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洞穴 葉月京 ここはどこだろう このごつごつした手触り こんな岩に囲まれた暗い 洞穴の中で (暗いとわかるほどの 微光の中で) 何しにここまで来たのだろう もはや足元の感覚さえ 曖昧なまま 宇宙の真ん中にいるように 知らない星を探す仕草 (今垂れたひとしずくの水音は どこまで響くの) 異界の磁場に迷い込んだ 渡り鳥のように ふらつくことなく 海か陸のいずれかに 向かっていることを 自覚しなければ とりあえず 閉所嫌いのわたしを 思い出さなければ さあ呼吸だ さあ発声だ あの 光だ |
作者紹介/葉月京。近頃パーマがとれてきて。 |