Last update May.01,2001

姫裸 / 創美研究所

ciffonが「今日からアイドル」から速攻で出した「Dual Colors」でつかまされたばかりなので、前作「ぱちもそ」からこれまた速攻でリリースされたこの「姫裸」にもイヤな予感がしていたのだが・・・

三人の男の下にさらわれてきた姫とメイドが犯されるストーリー。 このブランド、相変わらず各パートのクオリティは高いがこのゲームはなにか気に食わない。

三人の陵辱者それぞれの視点でストーリーを見ることができるとはいうもののそれも 開始時点でキャラクターを選ぶだけで、その後はエロシーンの中での展開が多少変わりはするが話はまるっきり一本道。 自分の意思で話の展開を左右できないのでゲームを遊んだ気にまるでなれない。 せめて一キャラ毎に二つはエンディングが欲しかった。

例えば復讐に燃える黒騎士の視点ならば、その暗い淵にすべて飲み込まれて姫もメイドも発狂するまで責めるとか、犯しながら首を絞めて殺すとか、マジで復讐のために肉体改造しまくって乳首は十文字に割く、クリトリスは包皮を切除して周りには真珠でも埋め込んで常に刺激するようにする、アヌスは拡張しまくって垂れ流し、フェラチオのために前歯は抜歯、家畜とか奴隷とか罪人の印の焼印を捺す。このくらいはしてから国王の元に送り返す。はたまた愛が芽生えて逃避行とか、ま、これはオレの趣味ですがとにかく別の展開も用意してくれ。

あと、趣味ついでに言わせてもらうと陵辱がぬるい。復讐なんだから発狂、責め殺すエンディングはぜひ欲しかった。オレの欲望を現実で行うと捕まっちまうし、後始末がメンドくせぇからゲームやってるわけで、オレが犯罪を犯さなくてもすむように奮起してもらいたいところ。破壊衝動は音楽で代用できるが加虐嗜好は音楽じゃなぁ・・・いまどきライブでいちいち客殴り倒すのも面倒だしなぁ・・・

おもわず妄想が暴走してしまったが、とにかく、デジタル紙芝居でありながら、選択肢によって展開にある程度の多様性を持たせていない、ユーザーの意思が結末に影響しないストーリーにゲームを名乗る資格はない。 それならそれでそれらしいシステムにしてくれれば良いのに、体裁だけはアドベンチャーゲームぶってるのがプレイするのにダルくてイラつかされる。 ここまでプレイヤーの意思を排除するんならクリックという能動的な作業を要求するなよ。文章自動送り機能つけて紙芝居に徹しろよ。

というか、シナリオ全般的に設定を生かしきれていない。 復讐が根底にあるのだから、物語の深みを増すために黒騎士との過去の回想を 利用して姫とメイド、それぞれの心情の描写に深みを出して欲しかった。

ま、そうしようとすると、ヒロインたちと過去の接点を持たない残り二人のキャラを選択した場合のプロットとバランスが取れなくなるのでこのような見せ方を選択した時点で採用できなかったのだろうが、 復讐を舞台設定の中心に据えておきながら復讐の主体となる黒騎士と、彼女たちとの過去がなく、単に黒騎士の尻馬に乗っただけで端から等価たりえない残り二人のシナリオもマルチビューで等価に描こうというこのゲームのコンセプトがそもそも矛盾しているので良い物になるはずもない。

そしてプロットを語りきるにはボリュームも足りていない。 もう展開速すぎ! 残りの二人は黒騎士に振り回されているだけなのでどうでもいいのだが、その肝心の黒騎士が怒りと憐憫を瞬間的に切り替えてくれるので感情移入できない。躁鬱ジェットコースターです。 ま、これまたお家芸なうざったいほどに書き込まれたエロシーンの描写で気が付けばそれなりに興奮してるんですけどね。

細部の話に入ろう。

「神父のオシゴト」でこのブランドを知ったが相変わらずテキストはなかなかのクオリティでエロシーンの描写もなかなかに濃厚、18禁の資格十分。 嫌がりながらも反応してしまう体に絶望し嫌悪しながら飲み込まれてゆく描写たまらない。 汚らしい「虫」をキャラクターに選んだときなど思いっきりイカされながら「殺してやる・・・ぜったいに殺してやる」とか言ってくれる、ソソリまくり。

グラフィックは文句なし、800*600の解像度を活かした美麗で淫靡な映像で魅せる。お肌つやつや、髪の毛ぴかぴか、顔立ちキュート、ボディラインはメリハリばっちり。バック時の腰のくびれが股間にくるくる。マジいかす。

曲もあなどれない。 バロック系の曲とJazz系の曲があるが、なかでも気だるいJazzのピアノピースが良い。 黒騎士がぶつけようのない憤りをたまたま見つけた、姫たちの捜索に来たと思われる国王軍の小隊にこれ幸いとぶつけることを決意するシーンでの使用が特に気に入っている。 単身切り込んで返り血浴びまくりなんだから激しい戦闘なんだろう、そこでアンニュイなJazzピアノ・・・たまらねぇセンスだ。良い虚無だね。

こんな具合に各パートごとにだと良いが、すべてをあわせて一本のゲームとして見た場合、大本のプロットでコケているのでお勧めできない。 良いもの持ってるのにもったいない。というわけで、絵が気に入ってシチュエーションが嗜好にマッチして、クリエイターの有無を言わさぬ押し付けも我慢できる方はゴーでしょう。エロスはあります。というか、酷評するにはかわいそう。これよりダメなくせに(オレ評価)評判が高いゲーム山のようにあるし。

とりあえずポテンシャルの高さというか面子の力量は期待できるので次作に期待をつなぎます。しかし、いつになく辛口だな・・・ま、期待が大きかった分ね。 「神父のオシゴト」は「Bible Black」と並んですっげー超超エロエロで大満足でボリュームも満点でお腹いっぱいだったからマジでメッチャわくわくしてたのにぃ〜〜