完全無料の統計パッケージです。ひととおりのことはほぼできますので、興味のある人はここを参照してください。


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