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ガラス越しの ・・・

chie


ガラス張りの店の

窓側に座ると心地いい

景色は全て目に入るのに

届く感触は日の光だけ


素晴らしい透明な壁を

手に入れたばかりの頃は

どんなだったろう


大草原の小さな家へ

窓ガラスは馬車に乗り

街から遥々やってきた

父さんが注意深く運んできたのだ

暖めた部屋の中から 心地よく

外の景色を眺めた時の

ローラの瞳は

どんな風に輝いたのだろう


国道を走るトラックの鈍い音が

耳元を何度も通りすぎていく

 ガラス越しに ・・・

  ガラス越しの ・・・

今ではなぜか

切なく気だるい響き

冷めかけた紅茶をそっと吸う


開かれた世界は また

閉じていくのか



作者紹介/chie。ゆるゆると時間を過ごしている専業主婦です。