blackwater park / opeth

世間的にはゴシックということになっていますが、これはまったくもってプログレです。 北欧のプログレややハードのなかではかなりクオリティ高く、Pain of salvationの3rdと近いことしています。 曲構成でもって盛り上げるという手法なので一曲が割りと長尺で、繋ぎの小作品省くと5分代の曲すら一つも無いありさま。

そして彼らの特徴はプログレとゴシックバンドのクロスオーバーにありがちである雰囲気の醸成を鍵盤に頼るということはせずに、あくまでも重ねたギターによるドラマを模索している点です。 これによりDream Theaterに代表されるプログレハードのようにやたらとアグレッシブなパートが無くてもメタルなのです。

そういうわけでデス系ディストーションからクリーントーンからモジュレーション系まで多彩なトーンを操るギターによって織り成される凝ったオーケストレーションと流麗かつドラマチックなリードが楽しめるという非常においしいアルバムに仕上がっております。なかでもアコギの使い方は逸品。そこに絡む残響たっぷりで伸びゆくリードは実に浸れます。

あ、要所を抑える鍵盤も良いですよ。変なシンセトーンではなくガッツリとピアノで入ってるところがますます好感度高いです。ピアノにしか出せない空気というものが厳然として存在しますからね。

ボーカルは男声のみで無茶なハイトーンはあまり無く基本的に骨太系です。 デスっぽいパワフルボイスもあり。ちなみに最後の最後でツーバス疾走したりもします。

ジャンル違いでアンテナに引っかかっていなかったヨーロピアンプログレマニアはぜひチェックしてみてください。かなりの大穴、万馬券です。 抑えた中での静と動の対比が詩的でドラマチックで実に秀逸です。

お！これはちゃんとレビューになってるな。蛇足ですがクールな五拍子があるのもポイント高いです、いくら変拍子とはいえいいかげん七拍子飽きました。嗚呼Darktranquillityの面子とコラボレートして欲しい。