Last update Mar.31,2000

VentAzure / Treating2Uマキシシングル

Blue GaleのWindows用エロゲー「Treating2U」についてきたおまけマキシシングルです。一曲目の「My Dear アレながおじさん」・・・(って凄っげータイトル・・・) があまりにもアレだったので先を聴くのをやめて、すっかり忘れ去っていましたが、この度新学期を迎えるに当たって部屋の整理をしている際に発掘されたので、試しに一応聴いてみたところ・・・

なにっ!

なんだかクオリティ高いです。
一般の「エロゲーボーカル入りソング」の水準を遥か彼方にぶっちぎって、一般のポップスと比べても十分にタメはれるレベルです。
メロが良いのはもちろんのこと、このマキシシングルを凡百のエロゲーソングと別次元のものにしている最大の要因はサウンドプロダクションです。MIXが良いんですよ。
これは個人的な意見なのですが、ポップスって一定以上のレベルになればあとはメロや曲構成の良さよりも、音造りの方が重要だと思っているのですが、このCDを手がけた人たち解かってます。 とくにボーカルのダブリング(声をいくつか重ねること)の使い方が巧いです。こういってはナンですが、歌唱力は大したことないです。しかし、ツボを押さえたMIXによってボーカルの魅力を数倍に引き上げています。

もちろん初めに良いメロディを書いていますよ。そして、そのメロディを生かすアレンジもまた巧いですね。
一般のエロゲーの曲って打ち込み屋の悪い癖でメロディ自体は結構良かったとしても、リズムアレンジがシーケンサーのコピー&ペーストで手を抜いたとしか思えないほどにいい加減なのですが、このCDではしっかりと造り込まれています。 安っぽい音源の音をごまかすために、かなり派手にエフェクト使っているんで音像がかなり痩せて、ぼやけていますが、おそらく与えられた情況の中では最善の仕事をされたと感じました。

まぁ、お金をもらっているプロの仕事としては当たり前のことなのですが、その当たり前のことが出来ていないサウンドエンジニア(ミュージシャンが兼任だとその罪は限りなく重い)がエロゲー業界には多すぎます。
とくにリーフの雫、痕跡以降台頭してきたビジュアルノベルといわれるADVゲームにおけるBGMの存在はゲーム全体のトータルイメージの上で決して軽いものではないはずです。

って、えらそうなこと書いてすみません。
「じゃあ、おまえの曲はどうなんだよ?」
っと突っ込まれるとなにも返す言葉がございません。現在鋭意作成中です。

ってそれもウソです。
ここしばらく曲書いていません。
せいぜいH"の着メロを五つばかり書いたくらいです。
っていうか、そんなの曲とはいいませんね。
ホント、すいません。関係者各位とくに'98年夏コミで、デモ版を買ってくださった方に深く陳謝いたします。

それはともかくとしてTreating2Uのおまけマキシシングルについてです。 収録もとのゲームについては知らないものもいくつか、っていうか結構あるんですがまぁそこは勘弁してください。

Treating2Uの劇中に登場する主人公「堤 伊之助」がボーカルを務めるBulletの曲が2曲。これまた以前レビューで紹介した「Fair Warning」のように「Fire Bomber」っぽいです。いや、どっちかというと「WANDS」の方がより近いか。
まぁ、それはともかくとして意外と(失礼)よい曲なんですよ。 前向きで暖かい歌詞に、やわらかい声。バラードっぽいRockです。

あと、2、3、5、6曲目は収録もとのゲームはわからないのですが、多分同一人物による女声をフィーチャーした、いかにもギャルゲーという雰囲気プンプンのダンスポップチューンです。わたしの大好きなイタロハウス直系のノリノリなギターカッティング的な(これを鍵盤の奏法でなんというのか知らない)ピアノとハードハウス系のリズムで盛り上げてくれます。

お気に入りはTr02:Take me high
マジ、驚愕のクオリティです。 全編にわたって鳴っているシンセのメインリフが凄いんですよ。そのリフを単品で聴くと絶対間違いだっ!と思うのですが、ボーカルとシンセストリングスによるコード進行が重なることによって不思議な浮遊感を醸し出しています。シンセストリングスも単品で聞くとかなり謎なフレーズ連発しています。

うーん。この単品では謎なメロを重ねることによって全体として整合感を持った曲にする。というアレンジはわたしの理想形態の一つなのでかなりやられたっ!って感じです。

Tr03:Love Generation
この曲、リズムパターンかなりカッコいいです。 Aメロ最高です。 ボーカルはつらいですが・・・ Bメロのもう限界って感じにへろへろなハイトーン、親の敵のように頭にアクセントを置いたサビかなりヤバイです。 しかし、サビでは左チャンネルに入っているハモリの下のラインで絶妙にカバーしています。

Tr05:Cross Talk
Every Litle Thing っぽいスローなハウス系バラードです。
サビのボーカル重ねすぎっ!ってくらいオーバーダビングとエフェクトかかってます。 メインのラインだけでも三回は重ねていて、プラスハモリのパートが上下に一つづつ×2で四声、あと女声の上のラインとオクターブ下でユニゾンしている(この表現おかしい)男声まで入っています。
ってことはわたしに聴こえただけでも8トラックは重ねているってこと? ここまで書いといてなんですが、音感ないんで信用しないでください。 ただのカンです。しかもいま熱で頭ボーっとしています。 そういえばTr07:Treating2Uのリードギターもそうとうエブ・リトしてます。

Tr06:季節の雫
初期ユーロビート調の曲。
初期カイリー・ミノーグのようなP&W系というか、アレフ(現A beat Cレーベル総裁デイブ・ロジャース)プロデュースって感じです。オシャレに仕上がっています。あと、70年代後半〜80年代前半のアイドルソングのような歌詞がなんだか素敵です。 なんと間奏にラップ入り・・・
こんなのエロゲーの曲じゃねぇ。

いやー、もともとゲームも'99年度のエロゲーのなかでは一押しの出来だったのに加えて、このマキシシングルがついてくるなんて「Treating2U」絶対に買い!でしょう。
まだゲーム未プレイで興味のある方ゲームレビューの方に載ってますんで、併せてどうぞ。