「ま…待て八戒…」 冷や汗を流して後退する悟浄に、八戒はにっこりと微笑みかけた。 八戒の男性にしては華奢な白い手には、異様なものが不気味な振動音を響かせて いる。乾いた笑いを浮かべて口元を引き攣らせている悟浄を、八戒は渾身の力で 押し倒した。 「よせっ!やめろ!」 暴れもがく悟浄を抑えこんで、八戒はその下肢からズボンをはぎ取った。 悟浄の抵抗を封じるようにその腹に馬乗りになった八戒が、優しい声で忠告する。 「暴れると痛い思いをしますよ?」 「だぁああ!冗談じゃねぇっ!やめろ、八戒…頼むから…」 冷たい物を押し当てられる感触に、悟浄が竦み上がる。 「大人しくしてくれるなら、そんなひどいことなんてしませんよ」 「十分、ひでぇっ!」 悟浄の抗議も虚しく、八戒の手がズイッとそれを押し進める。 「イタッ」 「ああ、ほら、じっとして下さい。悟浄…暴れると怪我しますってば… それとも痛くして欲しいんですか」 「んなはずねぇだろ?!とにかく、やめろ!」 「ヤ♪です」 八戒に妙に楽しげに告げられて、悟浄は情けない声をあげた。 「はっかいぃ〜」 だが、ジャリジャリという音は止む気配が無い。 数分後─── 「ああ、すっきりした♪」 綺麗さっぱりとすね毛を剃られてしまった悟浄の足に八戒は満足気に微笑んだ。 手には刈り取った羊毛よろしく悟浄のすね毛を持ち、ふと悪戯を思いついた少年 のように人の悪い笑みを浮かべる。 数日後、白竜の首には暗紅色から黒への色変わりの糸で編まれたマフラーが捲かれ ていた…らしい。 |
第1話はLUNAさんでした。 悟浄至上主義のLUNAさんにして「すね毛イヤ〜!クマ男キライ!」と言われ、 あげくの果てに「もし真っ黒だったら八戒サンに頼んでむしってもらいます!」 というメールとともにやってきた小説。 そしてこれから互いに小説を書きあうという暴走が始まりました。(笑) |