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無題

ピラフ


コンピューターに制御された僕のカラダは

生ぬるい快楽だけでは満足できない


足の先からウィルスに侵されていく感触には

罪悪感という甘い粒子が散らばっている


破滅、破壊、崩壊、絶望、虚無、

が僕のカラダのど真ん中に大きな空洞を作り上げ

僕は急いでそこに穴埋めをしようと必死になる

ひたすら懸命な僕はその事の必要性に疑問を抱く暇も無い


隙間という隙間を埋め尽くし

一粒の液体が漏れ出ることも許されない


完璧な小宇宙に過剰な点検の繰り返し


バイクを飛ばしながら意識を沈めれば

暗闇の中に自分だけの星が見える

リアリティーに放り出されてクラッシュした僕のカラダには

イマジネーションというハイテンションな僕の存在は

一かけらも残ってはいないのだ


僕の感性を攻撃するウィルスを自由に飼い慣らしながら

生きるということのプロセスで僕は囚人であることの自由を満喫する


だけど、僕は与えられたパズルを放り出し

持っていたサイコロをどこかへと捨ててしまった

すでにゲームから降りてしまったこんな僕の後を

追うものなどいないだろう


黄金の地平線に飲み込まれたい願望を僕は抑えることができない

紺碧の海の藻屑に

存在の匂いもカリスマの断片も全く無いことを


僕はひとりでこっそりと確かめたいのだ



作者紹介/ピラフ。詩をたくさん読んでるわけでもないし、たくさん書いてるわけでもないです。まだまだ、詩の世界を語れるほどでもないですね。