ひとり
葉月 京
仮初めの熱は 時折
私を揺さぶり起こして
人間らしく笑わせるけど
乾燥しきったくちびるに
それらしい色は無くて
線路の隣りを歩いてる
いまも
こんな風に皆
独りなんじゃないかって
静かに沈む雲母のように
思い浮かべてみる