Last update Mar.27,2000

Fair Warning / 4(Four)

ここのところCD全然買ってなかったんですが、その反動で一気に八枚入荷です。
そのうちの一枚。

ドイツのメロディアスハードロックバンドの四枚目の(多分)アルバム。 コイツらかなり良い子ちゃんです。80年代のハードロックを清く正しく未だに演ってます。

実は、以前に彼らの2ndアルバム(タイトルすら忘れちまった)を買って聴いたのですがそのときの印象はハッキリ言って最低でした。
世間様では「メロディがいい」とか「スカイギターによるプレーが素晴らしい」とか言われていましたがわたしに言わせりゃもう、メロは退屈だし、ギタープレーは全然大したことないし、と、どうしようもない駄作だったので速攻で叩き売って過去の人たちとなりました。 その後最低でも二枚はアルバムを出したのですが、一応試聴だけしてやっぱり退屈なので見送っていましたが、今回のアルバムはヤバイです。いままでのだるいアルバムとは次元が違います。

一曲目のイントロから試聴開始
切り込んでくるわずか四小節、四音のスカイギターのメロディ
胸に突き刺さりました。
魂に刻み込まれてしまいました。
店先の試聴機で、もう涙ぼろぼろ
そのままギターソロまで聴き進み
イントロのテーマーのリフレインから展開、分散和音になだれ込む

あたままっしろ。

一生忘れられないメロディ

もう曲の出来なんてまったく関係ありません。
この四音のためだけに¥2500以上の価値があります。

一応いっておきますが、曲自体もおおむね以前のダサさがウソのように払拭されていて、素直に「メロディアスだ」と楽しむことが出来ます。
最近流行りの癒し系、かなりはいってます。
甘い歌声と優雅なスカイギターの旋律、ほのぼのと暖かくだけどどこか メランコリックな曲調。

この世知辛い世の中になんでこの人たちこんな幸せな音楽を演れるのでしょう? メンバーみんなけっしてカッコよくないですが、ジャケ写すごくいい素朴な笑顔で映っています。

補足説明(スカイギター)

ドイツのギタリストで、元スコーピオンズのウリ・ジョン・ロートが チェロとバイオリンの音域を一本のギターでカバーするために開発した究極のギター 七弦、36フレット仕様の化け物。 つまり通常のギターよりも弦一本分低い音が出て、1オクターブ高い音まで出せる。

このFair WarningのギタリストHelge Engelkeも以前はウリ・ロートから譲ってもらったスカイギターを弾いていたが、現在では自らカスタムメイドしたスカイギター「もどき」を使用している。が、そのギターの名前を失念したうえに、ギタリスト的には紛らわしいので便宜的にHelge Engelkeの使用ギターもスカイギターということにさせてもらう。

以前アルバムでのHelgeのプレーはスカイギターの本家、ウリ・ロートの足元にも及ばず、わたしの周りでは「スカイギターを弾きこなせるのは世界にウリだけ」といっていたのですが認識を改めなければなりません。
このアルバムでついにHelgeは超広音域ギター、スカイギターの奏法に開眼したようです。 また、ギターの演奏テクニックも格段に向上しており(以前とは月とスッポン)、野暮ったくとにかく弾く音すべてがダサかったHelgeも今ではテクニカルギタリストといっても過言ではない域にまで上達しています。

とくにスウィープピッキングによる分散和音がいいです。

その別人のように上達したテクニックをもって
あのスカイギターにしか出せない唯一無二の
繊細で気高いギタートーンが自由に
大空を舞う鳥のように
何処までも、何処までも伸びていきます。

今も例の一曲目「Heart on the Run」がかかっているのですがヤバイです。

あー、モニターが滲んでよくみえんっ!
ちくしょう。おまえにゃ負けたよ・・・

日頃洋楽を聴かない人もぜひ聴いてみると良いですよ。
「ハードロックなんて聴いたこと無い」
という人も大丈夫です。
このアルバムよりもB'zのBrotherfoodの方が数段激しいです。
B'zが聴ける人ならぜひお試しを。
新たな世界が開けるかもしれませんよ。

なんと美しいのでしょう。
すばらしいメロディ
すばらしい演奏は、なぜひとのこころをここまで動かすことが出来るのでしょうか。
なんと素敵な世界を見せてくれるのでしょう