Last update Oct.14,2001
知る人ぞ知るスラッシュメタルの歴史的一枚。 とはいえスラッシュどころかメタルというジャンル自体がとっくに死滅しているうえにこのアルバムが出てから結構な年数が経つのでメロデス、ブラックメタルは知っていてもこのアルバムのこと知らないリスナーもイマドキは結構いるんでしょうな・・・ということで思い出しついでに書いてます。 一応世間的にはスラッシュメタルの踏絵的アルバムとして、「これを聞いてカッコいいと思わなかったらスラッシュを一生聞く必要はない」とかよく言われていますが、わたし的にはそれはどうかとも思います。 たしかに今聞いても非常にカッコいいんですけどメロディックなパートは一切ないので昨今のメロデス・シンフォブラックが好きな人には受け入れ難い可能性も結構大です。 そういう人にしてみればメロディックな要素が多い、megadethとかtestament、annihilator、mekong delta、paradox、artilleryといったテクニカルスラッシュ勢の方がはるかにカッコよく聞こえることでしょう。
とはいえこの”reign in blood”がJudas priestの示したヘヴィメタルの美学のうちの激しさと疾走感と様式美(禍々しさだけど)とツインギターによるスリルを極限まで追求した作品であることもまた事実でスラッシュ史上どころかメタル史の中でも十分に名盤です。 一時期メタルの天下を取ったジャンルでも最高峰の作品なので一見何の関係もないような勇者メタルとかジャーマン系メロディックスピードメタルにも何気に影響与えています。 この際、メロディックさは二の次三の次、刻みの疾走感だけに全てを賭けたメタルというのを聞いてみるのも良いでしょう。当然マジデス好きとデスラッシャーはマストです。 本当にこのアルバムで一応の完成を見たSlayer印の 野太い吐き捨てボーカルとツービートに金物を頻繁に絡めたドラミングは多くのバンドに影響を与えています。だってマジでカッコいいんだもん。 とはいえメロディックではないので音楽理論の専門用語を駆使したとしてもこの手の音楽を字面で表すのは難しいので具体的にどう凄いのかってのは書けないんですよね・・・ 観念的に狂ってる、とか疾走感万点とか、気合入ってるとかそんな感じに。 とにかく音楽の一つの究極の形の一つであることは間違いないのでメタル知らない人も機会があれば一度聞いてみてください。世の中にはこんなことしてる連中もいるんだってことで。 曲と演奏のクオリティは高いですから。
ただTr01のangel of death だけは何回聞いてもカッコいいと思えません。 世間ではこれがスラッシュ史上で名曲中の名曲と言われていますが、俺に言わせりゃ「どこが??」って感じです。ていうかダサいじゃん。速くないし、過激でもないし、アホでもない、展開凝ってるわけでもない、大マジで教えて欲しいのですが同アルバム収録のほかの曲に比べてどこが優れているのでしょうか? 刻みは熱いところもありますがドラムの間延びしたリズムパターンが全て(=疾走感)を台無しにしているだけの駄曲だとおもうのですが。 なんせテクニカルスラッシュとは違いメロディックさとはまったく無縁の音楽なので疾走感以外にセールスポイントは一切なく、ここでこけるとまったく聞く価値がなくなるのです。 疾走感以外という点を重視するならスラッシュメタルよりも優れている音楽は他にありますのでこの世にはこれだけたくさんの音楽があるのですからわざわざスラッシュを聞く理由がなくなります。 速さと曲のムチャっぷりならnecrophobic だし、展開とやばさとソロの狂いっぷりならraining blood だし。ていうかpostmoetemからraining blood への悪魔的雰囲気は堪らんですなぁ!カッコよすぎ。 と、文句つけてますが、divine〜までは本当に大好きなバンドです。 Live盤でありベスト盤でもあるdecade of agressionは俺の魂の拠り所ですし。