金魚午睡
猫目石
やわらかな水の底で
うたたか
ゆっくりゆっくりと
眠るさかなのような日々です
外は雨
あの雨音が何とも耳に心地よく
泳ぎ終えた夏の午睡のように
あかるく白む夢を見た
空気はあくまでも清潔で
軽やかな薄荷の匂いまでも感じられます
まだ覚醒しきらない私の心とからだとは
水の底でゆらゆらと
許されている
水面にこぼれる
光の網を眠りのまなこに映している
作者紹介/猫目石。
雨が好きです。
雨音の中にいると水槽の中にいるようです。