Last update Jul.12,2000

Metalium / state of triumph

CD Review初の本気でお勧めじゃないアルバムです。

ジャンルはずばり馬鹿メタル!

といってもそんなジャンルが世間にあるわけではなくて、バンドのドラマーとオレが勝手にそういっているだけです。世間的にはヒロイックメタル、騎士道メタル、バイキングメタルなどと呼ばれているジャンルのことです。

このバカメタルとは、メタルの持つ漢臭さ、良く言えば雄々しさ。悪く言えばウザったさ、暑苦しさ、仰々しさ。そういった要素を極限まで、濃縮・凝縮もひとつおまけに圧縮した音楽で、このジャンルの代表としては、世界一大きな音を出すバンドとしてギネスブックにも載っている「マノウォー」を始めとして、その名からして絶対にバイキングメタル間違いなし!な「ヘイムダール」。 アルバムを出すごとに、着実にファンの期待にこたえ続けること著しい英国の雄「バル・サゴス」と、まぁこんな感じなんですが、そこにまたひとつ新たなツワモノっていうかバカが参戦です。

其の名もMetalium!うっわーやたらと金属っぽい名前ですね〜・・・ あっ、全然関係ないですが、今日のお隣さんの晩飯は多分アジの開き(一夜干)ですね。 美味しそうな匂いがしてきます。 それはともかく、元どっかのバンドのベーシストを中心としたプロジェクトで、 このstate of triumphが二枚目のアルバムです。

前作ではまだ照れがあったかどうかは知りませんが、いまいち成り切れていないというか、どうにも中途半端な印象でダサイだけだったんですが、今回は違います。 開き直りまくりです。 初期ガンマレイ直系のガッツ溢れるパワーメタル演ってます。 良い意味で、非常にこけおどしが効いた、燃える漢一匹バカメタルです。

ありゃ、今コレ聴きながら書いてるんですが、本気でカッコいいかも。 なんか曲が進むたびに盛り上がっていってます。 メンド臭いんで歌詞は読んでないのですが、曲の流れとサビのシャウトから察するにコンセプト仕立てなんですかね?最終トラックであるTr11は確かデジパック盤限定のボーナストラックだったはずなので、(これだけクレジットをみると作曲者も違うし) アルバム的にはタイトルチューンでもあるTr10:state of triumphがラストになると思うのですが、こいつはマジ燃えます。

ヘビーかつドラマチックなメタルアンセムって感じの曲に 分厚く雄々しい漢コーラス、ぶっ叩き系のピアノのバックに載った哭きまくり、弾きまくりのリードギター。最高です。 テク的には別に凄いことをしているわけではないんですが、 燃えるリードというものが良く分かっているらしく、やたらと煽情力あるフレーズ連発しています。 これぞメタルギターによる雄叫び! 曲調はスローですが、盛り上げるところではドラムがツーバス踏んでいる。ってところも相当ポイント高いです。 あーラストのピアノとギターのバッキングとリードギターの絡み堪まんねーっ!

うむ、終わりよければ全て良し! さて、あとはボーナストラックか・・・

うおぉぉぉおおお!
やべぇ!Tr11:musicめちゃ燃える! なんじゃこの最盛期のSavatageを髣髴とさせる METALIUM版ガター・バレエな曲は! なんで、これボーナストラックなの? 最強じゃん!

明るめで静かなイントロに引き続いて始まる Aメロのリフ危険すぎ! 単純なメロの繰り返しなんですが、超パワーあるんで、 ロッキーのテーマ思い出しました。曲がメタルなんでメロは全然違いますが、空気が同じです。

で、いったん映画のスタッフロールBGMのような静かなパートになり、 オペラチックで雄大なリードギターが入ってきてそこから・・・

はい、思わずこぶしを握り締めて絶叫ぉぉぉおおお!
大げさ系バカメタルの最強アンセムに決定です。
この瞬間オレの中でSavatageを超えました。

まぁ、前作ではギターに最盛期のSavatage(ようするにガターバレエのころ)でクリス・オリバの相方をやっていたクリストファー・キャリファーが参加していたこともあって、そのせいで方法論が似ているのでしょうか?

っていうか、タイトルがMusicってのが、もう、イカシ過ぎ!
オレたちの音楽はコレだッ!って、やつですか?
うむ、その心意気や良し!

確かにSavatageのオーケストラ重ねまくり。なドラマッチクな曲調に、ロッキーのテーマの分かりやすい煽情力を足した最強の漢テーマだ。

アルバム全体を通してみると、 ファストチューンはガンマレイで、 ドラマチックヘビーナンバーはSavatageですな。ピアノやオーケストラの使い方からして。 う〜ん。こりゃ、かなり良いとこ取りしてますね。
前作のダサさがウソのようだ。

というわけで、(アルバム)全体を通して考えても、この手のバンド(力強さ重視!のヒロイックメタル)のなかではかなり良い線いってます。ジャンル的に好きならば買って後悔はしないでしょう。 っていうか、ラスト二曲のカッコよさを考えれば安いもんです。 女人禁制な漢メタルが存分に堪能できます。

多分邦盤は(まだ)無いです。それと Tr11:musicは確か初回デジパック盤のみにしか収録されていなかったと思うので、注意が必要です。コレが入っていないと悲しすぎです。購入の際にはゼヒ確かめられた方がよろしいかと・・・