Last update Apr.16,2000

Terror 2000
  Slaughterhouse supremacy

この間TESTAMENTのThe Gatheringのレビューにスラッシュ最強アルバムと書きましたが、また強力なアルバムが登場しました。

このTerror 2000は北欧デスラッシュバンド「Soil work」と「Darkane」の合体バンドで、参加メンバーについてはメンドくさいんで省略。

で、音の方は北欧デスメタルを通過してきたヨーロピアンスラッシュで、
「整合感を持った"Kreator"を今風にした」といったところなんですが、この説明では大半の人は判らないでしょう。

とにかく狂っていて、SODOM、KREATORに代表されるヨーロピアンスラッシュ直系の刻みの細かいスラッシュメタルをさらに過激にして、現代のソリッドな音でプレイしています。
「DARKANE」の方は知らないのでなんとも言えないのですが、とりあえず「Soil Work」ほどリズムパターンに凝ったり、メロディを導入したりはしていなくてなくて、ひたすら直球勝負です。
疾走感とヤバさにすべてがかけられています。

コイツらスラッシュメタルの何たるかが解かっています。

デスメタルのように、ただひたすら演奏が速いのではなく、あくまでもスラッシュ的な疾走感を重視するために、リフはパワーコードと刻みの組み合わせを重視した、テクニカルで起伏の激しいものなっていて、さらにシャレにならないほど速いです。 Soil Workの2ndである「Chainheart Machine」の時にも感じたのですが、パワーコードを主体として、起伏に富んだスラッシュ直系のリフ構成をしている音楽の中では言語道断の速さです。
わたしもスラッシュ系の速いリフを弾くのは割と得意な方なのですが、さすがにこれは一曲弾ききれません。 速すぎです。人類の限界に限りなく近いスピードです。

ボーカルであるビョーン”スピード”ストリッドの悲壮感すら漂う壮絶なシャウトが、ただでさえメチャクチャ速いうえに、全パート一丸となった疾走感抜群の曲に乗って駆け抜けていく様はまさに圧巻。
ボーナストラックのTr10を除いてミドルテンポの曲など一切なく、アルバム本編全九曲、31分が一瞬のうちに終わります。

スカっとしたい貴方(または貴女)におすすめ。
日頃のイヤなことを彼らによる知的な音の暴力と共に一気に忘れ去りましょう。