Last update Jun.20,2000

The Corrs / unplugged

今回のレビューはアイルランドの兄妹四人グループ「Corrs」の三作目:unpluggedです。

このunplugged、いまやアコギ親父と化して、かつて Slow Handとまで呼ばれた過去のGuitar Godとしての栄光など微塵も感じさせない クラプトンのunpluggedで一気に有名になった例のMTV用のunpluggedからの収録です。

それはともかくメンバー編成は確か、
長男ジム・コアー:ギター
長女:バイオリン、ボーカル
次女:ドラム、パーカス、ボーカル
三女:リードボーカル、フィドル

こんな感じにみんなファミリーネームがコアーなので「コアーズ」・・・ それもすげーな。

このCorrsは、今までにアルバムを二枚発表していて、それらの曲がアコースティックライブVer.で収録されているわけです。

寡聞にしてこのアルバムまで彼女らのことを知らなかったのですが、 MTVのunpluggedに出れるということはかなりメジャーということで、 一作目や二作目の日本版の腰帯にも「ラジオで流行った○○を収録」とか書いてあったな。 オレ、ラジオとかTVつけないからな・・・

前振りはこんなモンで曲です。

もう半年くらい前に買ったアルバムなのですが、久しぶりに聴き返して「やっぱいいな」 と思ったのでレビュー書いてます。

なにはなくともTr01:only when I sleep
わたしとこのページにたびたび登場する友人のなおっちが、 癒し系女性ボーカルモノをこの後買いあさることになる契機となった曲の一つなんですが、
ヤバイです・・・

これまたわたしのページでは定番のヤマギワソフト館(というか一年以上ココ以外で音楽をチェックしていない)ではじめてラストのサビで情感たっぷりにアドリブしまくって、 どこまでも伸びていくリードボーカルを試聴したときに思わず涙してしまいました。

今もその一曲目を聴きながら書いているんですが、こりゃマジでヤバイわ・・・
とりあえずこの曲のためだけに¥2500払う価値が余裕であります。

それほど哀しいメロディではないんですが、なんか妙に胸に突き刺さります。 やっぱ、歌上手い人の声って反則です。
感情がダイレクトに伝わってくるので、絶対に感動させられてしまいます。
楽器のリーサルウエポンです。

こればっかりは神様からの授かり物なので、 どれだけ練習したとしても出来るもんじゃありません。

うらやましいな。
これだけのびのびと歌えたらきっと、 世の中がとても輝いているものに見えるんだろうな・・・

他の曲も、魔力でもこもってんじゃないの? ってくらいに感情を揺り動かされる一曲目に比べると さすがにインパクトには欠けますが、 さわやかでけれん味の無い、メロディが素直な、暖かくてとてもいい曲ばかりです。

最近は訳わかんないひねったメロディ(それも結構好きですが)が氾濫しているので、なおさらこのCorrsの人の声が本来持つ魅力を最大限に引き出す 素朴で素直なメロディとハーモニーには惹かれます。

ほんと一曲目のサビメロの入り以外の部分は、楽曲の構成上これといって見るべきところはなにも無い。 ってくらいどの曲もいたって普通なんですが、つい聴いちゃうんですよね。ベストアルバム的な選曲になっている事もあってとりあえず捨て曲はありません。

ホント浸れます。
どの曲も過去のスタジオ版に比べて三倍は魅力がアップしています。(個人的に)

やはりこのCorrsは三人も上手い女ボーカルが揃っているので、 その極上のハーモニーを最大に楽しめるアコースッティック形式の曲の方がいいな。

このアルバム非常に気に入ったので、スタジオアルバムである一作目と二作目(タイトル失念)も買ったのですが、 そちらはたいしてというか全然良くありませんでした。
わりと生楽器を多く使っているのに、その生楽器の音がエフェクトかかり過ぎというかウソ臭さが妙に気持ち悪くて。

しかもポップスにしてはアレンジがやたらとイモっぽいし。

このunpluggedでは素直に感動できたということは、 メロディ自体はとても魅力的で、かつ演奏も抜群に上手い。
なんてったってアコースッティックライブですから、モロにミュージシャンとしての地力が残酷なまでに出ます。
ただ、アレンジの方向性がデジタリックな音と合わないというだけ。
ということなのでしょう。

これでいい加減彼らも自分たちの得意な事と苦手な事を見切って欲しいもんです。

セルフプロデュースを中心として現状までのプロデューサーと組んで仕事を続けるつもりなら アコースティック系の曲に走る。

このまま普通に癒し系のポップスで行きたいのなら 元のメロディやハーモニーのよさを生かしながら、 今風のアレンジを施すのが得意な プロデューサーを捕まえる。

飛躍のためにはこのどちらかしかないとわたしは思うんですが・・・
メロディメーカーとしては結構いい物を持っているだけに、 なんとかして欲しいもんです。

あいかわらず、偉そうなこと書いてすいません・・・
アーティストに見られたら殴られそうだ。

ちなみにTr11:old town はシン・リジィのVo&Bsであるフィル・リノット(ライノット?よく知りません) の曲です。(たしか・・・)
メロの感じが他の曲とは違うし。
さすがに我が心の師。Gary Mooreの相棒。
いいメロ書いてます。