陽射しを浴びて軽やかに笑うあの子。
あの子は私。


私は、かつて鳥だったかもしれない。
地の底に眠る種子だったかもしれない。
長い尾を閃かせて深い海を泳いだこともあったかもしれない。
けれど私は有機物の人形。
羊水に抱かれて静かに眠る。
水のゆらめきは蜃気楼のようで。
凡ては蜃気楼のようで。


陽射しを浴びて軽やかに笑うあの子。
あの子は、私。



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