Last update Jun.26,2000
メールログから発掘レビュー第二弾。
今回はいつの間にか出ていて当時結構驚かされたMetallicaのSymphony and Metallica
なんと、オーケーストラとの競演で、しかも二枚組みLive Album。
アレンジと指揮はMichael Kamen。
普通オーケストラと競演っていうときっちりとアレンジをして、
オーケストラの一員としてかっちりと演奏するものなのに、
そこはMetallica、さすがというかやはりというべきか、
このS&Mではオーケストラのことなんか
楽勝でお構い無し。
いつも通りのパフォーマンスを繰り広げています・・・
しかも、初めての試みなのにいきなりライブ一発録りだし。
まあ、彼等のことなんで何も考えていないって話もあるんですが・・・
しかし並みの馬鹿に出来ることではありません。
コイツら最高です。ホンマもんの大馬鹿野郎どもです。
あぁ、たしかにあんたら世界一ビッグなバンドだともさ!
所詮ビートルズパクッてるだけのOasisなんかとは格が違うよ。
まぁ、どっちにしても、とりあえずカッコ良く仕上がっているのでそれだけで十分なんですが。 そういえばこのS&Mを聴いてMetallicaのギタートーンを初めて「かっこいい」と思った。 一緒に、今までなんか好きになれなかったカーク・ハメットのリードプレイもこのアルバムでは堂々としていてえらい気に入った。
それにしてもホント意外なまでに違和感ぜんぜん無いです。
スピーディーでザクザクな初期のスラッシュチューンもバッチリとオーケストラと噛み合っています。
そのなかでも特にカッコ良いのが、1st:Kill'em all収録のムスティン、バートン(確か)による、
Disc1 Tr02:the call of Ktuluです。
これインストの曲なんですが、さすがはパンクとクラシックとモータウンサウンド(うーん。こうやって列挙するとマジ訳わからん)をバックボーンに持ちながらなぜかThrash Metalを作った男=デイブ・ムスティンの曲。
おどろおどろしく、スリリングで、偏執狂的なコード進行とノイジーな和声が心地良く、
むちゃくちゃオーケストラとハマってます。
まぁメタルって曲の構成がワーグナーとかバッハなんか(って、この二人の曲ぜんぜん違うじゃん・・・)に通じるところが多々あるんで、 もともとオーケストラとの相性はかなり良いのでしょう。 Black Album以降のHeavyでグルーヴィーで一般的なHMとは言い難い曲よりも、 もろにメタルだった初期のスピードチューンの方が断然カッコ良いですし。
いや、速くなくとも初期の曲の方がカッコ良いです。
だるくて大嫌いだったはずのDisc2 Tr03:for whome the bell tollsさえもガッツ溢れていてメチャクチャにカッコ良いです。
イントロのストリングスとの絡み、すっげークール。
これぞメタルの美学!
おかしい・・・この曲あんなに嫌いだったのに。
なんにしても作曲にムスティンとバートンが絡んでいる初期の曲はやはり凄いです。
ムスティン最高!
通して聴いた印象としてはDrums:ラーズ・ウルリッヒの凄さを思い知らされたってとこですかね。 なんで指揮者のいるオーケストラと競演しながら いつもの演奏できっちりと合うんだよッ! タイムのとり方がぜんぜん違うはずなのに・・・
さすがは究極のヘタウマドラマー。
マジ侮れません。無知の勝利です。
人間の持つ野生の勘っておそろしいですね。
まぁ、ドラムって一番原始的な楽器だしねぇ・・・
ちなみにコレ最大級の賛辞です。勘違いしないでください。
それとも指揮者であるMichael Kamenがラーズのタイム感というかノリを見切ったということなんでしょうか? まぁ、このMichael Kamenは、過去にもシュワルツネッガー主演のラストアクションヒーローのサントラに収録されていたエアロスミスのDream on(これもライブ録り)でもきっちりと競演していたぐらいだから、 そっちの方が本当かもしれませんが。
でも、エアロのDream onとはオーケストラとバンドの音がぶつかったときの勢いというか、
作品全体を通して漂うオーラがぜんぜん違うので、
やはりMetallicaが凄いということなのでしょう。
Disc1 Tr03:master of puppetsとかむちゃくちゃイカシてます。
特にアウトロでのストリングスとのカラミにおけるスリリングさは堪らんです。
オレにオーケストラ楽器演奏の経験は無いけど、競演したオーケストラのミュージシャンたちもさぞ驚かされたことでしょう。
あと新曲が二曲収録されている。ってものなぁ・・・
普通新曲をいきなりオーケストラとの競演でライブレコーディングするか?
そのうちの一曲は何だったのか忘れましたが、
Blackアルバムに収録されていたThe unforgivenやNothing else matterのような
壮大で激重かつドラマッチクなHMバラードナンバーである、
Disk1 Tr08:No leaf cloverは最近のMetallicaの曲の中では出色の出来です。
これ、次のアルバムに収録されるのかな?
新しい試みだとか問題作だとかそんな事は関係ありません。
とりあえずカッコ良いです。
メタルにはそれだけで十分です。
この偉大なる試みを行い見事に成し遂げた、イカした(イカれた)
ガッツ溢れる
最高の大馬鹿野郎たちである、四人の漢どもに乾杯!