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ここから消える 神凪綺羅 僕はこの世界にひとりぼっちで生まれて 孤独という言葉の意味も知らずにすべてを否定し 淋しさという感情を理解する前に ここから消える 僕の存在の痕跡は当たり前のように薄れて 特別を得なかった僕は何の心配もなく ここから消える 僕の中に育ちかけていた温かな想いは ほんの少しだけ僕に人間らしさを与えたけれど 失ってしまえば水を失った花のように枯れて 僕から消える 僕は生まれてくるべき人間ではなかったと 口に出してしまえば同情の輪の中へ 他人から見える僕など真実のかけらもない 見せかけの僕を必要とするなら 今すぐここから消えろ 僕は人間になりきれない哀れなものだったのか しかしそれが幸せではなかったと誰が言える? 僕は後悔とは無縁のままに ここから消える |
作者紹介/神凪綺羅。初めて投稿する神凪綺羅です。あまり人に見せたことがないので、ぜひ感想を聞かせてください。 |