Last update Apr.06,2000

Greg How / Ascend

ここのところCD全然買ってなかったんですが、 その反動で一気に八枚入荷です。

今やハードフュージョン界最強のテクニカルロックギタリスト との呼び声も高いGregの6thソロアルバム。 なんと今回は以前Gregが1stソロアルバムHigh Definisionに参加したウクライナ出身のピアニストVitalij Kuprijを逆に迎えてのネオクラシカルアルバムになっています。

それぞれにその道で最高峰のテクニシャンとの評価も名高い彼らが フルスロットルで叩きつける壮絶なインプロヴァイズの嵐。
ネオクラシカル史上に残る強烈でとても美しくプログレッシブなアルバムになりました。 最早ジャンルとしてはとっくに終わっているネオクラシカルで今更こんな素晴らしいアルバムに出会うことが出来るとは思っていなかったので嬉しさもひとしおです。

えー、このGregのことは以前からもともと注目していたのですが、 彼のことをホントに好きになったのは前述のVitalijの1stアルバムに全面参加したときのプレイを聴いてからです。

いや、あれは衝撃でした。 通常ネオクラとはお約束のフレーズの集合的な作品が多いのですが、そこでの彼のプレーはもともとフュージョンプレーヤでクラシカルなプレーはほとんどしたことが無いはずなのに、フィンガーボードから火を噴きそうな勢いで縦横無尽に斬新でカッコいいフレーズを弾きまくってくれました。信じられないテクとセンスでした。 もう、のっけから開いた口がふさがりません。なんで自分のジャンルと違うことやってここまでのことが出来るんだ? 本当に才能が有ればジャンルなんて関係ないのね・・・ 人間の限界を超えた超絶プレー満載です。 しかもカッコいいっ! ビバ・ネオクラ!

この二人が組んでアルバム作っちゃうなんて反則です。 こんなことがこの二人以外に出来るとしたらあとはVinnie Mooreがギター弾いて、 Tony Macalpineがキーボード弾いて、ネオクラに徹したアルバムを創るくらいしか有りません。

ここからは愚痴です。
しっかし、何食ったらこんなに巧くなるんだ?
いや、食い物は関係ないんですがここまで来るともう単純に練習だけとは思いたくないです。
って、これはわたしが今練習を怠っていることの証明ですね。 ホントに情熱を持って練習していれば「練習していればいつかはここまでたどり着ける」 という方に希望を見出すはずですから。
あきらめ入っていますね。かっこわる。
初心に戻ってがんばろう。

それはともかく、Tr06:abrupt terminalなんて、もうどうやって弾いているのかさっぱり判りません。 このアルバムの中ではシーケンスフレーズが一番多く、最もネオクラらしい曲なのですが、 全編キケンなフレーズ満載です。
前半の変拍子はクールだわ、後半の両手タッピングなんて一人で弾いているとは思えないは、えらいことになってます。

コピーしようとして五分であきらめました。
ポジションチェンジ激しすぎるし、そもそもこんなに速く指動きません。それでなくともタッピング苦手なのに。練習量の違いからかスウィープは何とかついていけるのですがタッピングだけはどうにも苦手。

スピード1/5くらいに落とせば弾けますが、ネオクラって速く弾くからカッコいいわけで・・・ 舌の根も乾かぬうちにこんなこと書くのはなんですが、
あぁ、なんて敷居の高い音楽を好きになってしまったんだオレ・・・

しかし、苦手だからといって避けているといつまでたっても出来るようにならないし、でも今はゲームの曲のためにアコギの方の練習を優先しなきゃなんないし。
っていうかその前にいい加減Cakewalkの使い方を覚えないと打ち込みも出来ません。
何やってんだよ、ホント・・・

解説
ネオクラといっても何のことか解らない人も多いことと思いますので説明しますと、 エレキギターでバッハ、ショパン、ベートーベン、モーツアルト、リスト、ハイドン、ビバルディといったまぁこの辺りの人のメロディをヘヴィメタルに取り入れてスリリングに弾きまくるという音楽です。

コナミの悪魔城ドラキュラやゲームボーイの初代Saga、あとファイナルファンタジーの曲、日本ファルコムのロープレのBGM。 こういった辺りをカッコいいと感じるのならばぜひ聴いてみてください。
世界一流のミュージシャンによる壮絶なプレイによって、その手の音楽がときに哭き、また駆け抜けていきいます。 この整然とした構築美と爆発する感情によるアドリブの融合が生み出す未曾有のスリルを体験してみてください。

当然Dream TheaterなどのハードプログレファンはMust Buyです。