Last update Feb.02,2000

Yngwie Malmsteen / Rising Force (1984)

Yngwie Malmsteen / Rising Force (1984)


Rock Guitarの最終到達地点です。

ネオクラシカルに憧れてギターを手にとったはずなのにこのアルバム初めて聴きました。 どうして今まで一度も聴いたことがないのか自分でもよく解りません。 これをGuitar弾き始めたときに聴いていたら人生変わっていたんだろうな・・・

わたしはMetalを聴き始めたのが17歳と結構遅かったのでYngwieのことは"Fire & Ice" で初めて知ったのですが、聴いたときにそんなにインパクトは受けませんでした。 むしろ"Tony Macalpine"の"Maximum Security"の方がずっと衝撃的でした。 コレ聴いて朝から晩までスウィープピッキング練習したくらいですし。

しかしコレを聴いて、雑誌や友人の話などで「Yngwieは初期のアルバムの方が凄い」って言われていたのがやっと納得できました。 確かにRock Guitarの革命です。 Burrn!の藤木氏が「20世紀に登場した最も偉大な作曲家/ギタリストの一人」と評されるのもわかります。 このプレイを初めて聴かされて平静を保てるギタリストはいないでしょう。 そりゃ、世界中のロックギタリストが衝撃を受けてロックギターに革命も起きるわ。

"3rd:Trilogy (1986)"以降のYngwieのAlbumとはまったく異なったミックスが施されています。 かなり音像に隙間が在って、そのなかを唯一無二の強烈なYngwieのギターが縦横無尽に駆け巡り咆哮を上げるといったもので、このアルバムの全ては若き天才(当時)Yngwieのリードギターのためだけに存在しています。 闇夜を切り裂く一条の鋭い雷光のごとき"マーシャル+ストラトキャスター"による魂の咆哮。 震えと涙が止まりません。

テクニックも全体のプロダクションも3rd アルバム"Trilogy (1986)"の方が上なのですが、このギタートーンとプレイの前では比較の対象にすらなりません。 本当にナンなんだこのトーンとプレイはっ! よく世間では「Yngwieなんてただ速く弾いているだけ」「ソウルのかけらも無い」といわれたり、「あんなに速く弾いたらメロディなんか解らない」とか音楽評論家やミュージシャンのくせにほざいていた馬鹿がいますが音楽のドコを聴いているんでしょうか。 このプレイとトーンにこめられたYngwieの魂の叫びが解らないのでしょうか。 解らないんだろうな・・・

人が神の領域に到達できる証明として、ジャンルも時代も超えて、人がこの世に存在する限り伝えて欲しい偉大な芸術です。